Netflix『イカゲーム』シーズン3ネタバレ考察【極限と涙の連続】衝撃の完結編へ突き進む怒涛の展開!

『イカゲーム』のポスター
出展元:https://vocal.media

Netflixドラマ『イカゲーム』は、借金を抱えた人々が命懸けのデスゲームに挑む韓国発のサバイバルスリラー。巨額の賞金を前に人間の本性が剥き出しになっていく姿を、鋭い社会風刺とともに描くシリーズです。そのシーズン3で何が起きるのか、キャスト紹介やあらすじを絡めながら、ネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます!



【本記事の注目点】
・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。

・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で掘り下げ、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪

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『イカゲーム』シーズン2をおさらい

巨額の賞金をかけた謎のデスゲームに参加するのは、借金や社会の底辺で追い詰められた456人の男女。勝てば人生逆転、負ければ即死──。誰もが知る子どもの遊びが、命を懸けた血のサバイバルに変貌する韓国発の大ヒットシリーズ。シーズン3の解説に入る前に、軽くシーズン2をおさらいしましょう♪

シーズン2のあらすじ

デスゲームで優勝し、456億ウォンの賞金を獲得したシーズン1から3年後、ソン・ギフンは再び“ゲーム”へ戻る決意を固める。目的は、フロントマンを倒して残酷なデスゲームを内部から終わらせるためだ。シーズン1で仲間になったファン・ジュノ刑事と再会したギフンは、賞金を使って借金取りだった男たちを雇い、スカウトマンを捜索する。

再びゲームに参加することになったギフンは、ファン刑事が追跡できるようフェイクの歯にトラッカーを仕組むが、ゲームの主催者に阻止されてしまう。

今回はゲームの内容にも大きな変化があり、参加者が継続や撤退を選べる“投票制”が導入され、新たなデスゲームが次々に登場 。ギフンは再び「456番」として命がけの戦いに身を投じ、他のプレイヤーたちと関わりながら自らの正義と向き合う。

シーズン終盤ではギフンと仲間たちが反乱を起こすが、結局はフロントマンの策略により砕かれる。親友チョンベの死が象徴するように多くの犠牲者を出した末、物語は“悲劇”の色を強めて終了 。フロントマンの正体は再び謎めき、ギフンは厳しい現実を突きつけられる。

最後は、ギフンVSフロントマンの最終決戦への布石となるクリフハンガーで幕を閉じた。

『イカゲーム』シーズン3の概要

製作:Netflix
ジャンル:サバイバル、スリラー、アクション、ヒューマンドラマ
配信日:2025年6月27日
製作国:韓国
話数:
クリエイター:ファン・ドンヒュク

『イカゲーム』シーズン3のあらすじ(ネタバレなし)

シーズン3は、シーズン2最終話の直後から物語が再開する。

ギフンは、自ら主導した反乱が失敗に終わり、さらに親友チョンベが目の前で命を落としたことで深い絶望に沈む。精神的なダメージは大きく、誰とも言葉を交わさない彼は食事も摂らず、ゲーム続行の是非を決める重要な投票も棄権するほど無気力な状態に陥っていた。かつての闘志は影を潜め、もぬけの殻のようになっていたギフンは、周囲から完全に孤立していく。

そんな彼に、ある出来事が転機をもたらす。それは、失われた希望のかけらを手繰り寄せるような出来事で、ギフンは新たな使命を見出していく。そして、誰よりも過酷な現実を知ったギフンは、サバイバルの場で再び闘志を燃やすようになる。

一方、ゲームの進行に伴い、参加者たちは次々と衝撃的な死や、胸を締めつけられるような別れに直面する。その裏で、外の世界ではファン刑事とチェ理事長が独自に島の実態を追い続けていた。数々の障害や隠蔽工作を乗り越えながら、ついに二人は島への手がかりを掴み始める。内部と外部、それぞれの場所で動き出す人々の想いと行動が、物語を大きく動かしていく──。

・『イカゲーム』のトリビアを知ったら、もっと面白くなる!

