Disney+配信ドラマ『ワシントン・ブラック』は、19世紀を舞台に、バルバドスのさとうきび農園で奴隷として働く11歳の少年の大冒険を描くシリーズ。この記事ではキャストやあらすじの紹介に加え、ネタバレなしの感想とネタバレありの考察でダイブインしていきます!
【本記事の注目点】
・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。
・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で掘り下げ、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪
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『ワシントン・ブラック』の概要
『ワシントン・ブラック』のあらすじ(ネタバレなし)
Hulu製作『ワシントン・ブラック』は、エシ・エデュジアンによる同名小説をドラマ化したシリーズ。
1830年代のバルバドスのさとうきび農園で奴隷として働く11歳の少年ワシントン・“ウォッシュ”・ブラックは、発明家ティッチ・ワイルドに才能を見出され、彼とともに北米や北極、ロンドン、モロッコなど世界を巡る大冒険へと旅立つ。
科学への好奇心や自由への渇望、仲間との絆を軸に、自身のルーツとアイデンティティを模索する物語は、過酷な現実と対峙しながらも、ウォッシュが自らの可能性を切り拓いていく姿が壮大なスケールで描かれる感動の成長ドラマ。
・アドベンチャー作品が好きな人はチェック♪
『ワシントン・ブラック』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
本作は、奴隷制度という深刻なテーマを扱いながらも、希望や夢、友情、そして科学への好奇心が物語のトーンを明るく維持していて、人種差別や奴隷制について考えさせられながらも、ウォッシュの冒険と成長を心から堪能できる構成になっていると思います。
また歴史ドラマでありながら、スチームパンクの要素やファンタジー的な演出もほんのり加わっていて、飛行船で空を飛ぶシーンやウォッシュが世界中を駆け巡る大冒険を、まるでカラフルな絵本をめくるような楽しさで味わえるのもポイント。
筆者は、子ども時代に夢中になって読んだ絵本『カロリーヌのぼうけん』シリーズを思い出してしまい、『ワシントン・ブラック』の小説を読んでみたくなりました。衣装や美術にもこだわりが感じられ、時代の空気をリアルに再現している点も見逃せません。
一人の少年の旅を通して、「自分らしく生きるとは何か」と問いかけてくる心に残るシリーズで、重いテーマが苦手な人でも楽しめるのではないでしょうか。家族での視聴もおすすめです♪
『ワシントン・ブラック』の登場人物&キャスト
ジョージ・ワシントン・“ウォッシュ”・ブラック(アーネスト・キングスリー・Jr.)
少年時代のウォッシュ(エディ・カランジャ)
奴隷として生まれた彼は、科学者のティッチに助手として選ばれて仕えるようになるが、ある事件が起きて二人で逃亡の旅に出る。
クリストファー・“ティッチ”・ワイルド(トム・エリス)
バルバドスのさとうきび農園を所有する、ワイルド家の次男で科学者。ウォッシュの才能を見出して助手に指名する。
メドウィン(スターリング・K・ブラウン)
ノバスコシア州フェアファックスで、成人したウォッシュに力を貸す誠実な人物。
キット(ショーネット・レネー・ウィルソン)
さとうきび農園でウォッシュの母親代わりとして面倒を見ていた女性。
ミスター・ゴフ(ルパート・グレイヴス)
イギリス人の科学者で王立科学協会のメンバー。タンナをマクギー家に嫁がせて、借金を返済しようとする。
タンナ・ゴフ(アイオラ・エヴァンス)
黒人の母を持つ混血。黒人としてのアイデンティティを守ろうとして、ウィリアム・マクギーとの結婚から逃れようとしている。
