Amazon映画『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』は、即興劇教室の先生カットが刑事にリクルートされ、生徒2人と一緒にロンドンの裏社会で潜入捜査を開始するも、次々にトンでもない事態に巻き込まれてしまうことに……! この痛快犯罪コメディ映画で何が起きるのか、キャスト紹介やあらすじを絡めながら、ネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます♪
【本記事の注目点】
・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。
・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で掘り下げ、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪
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『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』の概要
『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』のあらすじ(ネタバレなし)
即興劇教室の先生カットは女優として芽が出ず、キャリアはイマイチ。勝ち組の女友達に引き目を感じている彼女のもとにビリングスという刑事が現れ、偽札や賭博を取り締まる潜入捜査員としてカットをリクルート。カットは、教室の生徒で売れない俳優のマーロンと、人付き合いが苦手で口下手なヒューを仲間に加える。
初仕事は店で偽タバコを買うだけだったのに、なぜかドラッグディーラー、フライの所へ連れて行かれ、そこへ彼が敵対するアルバニア人のギャングが登場。一触即発の事態になるが、即興でカットが機転を利かして事態を収拾。すっかりフライに気に入られ、思いがけず凸凹トリオは裏世界でディープに潜入することになる。
慣れないながらも何とか捜査を進めていた3人組は、裏世界を牛耳じるメトカーフにネズミではないかと疑われ始め、次から次にトラブルが襲いかかって窮地に陥ってしまう……。
果たして、凸凹トリオは危機を脱することが出来るのか……!?
・犯罪コメディが好きな人へ
『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
なんといっても本作は、即興劇教室の3人組がアドリブ演技の才能(!?)を買われて警察に協力し、潜入捜査員として活躍するというアイデアに尽きるでしょう。
舞台に立ったことのある人なら一度は夢見る、「この演技力で世の中を変えてやる!」が、まさかこんな形で実現するとは、ありそうでなかった発想に脱帽してしまいました。
この作品の面白さは、潜入捜査というスリリングな状況と、即興演技が生み出す予想がつかない展開です。3人組の演技と機転の利かせ方によっては事態が吉とも凶とも出る訳で、何が起こるか分からない緊張感とドタバタ即興劇がほど良い塩梅で混じり合い、独特の世界観を生み出しているところがポイント。
舞台袖でくすぶっていたトリオが、なぜか犯罪現場でスポットライトを浴びるという、一風変わったサクセスストーリーとも言えそうです。
テンポも良くて笑えるシーンも満載で、普段、即興劇なんて見ない筆者も、キャラクターの魅力とストーリーの勢いに引き込まれてしまいました。
サスペンスと笑いのバランスも絶妙で、「ちょっと変わったクライムドラマが観たい」という方に超おすすめです♪
『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』の登場人物&キャスト
カット(ブライス・ダラス・ハワード)
即興劇教室の先生。ビリングス捜査官にリクルートされ、一世一代の大役を演じることになる。
マーロン(オーランド・ブルーム)
カットの教室生徒。役になりきるメソッド俳優だが、才能を認められていない。
ヒュー(ニック・モハメッド)
カットの教室の生徒。企業のIT担当で、人付き合いが上手くなりたくて演劇教室に参加する。
ビリングス(ショーン・ビーン)
潜入捜査官。カットに大仕事を依頼する。
フライ(パディ・コンシダイン)
ドラッグディーラーで裏社会を牛耳るメトカーフの部下。
ショッシュ(ソノヤ・ミズノ)
フライの部下。ヒューと親しくなる。
メトカーフ(イアン・マクシェイン)
フライのボスで、かなりクレイジーな人物。
『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』の全あらすじ(ネタバレあり)
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・凸凹トリオが潜入捜査を開始
・暴走する潜入捜査
・ビリングスの正体
・九死に一生を得た3人組
・即興ヒーロー3人組が最後の大勝負!
