Netflix映画『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』ネタバレ考察 フーリガン・ギャングの抗争が激化!ゴールデンの野望が巨大に

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』のポスター
出展元:https://www.netflix.com

Netflix映画『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』は、『FRIOZA/フリオザ』の続編。狂暴なフーリガン、フリオザのリーダーとなり、国を超えた支配を目論むゴールデンを描くギャング・アクション。本作で何が起きるのか、キャストやあらすじの紹介に加え、ネタバレなしの感想とネタバレありの考察でダイブインしていきます!



【本記事のポイント】

◉ネタバレなしで知りたい方へ
前半ではあらすじ・海外評価・筆者の感想を紹介。視聴前の参考にどうぞ。
◉ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半では全あらすじと見どころ・考察をたっぷり紹介。視聴済みの方もおさらいに◎
※目次から各セクションにジャンプできます。

『FRIOZA/フリオザ』のおさらい

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』のあらすじや考察に入る前に、まずは前作『FRIOZA/フリオザ』を軽くおさらいしましょう。

『FRIOZA/フリオザ』は、ポーランドの犯罪組織と警察の対立を描いたギャングアクション・スリラー映画。

物語は、女性警官ジカが元恋人ダヴィドに接触するところから始まる。彼女は、ダヴィドにギャング集団「フリオザ」に潜入して情報提供者となるか、さもなくば実の兄カショフを刑務所送りにするという選択を迫る。

ダヴィドは、かつての仲間たちと再会し、ギャングの世界に足を踏み入れる。彼は、組織のリーダーであるゴールデンに近づくため、危険な任務に挑むことになるが──。

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』の概要

基本情報を押さえておきましょう♪

原題Furioza Again
製作:ポーランド
ジャンル:ギャング、アクション、クライム、ヒューマンドラマ
配信日:2025年10月15日
製作国:ポーランド
上映時間:2時間47分
監督ツィプリヤン・T・オレンツキ

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』のあらすじ(ネタバレなし)

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』の物語は、カショフが殺された事件の後、ゴールデンがフリオザの新たなリーダーとして登場し、組織を再編成するところから始まる。

彼は暴力的で手強いギャングを率い、国境を越えた新たなに犯罪取引きに乗り出す。前作から引き続きゴールデンのほか、前作からのキャラクターが登場し、彼らの過去や人間関係が物語の中で明らかになっていく。

また、組織の内部抗争や警察との駆け引きが展開され、緊迫したドラマが繰り広げられる。

・高校生にしてドラッグ帝国を築き上げた青年の実話をベースにしたドラマ!

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』の予告編を紹介

予告編は、フリオザの新リーダーになったゴールデンが鏡に向かって、「ようこそ、ゴールデン」と自分で自分を迎えるシーンから始まります。

その後も、アジトに突入しようとするSWATチームやギャング集団の衝突、接近戦など、ワイルドで迫力満点のシーンが次々に登場! 予告編自体はコラージュのようにまとめられているので、正直なところ物語がどう進んでいるのかはまだ掴めません。

それでもひとつ言えるのは、続編も覚悟して観ないといけないくらい、壮絶な戦いとアクションがテンコ盛りだということ。ギャングドラマや任侠ものが好きな人には、間違いなくワクワクできる内容になりそうです♪

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

【IMDb】
10点中6.1点
【筆者の評価】
総合評価★★☆☆☆
ストーリー★★★☆☆
エンタメ性★★★☆☆
感動★★☆☆☆

まず最初に、「2時間47分は長すぎる!」と思いました。どんなに面白い映画でも3時間弱はかなりの長尺です。序盤で前作のカショフ殺人事件の真相が明かされ、視聴者の注意を引きつける導入としては悪くなかったものの、その後の展開はブツ切れのように感じました。物語が断片的に進んでいくため、何が起きているのか分かりにくく、キャラクターの心情描写も浅いために感情移入しづらかったです。結果として物語に没入できずに、かなりの“体力勝負”な映画でした。

