Netflixドラマ『ランナウェイ』は、失踪した娘を捜すうちに殺人事件に巻き込まれた父親が、家族を根底から揺るがす秘密に巻き込まれていく物語。本作で何が起こるのか、キャストやあらすじの紹介に加え、ネタバレなしの感想とネタバレありの考察でダイブインしていきます♪
◉ネタバレなしで知りたい方へ
前半ではあらすじ・海外評価・筆者の感想を紹介。視聴前の参考にどうぞ。
◉ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半では全あらすじと見どころ・考察をたっぷり紹介。視聴済みの方もおさらいに◎
※目次から各セクションにジャンプできます。
『ランナウェイ』の概要
基本情報を押さえておきましょう♪
『ランナウェイ』のあらすじ(ネタバレなし)
サイモンは、愛する妻と子どもたちに囲まれ、順調な仕事と美しい家を持ち、完璧な人生を送っていた。だが、長女のペイジが家出したことで、すべてが崩れ去る。
そんななか、ついに彼は街の公園で、薬物に溺れて弱り切ったペイジを見つける……。サイモンはようやく娘を連れて帰るチャンスを得たと思った。ところがペイジは独りではなく、口論は思いもよらない暴力へと発展してしまう。
その出来事の後、サイモンは再び娘を失い、彼女を探し出すため危険な裏社会へ足を踏み入れることになる。そこで明らかになるのは、家族を永遠に引き裂きかねない深い秘密だった──。
・こちらはAmazon製作のハーラン・コーベン原作のミステリードラマ!
『ランナウェイ』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
人気犯罪小説家ハーラン・コーベンの原作をドラマ化した『ランナウェイ』は、失踪事件をきっかけに広がっていく謎と人間ドラマをテンポよく描いたリミテッドシリーズです。物語は一見すると家族の問題から始まりますが、回を重ねるごとに意外な展開や新たな視点が提示され、巧みに予想が裏切られていきます。
本作はミステリーの枠を超え、“親子”や“信頼”、“秘密”といった普遍的なテーマを軸にしているところがポイント。登場人物たちは決して完璧ではなく、その弱さや葛藤がリアルに描かれることで、物語に深みが生まれていると思います。
また、コーベン作品の鉄板である「2つ以上の事件が同時に進行して交差していく」構成とスピード感のある展開、そして各話の引きの強さも健在です。派手な演出に頼らず、会話や伏線でじわじわと緊張感を高めていく構成は、最後までイッキ見したくなる中毒性があります。重厚でありながら観やすい、大人向けサスペンスとしておすすめできる一本です。
『ランナウェイ』の登場人物&キャスト
◉サイモン・グリーン(ジェームズ・ネズビット)
平凡で幸せな家庭を持つ父。だが長女ペイジの失踪を機に、娘を捜すため危険な世界に足を踏み入れる。
◉ペイジ・グリーン(エリー・デ・ラング)
サイモンの長女。家出後、麻薬に溺れてサイモンに発見されるが、その後さらなる悲劇と暴力に巻き込まれる。
◉イングリッド・グリーン(ミニー・ドライバー)
サイモンの妻。家族の崩壊、娘の失踪をきっかけに事態に巻き込まれていく。
◉エレナ・レイブンスクロフト(ルース・ジョーンズ)
サイモンと一緒に事件の謎を追う私立探偵。
◉アイザック・ファグベンル(アルフレッド・イーノック)
ペイジとサイモンが巻き込まれた事件を追う刑事。
『ランナウェイ』の全あらすじ(ネタバレあり)
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◉行方不明になった娘ペイジ
◉絡み合う過去と血縁の謎
◉真実へ近づくほど増える犠牲
◉明らかになる衝撃の真実
行方不明になった娘ペイジ
物語の中心はペイジ・グリーン。大学時代の不可解な過去を匂わせる回想ののち、現在の彼女は行方不明となっている。薬物依存と恋人アーロンの暴力に縛られ、両親サイモンとイングリッドとも半年以上会っていない。
父サイモンは隣人の助けでペイジを一度見つけ出すが、誤解から暴力事件を起こして逮捕され、ペイジは再び姿を消す。一方、私立探偵エレナは富豪セバスチャンから、失踪した養子ヘンリーの捜索を依頼され、彼とペイジの接点を示す手がかりに辿り着く。そんな中、アーロンが惨殺され、ペイジは第一容疑者となる。サイモン夫妻は真相を探るが、裏社会の人物に接触した末、銃撃事件に巻き込まれてしまう。
地下での銃撃事件の結果、撃たれたのはイングリッドと犯人側のルーサーで、イングリッドは手術後に昏睡状態に陥る。警察は事件を捜査するが、刑事アイザックは依然としてサイモンを強く疑っている。