凸凹トリオが潜入捜査を開始
口下手で人付き合いが苦手なヒューは、会社帰りに見かけた即興劇教室に立ち寄り、先生のカットに売れない俳優マーロンと組まされてステージに立ち、教室に参加することに決める。
カットの本職は俳優だが、そちらのキャリアは全くダメで、勝ち組の女友達に引け目を感じていた。そんな時にビリングス刑事から偽札や賭博を取り締まる潜入捜査を依頼され、相棒として二人選べと言われる。カットは、たまたまその場にいたマーロンとヒューに声を掛け、一緒に組むことになる。
初仕事は偽タバコを店で買うだけだったが、なぜかドラッグディーラーのフライの所へ連れて行かれ、大きなコカインの包み3つを5万ポンドで売り付けられそうになる。
そこへアルバニア人のギャングが現れ、彼らはそのコカインはフライが盗んだ物だと主張。しかし、即興でカットが機転を利かし、そのコカインは自分たちが購入してフライに5万ドルで売ろうとしていたと言うと、アルバニア人が8万ポンド出すと言い取引が成立。
後でフライは、そのコカインはアルバニア人から盗んだブツだと明かし、彼らに自分のドラッグを自分で買わせた3人組を気に入る。3人の呼び名は、カットがボニーでマーロンがローチ、ヒューは従者に決まる。
暴走する潜入捜査
ビリングスは3人に、「自分たちの才能を証明するチャンス」だと説得し、カットたちは潜入捜査を続けることになる。次の仕事は、フライが金を貸している殺し屋サガルから借金を取り立てること。しかし、役に成り切ったマーロンのやり過ぎ演技のせいで事態が思わぬ方向に転がり、逃げ出したサガルは車に轢かれて即死してしまう。
サガルの死を捜査していたドーズ&ビバリー刑事は、現場で赤毛の女性と迷彩服の大男、小綺麗な南アジア系の男が目撃されたと報告を受ける。
3人がサガルの借金をフライに届けると、その日は彼の誕生日で、街に繰り出そうと誘われてみんなで出かけるが、フライのボスで裏社会を牛耳っているメトカーフに呼び出される。メトカーフは、「アルバニア人が、フライと3人組に騙されたことに気づいたから気を付けろ」と警告する。
ドーズ&ビバリーは監視カメラの映像で、サガルが死んだ現場で目撃されたトリオがフライとアルバニア人と一緒にいたことを知り、3人組がギャングをまとめ上げていると勘違いする。
ビリングスの正体
3人はフライに頼まれ、Kフラッシュというギャングから上物のコカインがあれば手に入れろと支持を出されるが、またもや役に成り切りすぎたマーロンがオモチャの手榴弾を使ってボロが出てしまい、ギャングに追われて万事休すの状態に。
そこへビリングスが突入して助けられるが、彼は3人を利用してドラッグと金をくすねている汚職警官だと判明。そこへフライの部下、ショッシュが現れてビリングスを射殺してしまう。
メトカーフは、Kフラッシュのアジトで起きた騒動を不審に思い、3人組がネズミではないかと疑いの目を向ける。
3人はビリングスの遺体をバラバラにして遺棄することを命じられ、ライドシェアの自転車で遺体を捨てに行っている時に、ドーズ&ビバリーに追跡されるが何とか逃げ切る。
九死に一生を得た3人組
カットとマーロンは、自分たちの無実を証明できるビリングスのスマホを手に入れるために、メトカーフの部下を訪れる。しかし、マーロンが出演しているピザのCMがテレビで流れて正体がバレてしまい、3人ともメトカーフに捕えられてしまう。
3人組はフライに始末されることになるが、なんと彼は彼らを見逃がしてくれた。メトカーフのことを嫌っているフライは、裏稼業に嫌気が差していたからだ。
トリオは自由の身になったが、高飛びしようとしているところへドーズ&ビバリーがチームを引き連れて現れ、3人は逮捕されてしまう。トリオは演劇教室のウェブサイトやビザのCMを見せて、汚職警官に騙されただけだと主張。刑事二人は、メトカーフを逮捕できれば無罪放免にすると約束する。
即興ヒーロー3人組が最後の大勝負
カットはフライに協力を求め、盗聴器を付けてメトカーフとアルバニア人と取引しているところへ、警察が突入する手はずを整える。
ところが、いざ取引が始まるとフライの身に危険が迫り、3人組が偽の銃を手に現場へ突入。凄みのある即興演技で警官になりきり、フライを救って窮地を切り抜ける。そこへメトカーフが銃を手に現れてフライを撃つが、ショッシュが背後からメトカーフを射殺。防弾チョッキを着ていたフライは無事で、彼は3人が警官ではなく即興コメディアンだと知って驚く。免責がないショッシュは逃げる。
刑事の情報でショッシュは逃げ切ったことが分かり、フライはポルトガルに住んでいる娘と合流。ヒューは昔から夢だったワインショップをオープンし、マーロンはオーディションに合格。カットは潜入捜査をしていた噂が広まり教室に生徒が大勢押しかけ 全員がハッピーエンドを迎えて幕を閉じる 。
・犯罪コメディが好きな人ならハマる!
『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』の見どころ・考察(ネタバレあり)
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・“演技力”で危機を乗り越える即興ヒーローたち
・新境地を開いたオーランド・ブルームが最高!
・死んでこそ輝く!? あの俳優の華麗なる散り様
“演技力”で危機を乗り越える即興ヒーローたち
「潜入捜査物」と聞くと、普通は訓練を積んだクールで優秀なエリート捜査官を思い浮かべますよね。ところが本作の主人公たちは、なんと即興劇の俳優3人組。
しかもメンバーは、キャリアがドン詰まりのカットと、役に成り切りすぎて現実との境界線が見えなくなってしまう超メソッド俳優のマーロン、人付き合いが苦手で口下手なヒューという崖っぷち凸凹3人組。そんな“社会不適合者トリオ”が、よりによって裏社会に潜入することになるなんて設定が最高すぎます♪
元凶は、汚職警官ビリングス。演技力がある(!?)からと彼らをスカウトし、なんとなく始まった“お使い”が、気がつけばドラッグディーラーやギャングの抗争に巻き込まれる大騒動に発展(笑)。3人組の“役に成り切る才能”と即興演技が、毎回変な方向へ転がってしまうのが見どころです。
シリアスな潜入捜査物なら、警察との追跡ごっこは激しいカーアクションがお決まりですが、凸凹トリオの足はライドシェアの自転車(笑)。それでバラバラ死体を運搬して、見事に刑事の追跡をまいてしまうのだから、3人には潜入捜査員として隠れた才能があるのかも!?