前作では、カショフの逮捕を免除する代わりに弟で医師のダヴィドがフリオザに潜入するという緊張感のある展開が描かれ、兄弟の複雑な関係や、元恋人ジカとの再会など、人間ドラマとしても見応えがありました。ところが今作は、ゴールデンを中心とした物語構成になっていて、全体的に空回りしている印象が否めません。登場人物たちの動機や感情の流れが伝わりにくく、前作のような“ドラマ的な深み”が感じられませんでした。

また、無意味に男女の裸のシーンがやたら多いのも気になりました。物語に必要とは思えず、むしろテンポを削いでしまっていた印象です。とはいえ、ワイルドなギャング映画や暴力・抗争シーンが好きな人にとっては、見応えのある部分もあるでしょう。

総じて、前作の“人間ドラマ×クライムスリラー”のバランスを期待して観た人にとっては肩透かしですが、ハードボイルドな世界観や任侠テイストを味わいたい人には刺さるところがあるかもしれません。

・ダークな作品が好きな人におすすめ♪

◉スクロールに疲れた方へ
・ネタバレを知りたい方は、全あらすじ(ネタバレあり)へ飛ぶ
・ネタバレありの深堀りを読みた方は見どころ・考察(ネタバレあり)へ飛ぶ

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』の登場人物&キャスト

ゴールデン(マテウシュ・ダミエツキ)

ギャング組織「フリオザ」の新リーダー。冷徹で計算高く、組織を再編成し、国際的な犯罪活動に乗り出す。

◉ジカ(ヴェロニカ・クシォンキェヴィチ)

前作で元恋人ダヴィドを捜査に巻き込んだ女性警官。再びゴールデンを追う。

◉ダヴィド(マテウシュ・バナシウク)

カショフの弟で医師。兄を殺した犯人への復讐を誓う。

◉カショフ(ヴォイチェフ・ジエリンスキー)

フリオザの元リーダーで、前作で殺害される。回想シーンで登場。

◉ムロフカ(シモン・ボブロフスキ)

フリオザと敵対するギャングのリーダー。アイルランド進出でゴールデンを手を組む。

◉ヤチェク・バウアー(ウカシュ・シムラット)

刑事でジカの相棒。

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』の全あらすじ(ネタバレあり)

 

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【物語の展開を時系列順にまとめた目次】
◉カショフ殺害の真相とゴールデンの罪
◉フリオザとムロフカの抗争、そしてアイルランドへ
◉IRAとの取引と危険な同盟
◉裏切りの果てに待つ報い

カショフ殺害の真相とゴールデンの罪

【要約】
◉ フリオザ結成初期を描く回想で、まだ生きていたカショフが再登場
◉ 親友ゴールデンが、覆面のままカショフを誤って殺害してしまう
◉ カショフの葬儀で両陣営が対立し、刑事ジカの介入で緊張が収束

映画は、フリオザが活動を始めたばかりの時代を描く回想シーンから始まる。そこでは、まだ生きていたカショフが登場し、彼が殺害される事件が再び描かれる。犯人は、実はカショフの幼なじみで親友でもあるゴールデンだった。ゴールデンは、フリオザと敵対するディマにカショフを生け捕りにするよう命じられていたが、覆面をしていたにもかかわらずカショフに自分の正体を見破られてしまい、とっさに熊手で彼を刺し殺してしまったのだ。

罪悪感に苛まれたゴールデンは、カショフの妻や娘とも親しくしていたため、葬儀でマイクを渡されても何も話すことができなかった。仲間たちはカショフを敵対グループのムロフカに殺されたと信じていて、葬儀にはポーランド中からフリオザの支持者が集まり壮大なものとなる。

やがてムロフカ本人も弔意を示すために姿を現すが、両陣営は一触即発の空気に包まれる。ゴールデンとカショフの弟ダヴィドがムロフカの車を追うが、逆に敵に囲まれたところへ刑事ジカが現れ、警察の介入で事態は収束する。

フリオザとムロフカの抗争、そしてアイルランドへ

【要約】
◉ ムロフカはカショフ殺害を否定し、ゴールデンたちが疑われ始める
◉ ゴールデン一派はアイルランド進出を狙うが、内部に裏切り者が発覚
◉ 激しい抗争ののち、ゴールデンはバレエダンサーのエリに恋をする