『イカゲーム』シーズン3海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

【Rotten Tomatoes】
批評家スコア:88%
観客スコア:47%
【筆者の評価】
総合評価:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★★★☆

シーズン3はシリーズのフィナーレに向けて、一気に加速するような怒涛の展開が待ち受けています。前シーズンまでで築かれた緊張感や心理戦の魅力はそのままに、今回もまた予測不能なゲームが登場し、視聴者を息をのむような展開へと引き込んでいきます。

ゲーム内容のクリエイティブさは相変わらず秀逸で、「まさかこんなルールが……!」と思わせるような仕掛けや、誰が生き残るのかまったく読めない駆け引きの連続! 単なるスリルに終わらない、人間の本質を試すような構造になっていて、観ているこちらの感情まで試されているような気分になってしまいました。

今シーズンでは、登場人物たちの背景や想いがより深く描かれていて、それぞれが抱える事情や葛藤に心を揺さぶられる場面も多数。極限状態に追い込まれた中での選択は、涙なしでは見られないエモーショナルな展開もあり、ただのサバイバルドラマでは片づけられない、濃密な人間ドラマが見応えタップリ!

さらに、アクションや演出の面でも大きくスケールアップしていて、シーズン3はシリーズを見続けてきた人にとって完結編にふさわしい、重厚で刺激的な仕上がりになっています。スリルと感動、そして深い余韻を残すラストまで一瞬も目が離せません!

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『イカゲーム』シーズン3の登場人物&キャスト

ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)

デスゲームを内部から止めるために再び謎の島へ戻り、フロントマンと対決する。

ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)

ギフンと協力し、兄ファン・イノの真実を解くために再び島に乗り込む計画を立てる。

フロントマン/ファン・イノ(イ・ビョンホン)

仮面を被り、ゲームの指揮を執る謎の人物。シーズン2ではを正体を偽ってゲームに参加し、ギフンに近づく。

デホ(カン・ハヌル)

元海軍兵士でギフンと親しくなり、何度もチームを組んで共に戦う。

ヒョンジュ(パク・ソンフン)

トランスジェンダーの女性で特殊部隊出身。性別適合手術の費用を得るためにゲームに参加した。

ギョンソク(イ・ジヌク)

絵描きで、白血病を患う娘の治療費のためゲームに参加した。

ヨンシク(ヤン・ドングン)

ギャンブルで作った多額の借金を返済するためにゲームに参加。会場で母親クムジャが参加していることを知る。

クムジャ(カン・エシム)

息子ヨンシクの借金を返済するためにゲームに参加し、会場で息子と再会する。

ジュニ(チョ・ユリ)

ミョンギの元カノ。彼の助言を信じて悪質な投資詐欺に巻き込まれ、生活のためにゲームに参加する。

ミョンギ(イム・シワン)

ジュノの元彼。暗号通貨詐欺に遭い、多額のお金を失った元YouTuber。

ノウル(パク・ギュヨン)

新生児を残して脱北せざるを得なかった元兵士。遊園地で働いている時にギョンソクの娘と出会う。

『イカゲーム』シーズン3の全あらすじ(ネタバレあり)

 

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以下、物語の展開を時系列順にまとめました。
・もぬけの殻状態になったギフン
・第4ゲームが開始
・裏切者が判明
・第5ゲームが開始
・ファン刑事が島へ
・第6ゲームが開始
・6ヶ月後

もぬけの殻状態になったギフン

シーズン3は、シーズン2最終話の直後から物語が再開する。絵描きのギョンソクは、ノウルの計らいで地下室にある臓器摘出の手術室に運ばれる。手術室まで同行したノウルは、ガードたちを射殺。腹を撃たれたギョンソクの手術を医師に命じ、ノウルはギョンソクに医師のピンクユニフォーム16番を着せる。

島を探しているファン刑事は、ドローン操作者が船上で行方不明(シーズン2でパク船長が殺害した)になったため、新しい操作者を乗船させるために一度港へ引き返す。チェ理事長はパク船長に疑いの目を向け、ファンに船長の素性を調べると言って本土に残る。

ギフンは、自分が企てた反乱が失敗した挙句、親友チョンベが殺されて大きなショックを受け、もぬけの殻状態になっていた。

第4ゲームが開始

第4ゲームはかくれんぼ。青と赤チームに分けられ、30分以内に青チームは与えられた鍵で部屋を通り抜けながら出口を見つけ、ナイフを与えられた赤チームは青チームを見つけて殺すというルール。親子の母クムジャは青で、息子ヨンシクは赤チームに分かれてしまう。ギフンは赤チームだ。

クムジャとジュニ、ヒョンジュは行動を共にし、3人が持っている鍵の形はそれぞれ△と□、〇で、一緒に行動していればどの部屋の扉も開けられることが分かる。3人は順調に移動していたが、ジュニが階段を踏み外して足首に怪我をしてしまう。ジュニが部屋で少し休んでいると、なんと破水して陣痛が始まり、クムジャの助けでジュニは女の子を出産する。

