Netflix映画『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』ネタバレ考察 第3作はニューヨークの教区が舞台!探偵ブランは謎を解けるのか!?

『-ナイブズ・アウト‐ ウェイク・アップ・デッドマン』のポスター
出展元:https://www.netflix.com

Netflix映画『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』は、世界的な名探偵ブノワ・ブランが難事件に挑むシリーズの第3。今回も超豪華ゲストを迎えた続編で何が起こるのか、キャストやあらすじの紹介に加え、ネタバレなし・アリの考察でダイブインします♪



【本記事のポイント】

◉ネタバレなしで知りたい方へ
前半ではあらすじ・海外評価・筆者の感想を紹介。視聴前の参考にどうぞ。
◉ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半では全あらすじと見どころ・考察をたっぷり紹介。視聴済みの方もおさらいに◎
※目次から各セクションにジャンプできます。

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』の概要

基本情報を押さえておきましょう♪

原題Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery
製作:Netflix
ジャンル:犯罪捜査、探偵、ミステリー、サスペンス
配信日:2025年12月12日
製作国:アメリカ
上映時間:2時間20分
監督:ライアン・ジョンソン

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』のあらすじ(ネタバレなし)

『-ナイブズ・アウト‐ ウェイク・アップ・デッドマン』では、名探偵ベノワ・ブランがニューヨーク州北部の教区に赴く。そこにはジェファーソン・ウィックス神父が率いる信心深い信徒たちの共同体があったが、突如“ありえない殺人”が発生する。

説教堂から消えた神父、封じられたコンクリート箱の中に倒れる被害者──目撃者も動機もない奇怪な事件が、ブランを「最も危険な捜査」へと導く。

ブランがこの暗い信仰の世界と対峙しながら、秘密や裏切り、救済の網を解きほぐしていく姿が描かれる。物語は軽快な謎解きの枠を越え、信仰や罪深さ、人間の弱さという深淵へと踏み込んでいく──

・ライアン・ジョンソンが手がける探偵ドラマは最高傑作!

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

【Rotten Tomatoes】
批評家の評価:92%
観客の評価:94%
【筆者の評価】(視聴後に更新)
総合評価★★★★☆
ストーリー★★★★☆
エンタメ性★★★★☆
感動★★★☆☆

『ナイブス・アウト』シリーズの最新作として配信前から大きな話題を呼んでいる第3作では、名探偵ブノワ・ブランが再び難事件に挑みます。

今回も、巧妙な謎解きと深い人間ドラマが見事に融合。一方で、少しテーマや要素を詰め込みすぎ的な印象が否めず、教会や信仰心、神父ジャドの葛藤といった重くシリアスなテーマが描かれるため、第1・2作の軽快なコージーミステリーのトーンを期待していた人の中には違和感を覚える人がいるかもしれません。

ですが、個人的には今までと少し違うトーンやテーマが新鮮で、「ダークな個人的物語」と「軽快なコメディミステリー」の両面を楽しめました。

また、舞台となる教会や町の空気感にも引き込まれ、ミステリーの世界観をしっかりと捉えていると思います。シリーズのファンはもちろんのこと、初めて観る方もブノワ・ブランが挑む新事件の推理を楽しめるのではないでしょうか。

・この記事でお気に入りの犯罪捜査ドラマを見つけよう♪

◉スクロールに疲れた方へ
・ネタバレを知りたい方は、全あらすじ(ネタバレあり)へ飛ぶ
・ネタバレありの深堀りを読みた方は見どころ・考察(ネタバレあり)へ飛ぶ

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』の登場人物&キャスト

◉ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)

名探偵。これまでの事件を経て、今回は「ほぼ不可能な犯罪」の解決に挑む。

◉ジュッド・デュプレンティシー(ジョシュ・オコナー)

若き神父。過去に問題を起こし、この教区に派遣されるが、事件の渦中に巻き込まれていく。

◉マーサ・デラクロワ(グレン・クローズ)

この教区の信徒のひとり。謎めいた存在感を放ち、物語に影を落とす。

◉ジェファーソン・ウィックス神父(ジョシュ・ブローリン)

カリスマ的な教団リーダー。信者たちを統率する一方でで裏の顔を匂わせる。

◉ジェラルディン・スコット(ミラ・クニス)

地元の警察責任者として、ブランに協力を呼びかける女性。「普通の市民」の視点を物語にもたらす。

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』の全あらすじ(ネタバレあり)

 

