Netflixドラマ『ヴァージンリバー』はロマンスとヒューマンドラマを融合し、ちょっぴりサスペンス要素でスパイスを効かせた秀作シリーズ。シーズン6では何が起こるのか、シーズン5のおさらいを交えながらネタバレあり・なしで考察していきます。
『ヴァージンリバー』シーズン6の概要
ジャンル:ロマンス、ヒューマンドラマ
配信日:2024年12月19日
製作国:アメリカ
話数:全10話
原作:ロビン・カー
製作者:スー・テニー
『ヴァージンリバー』シーズン5をおさらい
夫が交通事故で帰らぬ人となったうえ、赤ちゃんを死産で亡くすという辛い過去を抱えているメル・モンローはロサンゼルスの喧噪から逃れ、カリフォルニア州の田舎町ヴァージンリバーへ移り住む。そこでメルは素敵な住民たちと関係を育み、レストランバーを営むジャックと恋に落ちて新しい人生を歩み始める。
シーズン5のあらすじ
シーズン5でジャックの子どもを妊娠中だったメルは、なんということか流産して、再び赤ちゃんを失うという悲劇に見舞われてしまう。子どもを持つことを諦めかけていたメルだがジャックと話合い、養子縁組も考え始める。一方のジャックは、元恋人シャーメインに妊娠中の双子の赤ちゃんの父親は自分だと伝えられていたのに、実の父親は町で麻薬取引を仕切っていた、死んだはずの悪党カルヴィンだと判明! ジャックは、とんでもない嘘をついていたシャーメインを許せないでいた。
ジャックの妹ブリーは恋人ブレイディと関係が上手くいかず、その間に警官のマイクと急接近。ブリーはマイクと友人関係を恋に発展させ、ブレイディは山火事で助けた少女の母親ラークと距離を縮めていく。
ジャックの親友プリーチャーは消防士の女性カイヤと出会い、新しい恋を始める。ところが、過去に親しかったペイジの暴力的な夫が転落死した時に、山に遺体を埋めた件で起訴されしまう。
そして、メルの母親が遺した手紙により、メルの実の父親がヴァージンリバーに住んでいることが明らかになる。
『ヴァージンリバー』シーズン6のあらすじ(ネタバレなし)
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町中がメルとジャックの結婚式の準備で沸くなか、メルは実の父親エベレットと絆を深めていく。その過程で、父親と母親の馴れ初めや、思いもしなかった母親の一面を知って驚く。
プリーチャーは、ペイジの転落死した元夫の遺体を森に埋めた件で起訴され、その裁判の行方を町中の人々が見守っていた。ブレイディはラークとの関係を前進させ、ブリーとマイクの恋愛も真剣になっていくが……。
それぞれのキャラクターが自身の抱える問題に向き合いながら、クライマックスとなるメルとジャックの結婚式へストーリーが進んで行く。
『ヴァージンリバー』シーズン6海外の評価&感想(ネタバレなし)
シーズン6では、メルとジャックの結婚式が中心となるため、全体的に軽いトーンで心地よく進んで行ったのが良かったと思います。メルとジャックの結婚式は二人のラブストーリーのクライマックスであり、今シーズンを視聴した人なら、誰でも幸福感を味わえたのではないでしょうか。
全体的なトーンはポジティブだったとはいえ、メルと実父エベレットがどんな親子関係を築いていくのかといった点や、その他のキャラクターが抱える問題や葛藤も丁寧に描写され、過去シーズンに並んで脚本の素晴らしさが際立ったシーズンでした。
次シーズンの伏線となるクリフハンガーで終わるラストもさすがで、更新が決定しているシーズン7を観るために、筆者も含め、間違いなく多くのファンが配信日にイッキ見してしまうと思います♪
『ヴァージンリバー』シーズン6のキャスト

『ヴァージンリバー』シーズン6の全あらすじ(ネタバレあり)
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メルとジャック
メルは結婚式の準備を進める中、実の父親であるエベレットと時間を過ごすようになり、1970年代にエベレットが、サンフランシスコへヒッチハイクをしていた母親のサラを車に乗せたことで、二人が出会ったと知る。