ムロフカは取引仲間で、前作で殺されたポランスキーがアイルランド進出を目論み、ゴールデンと手を組むよう提案されていたが、ムロフカはそれを拒否していた。警察はカショフ殺害の夜にムロフカの部下がどこにいたのか事情聴取し、やがてムロフカ本人も出頭する。彼は「熊手で殺したなら指紋が残る。俺はそんな愚かな真似はしない」と述べ、犯行を否定する。

一方、ゴールデンたちはムロフカより先にアイルランドに進出しようとダブリンへ向かう。そこで仲間のゼータがムロフカのスパイだと発覚し、拷問の末に追放される。警察側のジカとヤチェクはムロフカと接触し、ムロフカは、ポランスキーが死んで得をするのは誰だ?」と示唆しながら、ゴールデンたちが真犯人である可能性をほのめかす。

ゴールデンたちは自分たちの縄張りを取り戻すため、ムロフカ一派と激突。ナタや熊手を手にした大乱闘となるが、警察の介入で決着は持ち越される。負傷したゴールデンは実家で母に手当てを受けるが、ニュースではアイルランドで暴れたフーリガンがポーランドのグループだと報じられ、自分たちの行動が世間に知られていることを知る。

その後、ゴールデンは一目惚れしたバレエダンサー、エリのもとを訪ね、デートを申し込むが断られる。それでも諦めきれず、後日彼女の恋人の前で強引に愛を告げ、彼女を連れ出す。やがて二人は港で初デートをする。

IRAとの取引と危険な同盟

【要約】
◉ ムロフカ襲撃に失敗したゴールデンは、一時的に敵と手を組むことを決意
◉ IRAとの危険な取引に踏み込み、金をかき集めて取引を成立させる
◉ 裏切りを経て帰還するも、母に勘当され孤立していく

ゴールデンはオロとブーアを連れてムロフカを襲撃するが、失敗して逆襲され、命からがら逃げ帰る。ムロフカはやがてゴールデンを呼び出し、「ビジネスで組まないか」と提案。ゴールデンは一時的に敵と手を組むことを決めるが、仲間からは「カショフの仇を忘れたのか」と非難される。

その後、アイルランドでIRA(アイルランド共和軍)との取引が始まる。IRAは銃撃戦の末に仲介人を殺害し、「ここは俺たちのシマだ。コカインは禁止だ」と警告する。だがゴールデンは逆にIRAに近づき、「卸値でコカインを買う」と持ちかける。ムロフカは危険すぎると反対するが、ゴールデンは2000万を1ヶ月で用意すると約束する。

金を集めるため、ゴールデンはディマにも出資を頼むが、目標額には届かない。やがてエリのダンス教室に警察が入り、彼の犯罪歴が彼女にも知られてしまう。エリのもとを訪れたゴールデンは自分の過去を説明するが、別れを告げられる。さらにIRAへの支払い期限が迫り、ゴールデンはオロやダヴィドを説得して金をかき集め、何とか取引を成立させる。

だが、ゴールデンとムロフカはアイルランドの港で裏切りを受けるが、後にゴールデンは単独で船に乗り込み、コカインを密輸してポーランドへ帰還することに成功する。置き去りにされたムロフカは彼の勝手な行動を咎めるが、結果的に成功したことで和解する。しかし、ゴールデンが敵と手を組んだことを知った彼の母は彼を勘当し、「二度と戻って来るな」と家を追い出す。

裏切りの果てに待つ報い

【要約】
◉ 莫大な金を得たゴールデンは、家族や仲間からも見放され孤立する
◉ 警察が真相を突き止め、ダヴィドたちは復讐のためにゴールデンを襲撃
◉ 最後に幻想の中でゴールデンは港で踊り、海へと消えていく

コカイン取引で莫大な金を手にしたゴールデンは、念願のランボルギーニを購入し、カショフの娘を学校に迎えに行くが、ムロフカと手を組んだことを知った彼女からも激しく拒絶される。母にも、仲間たちにも見放されたゴールデンは孤独に陥る。

やがて彼は国外に逃れようとするが、思い直してポーランドに戻る。カショフの家族が帰宅すると、家中に現金が山積みになっていて、ゴールデンとカショフが写った写真が置かれていた。