その間も襲い掛かって来る赤チームと闘っていたヒュンジュが出口を見つけるが、背後からミョンギに刺されて命を落としてしまう。

ギフンは、弾倉を運ばずに逃げ、反乱を失敗に導いたデホを追い詰める。彼は元海兵隊員だと言っていたが、それはギフンたちと仲間になるための嘘だったことが判明。ギフンは格闘の末、デホを絞殺する。

ジュニとクムジャが出口を見つけて鍵を開けようとしているところへ、ヨンシクが現れる。息子がジュニを殺そうとしたため、クムジャはかんざしで息子の背中を刺し、ヨンシクはガードに銃殺される。

裏切者が判明

手術室の応答がないため、ガードが様子を見に行くと何人もガードが殺されていた。ノウルは部隊長の部屋に忍び込んで銃を向け、16番と自分を島から脱出させるよう脅す。二人はボートで島を脱出するが、部隊長に戻らなければギョンシクの娘を殺すと脅され、ノウルは自分だけ島へ戻ってギョンシクを逃す。

クムジャはギフンに、ヨンシクを自らの手で殺めたことを打ち明け、ジュニと赤ちゃんを守ってくださいと頼む。翌日、首を吊って死んでいるクムジャが発見され、ジュニは泣き崩れる。

チェ理事長はパク船長の家に忍び込み、ピンクガードのスーツ&マスクやスカウトマンと一緒に写った写真を発見。侵入罪で警察に逮捕されてしまうが、なんとかファン刑事に電話をして警告する。



第5ゲームが開始

第5ゲームは縄跳び。ゲーム参加者は、20分以内に鉄製の縄跳びを飛びながら橋を渡り、向こう側に辿り着けばクリアというルール。足首を怪我したジュニは縄跳びを出来る状態ではないため、まずはギフンが赤ちゃんを抱いて橋を渡り、また戻ってジュニを連れて渡るつもりだった。しかし時間が迫り、ジュニはギフンに「赤ちゃんを守って」と頼み、飛び降りて自ら命を絶った。

ジュニが亡くなり、赤ちゃんがゲームに参加するべきかどうかVIPたちとフロントマンが協議し、赤ちゃんは222番として参加することが決定。自分で決断が下せない赤ちゃんが途中参加することに他の出場者が激怒し、ギフンと赤ちゃんはターゲットになってしまう。

ギフンはフロントマンのオフィスに呼び出され、ナイフを手渡される。残された参加者を刺し殺せば、赤ちゃんと共に優勝できると告げられる。「なぜ自分を助けるのか」と問いかけると、フロントマンはマスクを外す。その人物は、シーズン2で共に戦ったファン・イノだった。ギフンはその正体に愕然とする。

しかし、ギフンはナイフで出場者の寝首をかくことは出来なかった。

ファン刑事が島へ

正体がバレたことを知ったパク船長は、船上でファンの部隊をマシンガンで襲撃するが、ファンが反撃して船長は命を落とす。

本土へ向かう途中のボートで、ギョンソクはピンクガードに発見されて銃撃を受ける。絶体絶命の瞬間、ファンたちが現れガードを撃退。ギョンソクは島の位置を伝え、ファンたちは現地へ急行する。

島へ戻ったノウルは、資料室でギョンソクに関する書類を処分している最中、自分のファイルを偶然発見する。そこには、長年探していた娘が脱北中に命を落としていたことが記されており、ノウルはその場で泣き崩れる。

第6ゲームの開始

第6となる最終ゲームは△と□、〇型の柱の上で、それぞれ15分以内に一人以上を突き落とせば、次のステージに進めるというルール。残ったメンバーは、ギフンと赤ちゃん、ミョンギを含めて9名だ。

ギフンと赤ちゃんは標的にされるが、途中でミョンギが赤ちゃんの実の父親であることを明かし、何度かギフンを助ける場面もあった。しかし、最終ステージの円柱上でミョンギが赤ちゃんを奪い、最終的には赤ちゃんを犠牲にして賞金を独占しようとしていたことが明らかになる。激しい格闘の末、ミョンギは柱から転落して命を落とす。

娘が死んでいたことを知り、絶望したノウルは機関銃を首に当て、副隊長の部屋で自殺しようとしていた。しかし、ゲームの様子を映したモニターで、赤ちゃんの泣き声を聞いてその手を止める。

円柱上に最後に残ったのは、ギフンと赤ちゃんだけとなった。ギフンが、デスゲームを観賞しているVIPがいる窓に向かって、「俺たちは馬じゃない。人間だ」と言って飛び降り、最期を迎える。