その他にも、マーロンが即興で投げたオモチャの手榴弾やピザのCMが命取りになるとか、もう笑うしかありません。ラストはトリオが見せた迫真の“即興警官ごっこ”が事態を丸く収め、現実とフィクションの境界線をぶち破る“演劇×潜入捜査”という異色のハイブリッドが超痛快!
そんな3人組を見ていると、「人生、何が武器になるか分からない」と思わされるし、社会のレールから外れても、“自分の得意”を活かして世の中と向き合えば意外と世界が変わるかも!?……なんて、ちょっと勇気づけられてしまいました。
新境地を開いたオーランド・ブルームが最高!
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのレゴラス役で世界中のハートを射抜いたオーランド・ブルーム。あの凛々しい存在感と静かなカリスマ性で、誰もが彼のことを“正統派イケメン俳優”として認識していたはず。
ところが、そんな彼が本作で演じるのは、笑顔ゼロの売れない俳優マーロン。演技に賭ける情熱は人一倍なのに、オーディションでは的外れな役作りを披露し、“そっちじゃないよ感”全開で毎回落選……。それどころか、潜入捜査でも役に成り切りすぎてトラブルを悪化させてしまう、言わば“劇薬系俳優”。殺し屋の借金を取り立てに行くシーンでは、ただの“脅し”がガチ過ぎて相手を死なせる事態に発展してしまいました。
ハリウッド大作で“爽やか王子”のポジションにいた彼が、ここにきて、“笑わせにきてるのか真剣なのか分からない”タイプの迷優キャラを演じるギャップが最高でした♪ 正直、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のウィル・ターナーからは想像もできない脱線ぶりですが、これが意外とハマっていて、オーランドが新境地を開いたと言っても過言ではないでしょう。
スランプに陥っている売れない俳優の方は、マーロン役を熱演したオーランドの演技を観たら悟りを開けるかもしれません(笑)。
死んでこそ輝く!? あの俳優の華麗なる散り様
ビリングス刑事役を演じたショーン・ビーンは、出演作で死ぬことがメチャクチャ多い俳優として知られているので、最初から「今回も死ぬのかな!?」と気になりながら視聴した筆者。
見事、その期待を裏切ることなく命を落とし、しかもマーロンにチェーンソーでバラバラにされた挙句、ライドシェアの自転車で運搬されるという、トホホ……な最期を迎えました(笑)。では、その“死に方カタログ”に新たな1ページを加えた、ショーンの“死のフィルモグラフィ”を振り返ってみましょう。
まず、『ロード・オブ・ザ・リング』で演じたボロミア役は、旅の仲間を守るために犠牲となり、矢を受けて壮絶死。この死に様は、ファンの間で“美死”として語り継がれるほど有名です。そういえば、『ディープ・カバー』ではオーランドと再共演になりますね。
続いて、『ゲーム・オブ・スローンズ』では高貴なネッド・スターク役を演じ、信念を貫いてシーズン1で斬首されました。あの衝撃的な展開で、「主要キャラも死ぬドラマ」という伝説が始まりました。
『007/ゴールデンアイ』で演じたアレック・トレヴェリヤンは、味方と思わせておいて敵に転身→爆死という華麗な裏切り死を見せ、そのほかにも『アイランド』や『必殺処刑人』でも命を落としています。IMDbによると、劇中で死んだ作品数は21に上るというから凄すぎます(笑)。しっかり、ショーンが死んだ作品リストページがあることに笑ってしまいました。
ここまでくると、「ショーン・ビーンが最後まで生き残る作品」を見つける方が難しいかもしれません(笑)。とはいえ、『ディープ・カバー』でもビリングスの死でメトカーフに3人組が疑われるプロットポイントを迎えたため、彼の死には意味がありました。まさに“死に様で語る名優”ですね(笑)。
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『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』のまとめ
『ディープ・カバー ~即興潜入捜査~』は、崖っぷちにいる即興劇俳優の凸凹トリオが潜入捜査で裏社会をかき乱すドタバタ劇で、テンポも抜群で笑いも満載! 新境地を開いたオーランド・ブルームや、安定(!?)の死に様を見せてくれるショーン・ビーンも見逃せません。
犯罪×即興演技×コメディが絶妙に絡み合う、最高にハチャメチャな痛快作。続編映画が製作されることに期待です♪
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