一方、警察はゴミ処理場の監視カメラ映像から、カショフを殺した犯人がゴールデンであることを突き止める。その事実を知らされたダヴィドら仲間はナイトクラブでゴールデンを見つけ、彼を殴打し、ナイフでめった刺しにする。血まみれになったゴールデンは、幻想の中でエリに教えられたダンスを港で踊り、フェンスに足をかけて海へと飛び込み、海に消えていった。

【深掘り考察の目次】
◉暴力と野心の果てにある孤独の物語
◉一瞬の幻想:ゴールデンの孤独を映す恋
◉ゴールデンの転落と空しい末路

暴力と野心の果てにある孤独の物語

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』は、暴力に支配された男たちの世界を描きながら、究極的には“人が何を代償にして夢を追うのか”という問いを突きつける作品です。

登場人物たちは皆、正義や仲間意識といった理想を口にしながらも、結局は自分の欲望や恐れに飲み込まれていきます。主人公ゴールデンもまた、成功と金に憧れ、地位を手に入れることで過去を清算しようとしますが、その度に誰かを裏切り、自分自身をも見失っていきます。

本作は、裏社会を舞台にしたアクションの中に「赦されない罪」と「孤独の必然」という普遍的なテーマを織り込み、観る者に暴力の快楽と虚しさの両面を突きつけているように感じました。

一瞬の幻想:ゴールデンの孤独を映す恋

暴力にまみれた本作で異彩を放っていたのが、ゴールデンが一目惚れしたバレエダンサー、エリとの恋です。

エリについてほとんど何も知らないのに、なぜゴールデンは一瞬で恋に落ちてしまったのでしょうか? 彼にとって彼女の存在は、単なる恋愛対象ではなかったのかもしれません。

ゴールデンは暴力や裏切りが日常となっている世界で生きていて、成功や金を手にしても満たされない虚しさを抱えています。そんな中で出会ったエリは、彼の世界とはまったく異なる純粋さや美しさを持つ存在であり、ゴールデンは直感的に惹かれたのではないかと思います。

彼がエリを求めたのは、彼女を理解できるからではなく、理解できない存在だからであり、そこに自分の汚れた現実とは違う幻想を見ることで、心の隙間を埋めようとしたのではないかと感じました。しかし、もちろん彼の生き方と彼女の世界は交わる訳がなく、この恋は長続きせずに終わってしまいます。つまり、この恋愛はゴールデンの孤独と救われない魂を象徴する一瞬の幻想だったと言えそうです。

だからこそ、ゴールデンは最期の時に幻想の中で、エリから教えてもらったダンスを踊っていたのではないでしょうか。

ゴールデンの転落と空しい末路

もともとゴールデンは忠誠心が厚く、仲間思いの青年でした。しかし、成功への焦りと野心が次第に暴走し、ついには親友カショフを手にかけてしまいます。彼の転落は裏社会という環境だけでなく、自らの内にある「もっと上へ行きたい」という欲望の結果だと言えます。

しかも、金儲けのために宿敵ムロフカと手を組んで莫大な金と権力を手にするものの、仲間からも家族からも見放されていきます。母と恋人にも拒絶され、姪っ子のように可愛がっていたカショフの娘にも背を向けられた彼の姿は、愛を失った男の末路そのものです。

豪華なランボルギーニを手にしても心は空虚で、彼の人生は“成功の形をした孤独”へと転落していきます。最期に残ったのは、過去の罪と向き合うしかない己だけ……。ゴールデンの物語は、野心の果てにある孤独を見せる“現代のギャング版マクベス”のような悲劇だと言えるのではないでしょうか。

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『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』のまとめ

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』は、暴力と野心がもたらす罪と孤独を描き、“現代のギャング版マクベス”的な物語です。とにかく尺が長いですが、ギャングバイオレンスや任侠ものが好きな人は、ぜひNetflixでチェックしてみてください♪

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』の視聴方法

『FRIOZA/フリオザ:アゲイン』を視聴できるのはNetflixだけ! VODの中でもダントツにコンテンツ量が多いNetflix。使ったことがない方も、この機会にぜひ♪

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