メルとジャックは式の前に必要となる結婚証明書を役所に取りに行くが、10年前に離婚したジャックの離婚証明書が必要だと言われ、メルと一緒に故郷へ戻る。その時にメルはジャックの母親から、軍に入隊して中東へ派遣されたジャックを心配してどうにかなりそうになっていた時に、ジャックの元妻が支えてくれた話をする。その話を聞いたメルは、前夫のマークはいつまでも自分の人生の一部だと悟り、ジャックにマークの姓であるモンローをミドルネームにしたいと伝える。ジャックは「素晴らしいアイデアだ」と言い、メルの想いを支える。
メルはエベレットとお互いについて学びつつあったが、突然現れた娘に結婚式で一緒にヴァージンロードを歩いて欲しいとお願いされ、重荷を感じたエベレットはメルから少し距離を置こうとする。しかし、話し合った二人はお互いの想いを伝えて理解し合うが、そんな矢先にエベレットが心臓発作を起こしてしまう。
駆け付けたマリンズ先生の処置のおかげで、エベレットは一命を取り留める。ところが、結婚式当日に父親を失いそうになったメルは、事故で亡くなった前夫マークのことを思い出し、再び大切な人を失うのではないかという恐怖に駆られてしまう。ジャックは、様子のおかしいメルを馬に乗せ、二人が一緒に思い出をいっぱい作ったヴァージンリバーへ連れて行き、「君の全てを受け入れる」と愛と思いやりのこもった言葉を伝え、式場に戻った二人は無事に結婚式を挙げる。エベレットも容態が安定したため、メルの母親を偲ぶ曲を演奏して結婚式に参加することが出来た。
二人は素敵な結婚を挙げて幸せいっぱいだったが、シャーメインが式に参列しなかったことが気になり、ジャックが彼女の家へ様子を見に行く。シャーメインは、彼女の子どもの父親で悪党のカルヴィンに脅されていたからだ。シャーメイン宅の寝室の扉を開けたジャックが驚愕の表情を浮かべ、最終話は幕を閉じる……。
ブリー&ブレイディ
ブレイディは恋人ラークに、彼女の母親が腎臓病を患っているが保険に加入していないため、治療費が払えないという話をされる。実のところラークは、違法の大麻栽培農場を運営していたジミーの恋人で、ブリーは仕事で男性刑務所を訪れた時に、服役中のジミーと面会しているラークを目撃。刑務官から、ラークはジミーの“女”だと聞かされる。
そのことをブリーから知らされたプレイディは、ラークの母親の病気のことも、ブレイディが火事で得た保険金目当てだと悟る。大きく動揺する彼をブリーがなだめているうちに、二人はキスをし始めて体の関係を持ってしまう。
ブレイディはラークにジミーとの関係を知っていると伝え、別れを宣言。しかし、「チャンスが欲しい」と懇願するラークに、かつては問題児でセカンドチャンスを当たえられた自分を重ね、彼女とやり直すことに決める。そんなブレイディの決断を受け入れられないブリーは、メルとジャックの結婚式でブレイディと話をする。その時に彼はブリーは運命の人で、これほど愛せる人は二度と現れないと本心を伝える。ところが、その話を影で一部始終聞いていたラークは、娘と一緒に結婚式から抜け出す。二人が自分を置いて帰ったと知ったブレイディのスマホに銀行から通知が届き、自分の銀行口座が空になっていることを知り驚愕! ラークに全財産を盗まれたことに気づく。
ブリー&マイク
ブリーはブレイディと寝てしまった後、マイクに同棲を持ちかけて一緒に暮らすことになる。しかし、結婚式でブレイディと話をして動揺し、泣きながらメルとカイヤにブレイディと何が起きたかを明かしたブリー。マイクのことも愛しているし、ブレイディへの想いも断ち切れないため、どうしてよいのか分からないでいると、マイクから散歩をしようと言われ、なんとマイクはブリーにプロポーズ! 驚いたブリーはブレイディと寝たことを告白するが、そのことは知っていると言うマイク。彼は、ブリーの浮気を承知でプロポーズしたのだった。
プリーチャー
プリーチャーは、過去に親しかったペイジの暴力的な夫が転落死した時に、山に遺体を埋めた件で起訴されていた。判決がどうなるのかジャックたちは気が気ではなかったが、陪審員の票が割れ、彼の弁護人を務めたブリーの活躍で300時間のコミュニティサービスで決着がつく。メルとジャックの結婚式でプリーチャーの恋人カイヤは、一度結婚に失敗しているため、もう結婚したくないとプリーチャーに伝えるが、結婚式の後で二人はゆっくり関係を進めていこうと話し合う。
マリンズ先生