ウィリアム・マクギー(エドワード・ブルーメル)
ノバスコシア州ハリファックスの資産家。タンナと婚約する。
アンジー(ナイカ・トゥーサン)
ハリファックスでウォッシュを支えている女性。
『ワシントン・ブラック』の全あらすじ(ネタバレあリ)
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【8年前】
・飛行船での逃亡
・ティッチのとの別れ
【現在】
・タンナとの出会い
・追っ手との対決
・科学者として自立したウォッシュ
・母に関する衝撃の真実
8年前
飛行船での逃亡
11歳の少年ウォッシュは、さとうきび農園で奴隷として働いていたが、農園主ワイルド家の次男ティッチと出会い、彼の科学助手としての道を歩み始める。
しかしウォッシュは、父親の死を知らせるために農園に戻って来たティッチの兄、フィリップの自殺現場に居合わせたことで殺人容疑をかけられてしまい、ティッチが開発していた飛行船に乗り、彼と一緒に逃亡する。
途中、海賊船に衝突して捕らえられるも、絵の才能を見出されて海賊と親しくなる。一方ティッチは監禁され、船内での対立が激化。仲良くなった海賊バーリントンと別れることになってしまう。
バーリントンたちと別れた後、ティッチとウォッシュはバージニア州ノーフォークの科学者ファローを訪ねるが、彼は北極にいるティッチの父と最近も文通していて、彼は生きていると告げる。そこでウォッシュはティッチに、北極へ父親を探しに行こうと提案する。
ティッチとの別れ
フィリップ殺しで賞金を懸けられているウォッシュのもとに、賞金稼ぎのウィラードの追跡の手が迫りmティッチとウォッシュは北極行きの船に乗り込む。
北極でティッチが氷の穴に落ちて意識を失うが、応急処置を施したのは、なんと行方不明になっていた彼の父親だった。イヌイットの村で療養するティッチは、父から「お前は科学者ではない」と否定され、才能を認めてもらえなかったことに深く傷つく。
ある夜ティッチはm「自由を与える」とだけ記した手紙をウォッシュに残して去る。ウォッシュは彼を“家族”だと呼んで必死に引き止めようとするが、その背中を見送るしかなかった。
ティッチに置き去りにされ、方向がわからなくなったウォッシュは、極寒の地で遭難しかけてしまう。しかし、イヌイットの夫婦に発見され、なんとか命を救われたが、ウォッシュを探していたティッチの父親は、捜索中に重傷を負い、瀕死の状態で発見される。
最期の瞬間、父は付き添っていたピーターに「愛してる」と告げて息を引き取る。実はピーターは、かつて彼の恋人だったのだ。その後ピーターは、ウォッシュに「ノバスコシアに行けば、君は自由を手に入れられる」と伝える。
現在
タンナとの出会い
1837年、ノバスコシアのハリファックスにロンドンからゴフ親子が到着。娘のタンナは、母が黒人だと公言したことで社交界から遠ざけられ、父は資産家ウィリアム・マクギーとの結婚をまとめるために娘を連れてきたのだった。
一方、元奴隷のウォッシュは“ジャック・クロフォード”と名を変え、科学の発明で王立科学協会の博覧会に挑戦中。何度かタンナと会ったことで、二人の間に恋心が芽生える。だが、彼の過去を知る賞金稼ぎウィラードがまたもや現れ、ウォッシュの正体と過去が暴かれ始める。
ウォッシュと再会したタンナは、彼が無実の罪で逃亡中の黒人科学者であること、そして自らも混血であることを打ち明け合い、互いに心を通わせる。やがてウォッシュは、タンナの父の海の探索に同行して才能を示すが、タンナとの交際には反対されてしまう。
一方、タンナの婚約者マクギーは彼女の出自を知りつつも婚約を解消せず、賞金稼ぎから手を組むよう誘われるも拒否する。身分や偏見に揺れながらも、ウォッシュとタンナは愛と自由を選び取ろうとする。
追っ手との対決
マクギーは本名を偽り、本物のマクギーを殺して彼に成りすまし、タンナとの結婚準備を進めていたのだ。