円柱の上で赤ん坊を抱きかかえるフロントマンのもとに、ついに島へ辿り着いたファンが現れる。距離はあったものの、ファンは「兄さん、どうしてこんなことを?」と問いかける。しかしフロントマンは一言も発せず、弟に背を向けたまま静かにその場を立ち去った。

その後、島は爆破される。

6ヶ月後

ノウルは、遊園地にギョンソクと彼の娘に会いに行くが、島でのことは何も言わなかった。その帰り、ノウルは娘探しを頼んでいたエージェンシーから連絡を受け、中国でノウルの娘を見た者がいると知らされ、現地へ向かう。

ファンが刑務所から出所したチェ理事を迎えに行った後に家に戻ると、なんと222番のチャージを着せられた赤ちゃんが寝ていて、カードが置いてあった。そのカードをATMに入れて残額を確認すると、456億ウォンが入金されていた。

ギフンが暮らしていたピンクモーテルの部屋に置いてあった賞金は、全て消えていた。ロサンゼルスに住んでいるギフンの娘のもとにフロントマンが現れ、父親の遺品だと言って箱を渡す。娘が箱を開けると、456番のジャージとカードが入っていた。ギフンのお金は、フロントマンが娘に渡すために回収していたのだ。

ロサンゼルスの道端でフロントマンが車を止めると、路地で女性スカウトマンと男がメンコをしているではないか。ラストは、フロントマンとスカウトマンが目を合わせるシーンで終了する。

・ダークな社会風刺の作品が好きな人におすすめ♪

『イカゲーム』シーズン3の見どころ・考察(ネタバレあり)

 

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以下のポイントに注目して考察を深掘りしていきます。
・クムジャの覚悟と母親の愛の形
・新たな使命で蘇ったギフンの闘志
・赤ちゃんが象徴する生と死のコントラスト
・ギフンの最期
・ラストシーンの意味

クムジャの覚悟と母親の愛の形

シーズン3で特に胸を締めつけられたのが、クムジャが息子ヨンシクに自ら手を下すシーンでした。息子がジュニを殺そうとしたその瞬間、クムジャが迷うことなくかんざしで背中を突くあの場面……。普通なら到底できることではありません。

ですが彼女の表情からは、「息子が誰かを殺すくらいなら、せめて自分の手で」という深い覚悟と、母としての限界と愛情が痛いほど伝わってきました。

ヨンシクを守りたかった。でも、それ以上に彼が人殺しになることを、母親として許せなかったのではないかと思います。親が子を裁くという、あまりにも重すぎる選択。筆者は、クムジャの涙と叫びに完全にやられてしまい、気づけば画面の前でボロ泣き。デスゲームという非現実的な世界の中で、こんなにもリアルな“親の愛”を見せられるなんて思いもしませんでした。

新たな使命で蘇ったギフンの闘志

シーズン3のギフンは、まさに“もぬけの殻”状態からの再生が大きな見どころでした。反乱の失敗と、親友チョンベの死という精神的な打撃で完全に心が折れてしまい、もはやゲームどころか生きる意味すら見失っていた彼。そんなギフンに再び火を灯したのは、“赤ちゃんを守る”という新たな使命でした。

ジュニの死を受け止め、新しい命を託されたことで、ギフンの中に消えかけていた責任感と闘志が蘇っていく変化がすごく自然で、それでいて感動的でした。ゲームという極限状況の中であっても、“誰かのために生きる”ことが人を立ち上がらせる構造はシンプルですが、やはり胸に響くものがあります。

かつては自分のために戦っていたギフンが、今度は“弱き者”の盾となって戦う姿は、まるで別人のよう。ですが、その根底にあるのは、最初からずっとギフンが持っていた優しさではないかと思います。赤ちゃんを守るために、時に冷静に、時に感情を爆発させながらも必死に食らいついていく姿に心を動かされました。

シーズン1から見守ってきたからこそ、こうした“再生”の物語には特別な思い入れが生まれるものです。ギフンの闘志は、誰かの命を守るという“愛”から生まれた、そんな気がしました。



赤ちゃんが象徴する生と死のコントラスト

シーズン3で描かれる“赤ちゃん”の存在は、まさにこの地獄のようなゲーム空間における、唯一の“希望”や“未来”の象徴だったと思います。無垢で汚れのない存在ですが、それと同時にデスゲームに巻き込まれ、命の危険にさらされる残酷な現実にも直面しました。