マリンズ先生は、ハシゴから落ちた町民の命を助けるために、脳の専門医師の立ち合いなしで、頭蓋骨内の圧力を減らす処置を行ったことで調査される。
マリンズ先生は、過去に起きた誤解でエベレットと確執が続いていたが、誤解が解けたことで和解。心臓発作を起こした彼の代わりに、ヴァージンロードでメルをエスコートする。
結婚式の後、医師協会から医師免許を一時停止されてしまったマリンズ先生は、グレースリバーの大病院がヴァージンリバーにネットワークを広げるために、先生のクリニックに狙いをつけていたことを知る。
その他のキャラクター
ミュリエルは乳がんのステージ2だと知るが気丈に受け止め、ホープをはじめ、友人たちから心温まるサポートを受ける。
リジーは、デニーが患っているハンチントン病について、彼と話すことを避けていたたため関係がギクシャクしていたが、二人で一緒に病気と向き合おうと話合い、絆を深める。
『ヴァージンリバー』シーズン6の見どころ・考察(ネタバレあり)
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メルとジャックの結婚式
メルとジャックの結婚式は、おそらく、『セックス・アンド・ザ・シティ』のキャリー&ミスター・ビッグの結婚式以来、恋愛ドラマファンが待ちに待った一大イベントではないでしょうか💛
ジャックが銃で撃たれて生死をさまよったり、火事で家が燃えたり、メルがジャックの子どもを流産する悲劇に直面したり、数々の試練を大きな愛で乗り越えてきた二人の結婚式は、究極とも言えるハッピーエンドの大円団でした。もう、幸せそうな二人の姿を見たら、シーズン6について何も言うことがないぐらい!
メルの父親エベレットが結婚式当日に心臓発作を起こして病院に搬送され、メルが式の直前にパニック発作を起こしそうになった時は、もしかして結婚式が延期に……!? と心配しました。筆者的には、恋愛の終着点は必ずしも結婚だとは思っていないし、今の時代、愛の形は様々なので、二人が結婚しない道を選ぶのならそれも良きと思ったのですが、ちゃんと二人が夫婦の誓いを立てて少しホッとしました。
それにしても、ジャックの人間性が素敵すぎます💛メルが前夫マークの姓をミドルネームにしたいと伝えた時も、「素晴らしいアイデアだ」なんて、一体何人の男性が言えるでしょうか? パニック寸前のメルに、「君の全てを受け止める」と伝える心の広さと優しさにウルウルしてしまって、「一体この地球に、ジャック級の紳士ってどれぐらいいるんだろう……!?」と思ってしまいました。フィクションとはいえ、本当にメルは世界一ラッキーな女性ですね。
サスペンス要素が控え目なのが良かった
『ヴァージンリバー』の魅力は、ロマンスとヒューマンドラマに、サスペンス要素がスパイスとして効いているところです。これまでは、プリーチャーがペイジの元夫の転落死を隠蔽したり、町で麻薬取引を仕切っていたカルヴィンとジミーとのトラブルなど、各シーズンでかなりガッツリとサスペンス要素や犯罪が絡んでいました。ですが、シーズン6の物語はメルとジャックの結婚式という大円団へ向かっているため、あえてそうしていたのか、今シーズンはサスペンス要素が控え目だったのが良かったと思います。
ジャックのPTSD
ドラマ番組はシリーズが長くなると、最初の頃に描かれていたプロットが忘れ去られてしまうことが少なくありません。ですが、『ヴァージンリバー』は例外です。ジャックが戦争で患ったPTSDの問題が、6シーズンにわたって丁寧にプロットに書き込まれ、最終的に結婚式で軍服を着るジャックの決断に結び付く展開は、本当に美しかったと思います。
『ヴァージンリバー』シーズン6のまとめ
食べるとホっとする、懐かしさや幸福感を得られる料理は英語で「コンフォートフード」と呼ばれますが、まさに『ヴァージンリバー』は、ドラマ番組におけるコンフォートフード的な存在ではないでしょうか。忙しい現代で忘れがちな人情や、人との絆の大切さを思い出させてくれる番組です。
本シリーズは、すでにシーズン7へ更新されているため、次にどんな物語が待っているのか本当に楽しみです♪ 心温まるヒューマンドラマやウルウルしちゃうラブロマンスを楽しみたい人は、ぜひNetflixで『ヴァージンリバー』をチェックしてみてください!