タンナはマクギーから、婚約祝いとして思い出のピアノを贈られるが、ウォッシュへの想いを正直に打ち明ける。その後、ウィラードがウォッシュを捕えたと知ったタンナは、メドウィンと一緒に彼を救いに向かう。
ウォッシュはウィラードに捕まるが逃走し、彼と格闘になり崖から転落。ウィラードは死亡するが、ウォッシュは奇跡的に生き返る。タンナはマクギーにウォッシュの無事を伝え、彼は婚約を破棄して彼女に理解を示す。
科学者として自立したウォッシュ
タンナは父親に、マクギーが婚約を破棄しても借金を肩代わりしてくれると伝え、ウォッシュをアシスタントとしてロンドンに連れて行き、王立科学協会の会員にするよう約束させる。
ウォッシュは、ロンドンで開催された世界科学エキスポで自身が発明した水槽を展示した日、偶然ピーターと再会。ウォッシュは、奴隷制廃止後にバルバドスから労働者がロンドンに流れていると知らされ、キットとの再会を願う。
エキスポでウォッシュの水槽が受賞するも、タンナの父親は約束を破ってウォッシュを創作者と発表せず、ウォッシュは科学者として自立を宣言する。
母に関する衝撃の真実
その後、ウォッシュはバルバドスで自分を息子のように育ててくれたキットが亡くなり、さらに彼女が実の母親だったという衝撃の事実を知る。また、ティッチが生きており、しかもキットが実母であることを知っていたと聞かされ、大きなショックを受ける。
ウォッシュは真相を確かめるため、ティッチが暮らすモロッコへ向かう。再会した彼にキットのことを問い詰めるが、ティッチは多くを語らず、自分の父親の最期の言葉について尋ねる。
ウォッシュは、「彼は“自分のために生きろ。誰にも屈することなく、たとえ自分を壊した相手でさえも”と言っていた」と言い、「君のお父さんは、君のことを愛していた。でも、自分のために生きてほしくはなかったんだ」とも伝える。
その後、ウォッシュはタンナにプロポーズし、彼女とともに自ら改造した飛行船で故郷ダホメへ向かう。かつて王家の護衛だったキットは、ウォッシュを身ごもったことで追放され、さとうきび農園に奴隷として売られたのだった。
幻想の中で母と再会したウォッシュは、血縁を知らせなかった理由として、「母であることを明かさないほうが、息子を自由にできる」と告げられる。
やがてタンナは女の子を出産し、キットの本名“ナウィ”と名付ける。物語は、ウォッシュの発明した飛行船で、家族が空の旅を楽しむ姿で幕を閉じる。
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『ワシントン・ブラック』の見どころ・考察(ネタバレあり)
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・自分らしく生きることを教えてくれる作品
・恩人であり裏切り者でもあるティッチの複雑な人間性
・もうひとつの顔を抱えて生きるということ
自分らしく生きることを教えてくれる作品
『ワシントン・ブラック』は、1830年代の奴隷制度を背景に描く壮大な冒険と成長の物語ですが、そこに込められたテーマには、現代にも深く響くメッセージが込められていると思います。
主人公ウォッシュは、バルバドスのさとうきび農園で奴隷として育ち、自分の出自を知らずに生きてきました。しかし、科学者ティッチとの出会いをきっかけに世界を知り、自分の可能性を広げていきます。物語を通して彼は、肌の色や出自ではなく、自らの意思と知性、そして選択によって「自分は何者か」を模索していき、その姿に心を打たれました。
またティッチも、父親という大きな存在の影に縛られて生きてきました。偉大な科学者である父に才能を否定され、自らの価値を証明しようとする彼の姿は、家族の期待と自我の狭間で揺れる現代人にも通じるものがあります。
そして、白人と黒人の混血であるタンナは自身のアイデンティティに揺れ、自分の立ち位置に戸惑いながらも、「自分が愛した人を選ぶ」という強い決断を下しました。