ゲーム中に参加者たちは容赦なく死んでいきます。裏切りや喪失、絶望が次々と襲う中、赤ちゃんの誕生は、まるでこの狂気の中に一筋の光が差し込んだような印象すらありました。

でも、その存在が“生きる価値があるか”を巡って議論されたり、標的にされたりする様は、道徳的な問いを投げかけていると思います。命とは何か? 誰がその価値を決めるのか? 命が生まれる尊さと、命が奪われていく虚しさが同時に描かれることで、これまで以上に“生と死のコントラスト”が鮮烈に浮かび上がっていたように思います。

また、この赤ちゃんはノウルの命も救いました。ノウルは、ずっと探していた娘が死んでいたことを知り、絶望感で自死しようとしていました。まさにその瞬間、赤ちゃんの泣き声を聞いたノウルは、引き金を引こうとする指を止めました。ギフンを蘇らせ、ノウルの命を救った赤ちゃんの役割は、計り知れないものだったのではないでしょうか。

ギフンの最期

ラストでギフンが命を落とす展開は、シリーズのテーマを貫くうえで非常に重く、それでも必然だったと感じました。

ギフンは、シーズン1で社会の底辺から這い上がる希望の象徴のような存在として描かれながらも、次第にゲームの残酷さや人間のエゴ、そして自分自身の限界に直面していきます。シーズン3では、もはや生き延びることだけが目的ではなくなり、「人間としての尊厳をどう守るか」が彼の最終的なテーマに置き換わっていたように思います。

ラストの「俺たちは馬じゃない、人間だ」というセリフとともに、自ら命を絶つという選択をしたギフン。その行動は、ただ赤ちゃんのために犠牲になるだけでなく、非人道的なゲームそのものへの最大の抗議であり、あえて“勝者”にならないことで人間らしさを取り戻すという、深いメッセージが込められていたのではないでしょうか。

エンタメ作品としての衝撃もさることながら、視聴者に「生きるとは?」「勝つとは?」という疑問を突きつけるラストとして、とても強く心に残る幕引きだったと思います。

筆者は、韓国ドラマは『イカゲーム』しか観たことがないので他の韓流ドラマと比較は出来ませんが、ハリウッドの作品だったら、おそらくギフンは生き残っていたでしょう。本当にハリウッド作品は、映画もドラマシリーズも主人公が命を落とすケースがメチャクチャ少ない。

ハリウッドでは、「ヒーローは最後に勝ち残る」というお約束が強く、生き延びるのが主流です。だからこそ、筆者にとってギフンの死はより衝撃的で、強烈な印象を残したのだと思います。

ラストシーンの意味

ラストシーンは、ロサンゼルスの路地で女性スカウトマンと男がメンコをしていて、フロントマンと彼女が目を合わせるシーンで終了しました。

そして、このスカウトマンを演じているのが、ほかでもないオスカー2冠の大女優ケイト・ブランシェット! もう筆者はあまりにもビックリしてしまって、「ええー!」と声を上げてしまいました。

一体、どういう経緯で超大スターのケイトが、『イカゲーム』にカメオ出演することになったのか気になります。しかも、アメリカでもスカウトマンがメンコをプレイしているということは、デスゲームが国際的な事業として展開されている可能性もあるのではないでしょうか。

なんだかシーズン4へ繋がる伏線にもなりそうだし、スピンオフのアイデアにもなりそうですが、現時点でクリエイターのファン・ドンヒョクは「シーズン3が完結編」だと断言しています。

ですが、Netflix史上最大のヒットを記録した『イカゲーム』を同社が簡単に手放すとは思えないので、近い将来、『イカゲーム』に関する新企画が浮上する可能性もあるかもしれません。

・アクションドラマが好きな人はチェック!

『イカゲーム』シーズン3のまとめ

極限のサバイバルに人間の尊厳や希望を重ねた、心揺さぶる完結編。衝撃と感動が交錯する怒涛の展開に、最後まで目が離せません!

『イカゲーム』シーズン3は、シリーズファンには間違いなく必見です。ぜひ、Netflixでチェックしてみてください♪

『イカゲーム』シーズン3の視聴方法

『イカゲーム』はNetflixで独占配信中! VODの中でもダントツにコンテンツ量が多いNetflix。使ったことがない方も、この機会にぜひ♪

この他にもNetflixでは同シリーズ系統のドラマが多数配信中です。「次に観たい作品が見つからない…」という方は、以下の記事も合わせてどうぞ。

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