一方、殺し屋コンビのアッシュとディーディーは新たな標的を始末し、彼らの殺害リストにアーロンとペイジの写真が含まれていたことが判明し、アーロン殺害の黒幕である可能性が浮上する。私立探偵エレナは失踪した青年ヘンリーの調査を進める中で、彼とペイジが接点を持っていた事実を掴み、やがてサイモンと接触する。さらに、アーロン殺害の夜、イングリッドが病院を抜け出していた疑惑と、同僚ジェイの不審な隠蔽が明らかになる。金を巡る思惑も絡み、物語は複数の謎が交差する局面へと進んでいく。
絡み合う過去と血縁の謎
サイモンは、息子サムからペイジが最近大学寮に身を寄せ、金銭目的で盗みを働いていた事実を知る。警察では、アーロン殺害の夜にイングリッドが病院を抜け出していた疑惑が強まり、同僚ジェイの関与も浮上する。サイモンはアーロンの両親から彼の出自に不審な点が多いことを聞き出し、ペイジが最近まで彼と行動していた痕跡を発見する。さらにエレナの調査から、殺害された男ダミアンが血縁調査をしていた事実が判明し、失踪した若者たちとアーロンの出生を巡る新たな繋がりが示唆される。
さらに、ペイジの過去に隠された出来事が浮かび上がる。大学時代、彼女は覆面の男による暴行を目撃しており、その被害者が現在も大学にいることが示される。サイモンは元ルームメイトたちの証言から、ペイジが急変した背景に大学での問題があったと察し、日記に記されていた「PVB」が教授ファン・デ・ベークを指すと突き止める。彼は学生に不適切な関係を持つ人物だった可能性が高まる。
一方エレナは、失踪者や被害者たちが同一の養子縁組機関と関係していた事実を掴み、陰謀の輪郭を見出す。警察ではイングリッドの不倫疑惑が浮上し、家庭内の秘密がペイジの失踪と関係している可能性が示唆される。さらに殺し屋アッシュとディーディーの過去も明かされ、暴力の連鎖は止まらず続いていく。
真実へ近づくほど増える犠牲
殺し屋ディーディーは、虐待から救われた過去を持ち、教団「輝ける真理の」〉から標的リストを受け取っていた。教祖キャスパーの命令で新たな殺害計画が進む一方、内部には不穏な亀裂も生じる。エレナは失踪者や被害者たちが同一の養子縁組機関とDNA系サイトに繋がっていると突き止め、アーロンも養子だった事実に迫る。サイモンは、イングリッドの不倫疑惑とペイジの出自に疑念を抱き、極秘で親子鑑定を依頼する。
エレナは連続殺人の被害者たちが、同一カルトを起点に生まれ、養子縁組を経てDNAサイトで繋がり始めていた事実に迫るが、その核心に近づいたことで、殺し屋アッシュとディーディーにより命を奪われる。一方、大学で起きたペイジの過去も明らかになる。彼女はパーティーで薬物を盛られて性的暴行を受けたが、通報を拒み、その後、加害者と思われる男子学生が重傷を負う事件が起きていた。その報復を行ったのがアーロンだった可能性が高まる。暴力に救われ、再び暴力に縛られたペイジは、追い詰められていく。アーロン殺害の動機として、彼女自身の関与も現実味を帯び、真相は最終局面へと向かう。
明らかになる衝撃の真実
DNA鑑定により、サイモンが3人の子どもの実父であることが判明する一方、殺し屋アッシュとディーディーはエレナの携帯を使って暗躍する。捜査線上では、ヘンリーの実母ヴィクトリアが現れ、教団〈輝ける真理〉の教祖キャスパーが実父であり、私生児たちがDNAサイトで繋がり始めたため抹殺計画が進められていた事実が明らかになる。
サイモンはペイジの行方を追い、ドラッグディーラー、ロッコとの取引に向かうが、現場にアッシュとディーディーが現れて銃撃戦に発展。最終的にロッコと仲間ルーサー、アッシュが命を落とす。逃走の末、ディーディーは教団メンバーのアディオナに突き落とされて死亡。アーロン殺害の真犯人は別にいる可能性が残される。
警察は教団の拠点を急襲し、教祖キャスパーを拘束するが、監禁されていたのはペイジではなく別の少女だった。一方、ペイジは実は更生施設に入っており、母イングリッドの重体を知って病院に戻ってくる。ペイジはアーロンを殺したと告白するが、真犯人はイングリッドだった。彼女は娘を守るためにアーロンを惨殺し、同僚ジェイをアリバイに使っていた。
さらに衝撃の真実として、アーロンとペイジは恋人ではなく異父兄妹であり、イングリッド自身もかつて教団の一員で、教祖との間にアーロンをもうけていたことが判明する。イングリッドは結果的に実の息子を殺していたのだ。この真実は外部に伏せられ、サイモンとペイジは「この秘密は家族の中に留める」と決意して物語は幕を閉じる。
・ポーランドを舞台にしたハーラン・コーベンのミステリードラマをチェック
『ランナウェイ』の見どころ・考察(ネタバレあり)

出展元:https://www.netflix.com
◉守るための罪は正義なのか?