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【物語の展開を時系列順にまとめた目次】
◉神父ジャ神父ジャドと奇妙な教会ドと奇妙な教会
◉ブノワの登場と隠された事実
◉マーサの告白と宝石イブの真実
◉霊廟の幽霊と連続殺人の発覚

神父ジャドと奇妙な教会

【要約】
◉ 暴力沙汰で左遷された若き神父ジャドが、問題だらけの町チムニー・ロックへ赴任
◉ 独裁的なウィックス神父と、教会に隠された創設者一族の悲劇に直面
◉ 後援者たちの裏側での陰口を知ったジャドが失望し、酒に溺れて騒動を起こす
◉ 翌日ウィックスが狼の頭のナイフで刺殺され、真っ先にジャドが疑われる状況に

元ボクサーで若き神父のジャドは、同僚の聖職者の暴言に堪え切れず殴ってしまい、罰として司祭が一人しかいない町、チムニー・ロックの教会へ赴任させられることになる。この教会には、奇行が目立ち信者からも恐れられているウィックス神父が君臨し、住み込み管理人のサムソンや、帳簿・寄付管理を一手に担うマーサが支えていた。また教会の創設者プレンティスの墓碑が敷地にあり、彼の娘グレイスにまつわる悲劇──莫大な財産を巡る裏切りなどが、彼らの隠された歴史として語られていた。

町にはウィックスを支持しながらも恐れる「後援者」たちがいた。弁護士で義理の弟サイを支えてきたヴェラ、全てを捧げた妻ダーラに捨てられた医師ナット・シャープ、SF作家リー・ロス、そして世界的チェリストのシモーヌたちだ。しかし、ジャドは信者に横暴な説教をするウィックスを責め立てると、彼は激怒してジャドの腹を殴りつけた。ジャドはそれでも教会を健全に変えると宣言するが、密かに開かれた集会で後援者たちがジャドの悪口を言っていると知り、失望して酒に溺れ、バーの狼の頭をかたどった飾りを持ち帰って教会に投げつけてしまう。

翌日、ウィックスは説教後の休憩中に倒れ、背中には狼の頭を模したナイフが刺さっていた。ジャドが投げた飾りと同じで、ジャドは即座に疑われる。さらに。サイがジャドとウィックスの口論動画をSNSで拡散させたため、町中がジャド犯人説で沸き立つ。ジャド自身も、またウィックスの死を「嬉しい」と感じてしまった事実に打ちのめされていた。

ブノワの登場と隠された事実

【要約】
◉ ブノワ・ブランが登場し、罪悪感に沈むジャドの無実を見抜く
◉ 現場再検証で赤い糸と隠されたフラスクが発見され、事件の疑惑が揺らぐ
◉ 後援者たちの集会映像から、隠された親子関係と不穏な予告が判明
◉ ジェラルディンは“9秒間の空白”を指摘し、ジャドが追い詰められて教会を飛び出す

聖堂で苦悩していたジャドの前に、名探偵ブノワ・ブランが姿を現し、ジャドは無実で罪悪感に押しつぶされていると見抜く。彼はジャドの助けとなると告げ、署長ジェラルディンと共に事件現場を再検証する。現場には赤い糸が落ちていたほか、ジャドがこっそり隠したフラスクの存在が判明する。ジャドは酒癖のあるウィックスの酒瓶に気づき、その場の混乱を恐れてフラスクを扉裏に隠していたのだ。

ブノワとジャドは後援者たちを問い詰め、サイが録画していた“ウィックス不在の集会”の事実上を知る。その映像では、ヴェラが「ウィックスはサイの実父だ」という書類を皆の前で突きつけ、長年騙してきた彼に激しく食ってかかっていた。だが他の後援者たちは誰もウィックスを責めず、むしろ彼は「1週間後の復活主日に教会の扉を永遠に閉ざし、皆を葬る」と物騒な予告をしていた。

サイの話では、彼は最近ウィックスから「神父を辞めて町を出たい」という相談を受けていたほか、プレンティスが隠していた財産を見つけたと打ち明けられたという。ウィックスの死後、サイはその遺産の相続人となるが、財産の所在は全く知らないと主張する。ジャドとブノワは、手掛かりであるはずのプレンティスが娘に残したキリスト像を調べるが、何も見つからなかった。

そこへジェラルディンが現れ、ウィックスが教会で倒れた直後、ジャドが部屋に入り、後援者たちが来るまでの“9秒間”が空白であることを突きつける。彼女は「その9秒でジャドが殺した」という仮説を提示し、ジャドは追い詰められて教会を飛び出す。