このドラマの素晴らしさは、「奴隷制という過去の悲劇を描く」ことにとどまらず、登場人物たちがその痛みや不条理を乗り越えて、自分らしい人生を切り拓いていく姿にあります。例えば、ウォッシュが科学者として自立を宣言する場面は、自分の可能性を信じて未来を切り拓こうとする強さを象徴していて、キットが「母であることを隠して息子を自由にする」という選択は、血縁や立場を超えて相手を思う“本当の愛”の形を描いているように感じました。
空を舞う飛行船や壮大な冒険ドラマはファンタジックだけど、どこか現実的で、『ワシントン・ブラック』は、「誰かが決めた生き方ではなく、自分で人生を選び取ることの大切さ」を教えてくれる、現代的なメッセージにあふれた作品。
少し落ち込んだ時や前向きになれない時に観たら、元気を貰えるシリーズだと思います♪
恩人であり裏切り者でもあるティッチの複雑な人間性
ティッチは、1830年代という奴隷制があった時代において、黒人の少年ウォッシュに対して分け隔てない態度をとる、進歩的で人間味のある人物として描かれています。
読み書きや科学を教え、知的な好奇心を刺激し、ウォッシュを“人”として尊重する姿勢は、当時の白人としては極めてまっとうで、筆者は共感を抱きました。
ところが物語が進むにつれ、ティッチの理想主義の裏にある“脆さ”や“無責任さ”が徐々に浮かび上がってきます。彼は善意を持ち合わせていながらも、現実から逃げる傾向があり、厳しい状況になると人間関係を断ち切ってしまう癖があるように思いました。
ウォッシュを置いて突然姿を消したり、キットが実の母親だと知りながら伝えなかったりした行動は、そうした弱さの表れはないでしょうか。
再会の場面でのティッチは、以前と変わらない態度を取りながらも、どこか“距離”を置こうとしていたようにも感じました。それは、彼が罪悪感を抱いているからか、あるいは今も自分の選択が正しかったと信じているからかもしれません。いずれにしても、ウォッシュにとってティッチは“恩人”であると同時に、“傷つけた存在”にもなってしまったのです。
ティッチは完全な善人でも悪人でもなく、“理想を追う不完全な人間”として描かれています。その曖昧さこそが彼をリアルにし、観る者に複雑な感情を抱かせるのでしょうか。ウォッシュとの関係性は温かさと裏切りが入り混じった、まさに“家族”のようなもの。
だからこそ、再会の場面が単純な和解や感動的な展開で終わらず、互いに抱える葛藤や痛みを抱えたまま、距離を残したものになったのではないでしょうか。
もうひとつの顔を抱えて生きるということ
この物語には、表と裏、光と影、あるいは“名乗れないもう一人の自分”を抱えたキャラクターたちが数多く登場します。過去を隠して生きるウォッシュ、黒人との混血であることを社交界で伏せていたタンナ、罪を背負い他人として生きるマクギー、そして同性愛者であることを長く隠し続けてきたティッチの父親。
それぞれが「もう一つの顔」を持ち、それゆえに苦しみ、ときに他者を遠ざけながらも、自分という存在をどう肯定するかに悩み続けています。
表と裏、その狭間で揺れながら生きる登場人物たちの姿は、この物語の大きな魅力のひとつです。このような“二重性”は、当時の抑圧的な社会を映す鏡であると同時に、現代にも通じる人間の普遍的な苦悩を映し出しています。
誰しもが自分の中に矛盾や葛藤を抱えていて、何かを隠したまま生きている。だからこそ、彼らの姿はフィクションでありながらどこかリアルで、観る者の心に深く訴えかけてくるのではないでしょうか。
・歴史冒険物語が好きな人におすすめ!
『ワシントン・ブラック』のまとめ
『ワシントン・ブラック』は、過去と向き合い、抑圧を乗り越えようとする人々の姿が静かに胸を打つシリーズ。
人種や階級、アイデンティティに揺れる時代を描いた、じっくり味わいたい良作で、繊細な心理描写と詩的な映像美が心に残るはず。ぜひ、Diseny+でチェックしてみてください♪
Diseny+のドラマをチェックしてみよう
Diseny+には、見応えある海外ドラマが数多く揃っているので要チェックです♪