◉DNAが暴く血縁社会の闇
◉守るために隠された真実
守るための罪は正義なのか?
本作が強く問いかけているのは、「親が子どもを守るという行為は、どこまで許されるのか?」という問題です。イングリッドは、娘ペイジが暴力と依存に縛られている現実を前に、母として極端な方法を選びます。それは加害者であるアーロンを殺すという、明確な犯罪でした。しかし彼女の動機は私利私欲ではなく、あくまで「娘をこれ以上傷つけさせないため」という一点にあります。
一方の父サイモンもまた、真実を知ったうえでそれを公にしない道を選びます。法の視点に立てば、彼の選択も犯罪です。それでも彼は、家族がこれ以上壊れることを防ぐために沈黙を選びました。
本作は、親の愛が時に法や倫理を踏み越えてしまう危うさと、それでもなお否定しきれない感情の重さを描いている点が見どころです。正義と犯罪の境界線が揺らぐ瞬間にこそ、親であることの苦しさと覚悟が浮かび上がるのではないかと思いました。
DNAが暴く血縁社会の闇
本作が現代的な恐怖として描いているのが、DNA解析によって血縁関係が容易に可視化される社会の危うさです。本来、DNAサイトは失われた家族を見つけ、人生を補完するための「救済の道具」として存在していました。しかし本作では、それが逆に悲劇の引き金となります。
教団の教祖キャスパーは、自身が生み出した数多くの私生児たちがDNAサイトを通じて互いの存在に気づき始めたことで、自らの過去が暴かれることを恐れ、抹殺計画に踏み切ります。血のつながりは、ここでは絆や希望ではなく、「存在を消さなければならない脅威」として扱われています。
本作は、血縁が必ずしも愛や連帯を生むわけではないという現実を突きつけ、テクノロジーが家族の形を明らかにする一方で、人間の倫理や責任が追いついていなければ、その情報は暴力に転じてしまうことを描いています。『ランナウェイ』は、DNA社会における新たな闇を静かに、しかし鋭く警告する作品だと言えるのではないでしょうか。
守るために隠された真実
とにかく本作は、すべての真実が秘密にされたまま物語が終わるところが印象的でした。アーロン殺害の真犯人も、ペイジと彼の血縁関係も、公にはされません。本来なら視聴者が期待する「真相解明」や「正義の成立」が、あえて放棄されている点に驚きました。
サイモンは父として、真実を告発するよりも家族を守る選択をします。その判断は法の観点から見れば誤りかもしれません。ですが、真実が明かされればペイジの人生は再び破壊され、癒えかけた傷は深く抉られることになります。本作は真実を語ることが、必ずしも人を救うとは限らない現実を冷静に描いていると言えそうです。
ハーラン・コーベンの作品には、「真実=正義」という単純な方程式を拒む傾向が強いですが、語られなかった真実が誰かを守る場合もある。その割り切れなさこそが、本作に独特の後味の悪さと、忘れがたい深みを与えているのではないでしょうか。
・こちらも小説をもとにしたNetflixのサスペンスドラマ
『ランナウェイ』のまとめ
『ランナウェイ』は、家族の愛や血縁、そして「語られない真実」という重いテーマをサスペンスの中で描き切った見応えあるシリーズ。
正義とは何か、守るべきものは何かを視聴後も考えさせられる構成は、考察好きにはたまらない一本です。ぜひ、Netflixでチェックしてみてください♪
【報告】YouTubeを始めました!
このたび、ブログでご紹介している海外ドラマの世界観や見どころを、より分かりやすくお届けするために、YouTubeアカウントを開設しました。
主におすすめドラマのまとめ動画を発信していく予定です。ブログと併せて楽しんでいただける内容を目指しますので、ぜひチェックしてみてください♪
『ランナウェイ』の視聴方法
『ランナウェイ』を視聴できるのはNetflixだけ! VODの中でもダントツにコンテンツ量が多いNetflix。使ったことがない方も、この機会にぜひ♪
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