霊廟の幽霊と連続殺人の発覚

【要約】
◉ 墓所で“幽霊”を目撃した直後、ジャドは気絶し、そばには鎌で刺されたサムソンの遺体
◉ ナット医師の家では白骨化したナット本人の遺体が発見され、鎮静剤も残されていた
◉ ブノワが教会で推理を展開し、ウィックス殺害はナットが関与した計画的犯行と判明
◉ しかし「ナットを殺した人物と動機」は依然不明のまま残される

雨の中、プレンティスの墓碑を訪れたジャドは、霊廟の中から何者かが出て来た瞬間を目撃。何事かと走り寄るが、足元がぬかるんで転倒して気を失ってしまう。目を覚ますと、胸に鎌が刺さったサムソンが倒れていた。混乱のままジャドは逃走し、墓所の監視映像には霊廟から出て来た“幽霊”と、それを追うジャドの姿が記録されていたため疑惑はさらに深まる。

その頃、手掛りをもとにブノワとジャドはナット医師の家へ急ぐが、家は荒らされ、地下には薬品の入った桶と浸された遺体があった。薬品を流すと白骨化した遺体が現れ、指輪からナット本人だと判明する。彼の医療バッグには強力な鎮静剤ペントバルビタールが残されていた。

教会に戻り、サムソンを殺したと思い込んでいるジャドは自首しようとするが、ブノワが説教壇に上がり真相の推理を語り始める。ウィックスは説教前、酒の入ったフラスクに触れていたが、酒には鎮静剤が盛られていた。さらに彼の祭服には、何者かによって“赤い狼の頭”の飾りがつけられており、倒れた瞬間、ナットが隠し持っていた同じ“狼の飾り付きナイフ”で刺したのだ。つまりウィックス殺害は計画的犯行であり、ナットが一枚噛んでいたと判明する。

だがブノワは「ナットを殺した者、そして動機」がまだ解けていないと宣言した。

マーサの告白と宝石イブの真実

【要約】
◉ マーサが“イブのりんご”の秘密と、60年間守り続けた重荷を告白
◉ ウィックスとナットが宝石を狙い、サムソン殺害と陰謀が連鎖的に発生
◉ ナットは宝石独占を企てるも、マーサがコーヒーをすり替えたことで自滅
◉ マーサは告白後に息絶え、宝石は最終的にジャドがキリスト像へ隠す

そこにマーサが現れ、ジャドに“告解”を始める。プレンティスはかつて「イブのりんご」と呼ばれる巨大なピンクダイヤモンドを守るため、それを飲み込み、死後も墓に隠したという。マーサは若い頃その秘密を打ち明けられ、60年もの間、ひとりで宝石の存在を守り続けていた。しかし、その重責に耐えきれず、ウィックスに告解で漏らしてしまったのだ。

ウィックスが「町を出て行く」と宣言した集会の日、マーサは彼が“宝石を盗む計画を建設会社と進めている”と知り、阻止するため行動する。しかし一人では無理だと判断し、強力な鎮静剤を扱えるナット医師を協力者として利用した。棺に入っていたのはサムソンで、彼は霊廟から宝石を持って出ようとした瞬間、ジャドが現れたため計画が狂ってしまう。ナットは宝石欲しさにサムソンを殺害し、過去にリング上で相手を死なせた“罪”を持つジャドに濡れ衣を着せようとしたのだ。

しかし、後にマーサはサムソンの遺体を見つけ、ナットの裏切りを悟る。ナットはマーサを家へ招き入れ、宝石を独占するためコーヒーに致死量の鎮静剤を混ぜようとしたが、マーサは気づいてコーヒーカップをすり替える。やがてナット自身がそのコーヒーを飲んで死に、これが彼の最期となった。

真相をジャドに語り終えたマーサは、実は既に鎮静剤を摂取しており、そのまま息を引き取る。彼女の手から「イブのりんご」──赤い宝石──が転がり落ちた。

事件後、宝石は行方不明、教会は一時閉鎖され、後援者たちは四散した。サイはジャドに宝石の隠し場所を問い詰めるが、ブノワも「マーサは何も持っていなかった」と言い切り、サイの疑念を退けた。

ジャドはプレンディスの娘グレイスが壊して以来、架けられていなかった十字架を修復する。そしてキリスト像の胸部に「イブのりんご」をそっと隠し、物語は幕を閉じる。

・ポッドキャスター3人組の爆笑犯罪捜査ドラマは超おすすめ♪

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』の見どころ・考察(ネタバレあり)

『-ナイブズ・アウト‐ ウェイク・アップ・デッドマン』のポスター

出展元:https://www.netflix.com

【深掘り考察の目次】
◉ストーリー構造が生む“見えない真実”の仕掛け
◉“名探偵”から“導く者”へ─ブランの新たな姿
◉小さなコミュニティの狂気がじわりと迫る構図

ストーリー構造が生む“見えない真実”の仕掛け

本作は“倒叙ミステリー→再構築→真相”という多層構造を採用した脚本が大きな魅力になっています。序盤で事件の骨格を見せつつ、後半で視点や時間軸を反転させていくため、常に「見えているようで見えていない」不安定な感覚に陥りました。

物語全体を貫くプレンティス一家の物語や霊廟など、宗教的な要素や伏線が随所に散りばめられていて、クライマックスでのマーサの“告解”と呼べる真相パートに向けて静かに機能していきます。

最終的に明かされる真実は、推理の積み重ねで暴かれるというより、彼女自身が背負ってきた“重荷”という感情に根ざしたもので、その人間的な揺らぎが本作の余韻を深めていて、脚本構造そのものがテーマと呼応する巧みなミステリーだと思いました。

“名探偵”から“導く者”へ─ブランの新たな姿

今回のブノワ・ブランは、これまでの“名探偵”像から一歩踏み込み、主人公ジャドの無実を信じて、彼の精神的な支えとして描かれている点が大きな特徴です。

前2作のような軽妙なコメディ色は控えめで、よりヒューマンドラマ寄りのアプローチが際立っているのが見どころのひとつ。事件を推理する立場でありながら、今回は罪悪感を抱える人間に寄り添う存在だったのが印象的でした。

ブランが対峙するのは“真相”だけでなく、登場人物が抱え込んだ後悔や罪の影であり、彼の言葉や導きによって登場人物たちが自分自身と向き合う瞬間が生まれます。今作では、探偵という役割が“真実を暴く者”から“贖罪へ導く者”として描かれ、そこに新鮮さを感じました。

小さなコミュニティの狂気がじわりと迫る構図

本作は、小さな町が抱える閉塞感や集団心理の危うさを前面に押し出した群像劇としても読むことが出来るのではないでしょうか。登場キャラクターは皆、問題を抱えた田舎コミュニティの住民で、外部から来たジャドは、常に“よそ者”扱いで簡単には受け入れてもらえません。鬱憤晴らしで、神父の制服のままバーで泥酔してしまうジャドの気持ちも分かろうというものです。

この狭い社会では、監視や噂があっという間に広がり、不安や疑惑が集団ヒステリーのような形で増幅していきます。町の人々がジャドに向ける敵意は、彼自身の行動よりも“外部から来た異物”への恐れが生み出すものとして描かれ、社会病理的なホラー性を帯びていたようにも思います。

コミュニティの圧力がどのように個人を追い込むのかが立体的に浮かび上がっていて、こうした閉塞した町の狂気こそが、本作のもう一つの“犯人”と言えるかもしれません。

・ハーラン・コーベンの小説をドラマ化したドラマをチェック♪

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』のまとめ

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』は、ミステリーとしての巧妙さはもちろん、閉塞した田舎町の空気感や、罪と贖いを丁寧に描いた深みのある一作です。

ブノワ・ブランの新たな一面も堪能でき、シリーズの進化を感じさせる本作は、ミステリー好きは見逃せない1本です。ぜひ、Netflixチェックしてみてください♪

【報告】YouTubeを始めました!

このたび、ブログでご紹介している海外ドラマの世界観や見どころを、より分かりやすくお届けするために、YouTubeアカウントを開設しました。

主におすすめドラマのまとめ動画を発信していく予定です。ブログと併せて楽しんでいただける内容を目指しますので、ぜひチェックしてみてください♪

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』の視聴方法

『-ナイブズ・アウト‐ ウェイク・アップ・デッドマン』を視聴できるのはNetflixだけ! VODの中でもダントツにコンテンツ量が多いNetflix。使ったことがない方も、この機会にぜひ♪

この他にもNetflixでは同シリーズ系統のドラマが多数配信中です。「次に観たい作品が見つからない…」という方は、以下の記事も合わせてどうぞ。

『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』系のNetflixおすすめ作品3選

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