Netflix『ザ・リクルート』シーズン2をネタバレあり・なしで考察 グレイメールの脅威が再び!

『ザ・リクルート』の主人公オーウェンが、燃える建物を背景に呆然とした表情を浮かべている
出展元:https://www.comingsoon.net/

『ザ・リクルート』は、CIAに入局したばかりの若き新米弁護士オーウェン・ヘンドリックスが、世界を股にかけて挑むスパイ活動を軽快なトーンでスリリングに描くスパイ・アクションシリーズ。シーズン2では何が起こるのか、シーズン1のおさらいを交えながらネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます。



『ザ・リクルート』シーズン2の概要

製作:Netflix
ジャンル:アクション、サスペンス、スパイスリラー
配信日:2025年1月30日
製作国:アメリカ
話数:全6話
製作者:アレクシ・ホーリー

『ザ・リクルート』シーズン1をおさらい

『ザ・リクルート』は、中年新米警官の活躍を描く人気ドラマ『ザ・ルーキー』を手がけた、アレクシ・ホーリーが放つドラマシリーズ。“ルーキー”物を得意とするホーリーによる『ザ・リクルート』シーズン2の紹介・考察に入る前に、シーズン1の出来事をザっとおさらいしてみたいと思います。

シーズン1のあらすじ

CIAの新米弁護士のオーウェンは、極秘情報の暴露を脅迫する「グレイメール」と呼ばれる不審なメールを発見する。その送り主は、かつて冷酷無比なロシアの工作員として名を馳せた、通称マックスことマキシンだった。彼女は、自身が起訴された殺人事件を取り下げなければ、CIAの最も機密性の高い情報を世間に暴露すると脅迫する。

オーウェンの上司ナイランドは、なぜかこの爆弾級の案件を、キャリアをスタートさせたばかりのオーウェンに任せる。右も左も分からぬまま、彼は単身ヨーロッパへ飛ぶことに。しかし、そこで待ち受けていたのは法律論で解決できる問題ではなく、影の世界に生きるスパイたちとの危険な駆け引きだった。

予想以上に手強いマックスを相手にしながら、オーウェンはCIAを守るため、彼女の起訴取り下げに必要な法の抜け穴を探し続ける。しかし、彼らの行動はすでに多くの勢力の注目を集め、ロシアの諜報機関やプラチナブロンドの謎の暗殺者らが、次々とオーウェンとマックスを追い詰めていく──。



『ザ・リクルート』シーズン2のあらすじ(ネタバレなし)

 

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シーズン1のラストでマックスを殺したプラチナブロンドの暗殺者は、マックスの娘ニチカだと判明し、シーズン1はその直後から幕を開ける。

オーウェンはシーズン1で犯した失態の数々のせいで謹慎処分となるが、新たに送られて来たグレイメールの送り主を突き止めるために韓国へ飛ぶ。韓国は、軍人だった父親が駐屯していたことがあり、オーウェンにとっては初恋の人がいる思い出の地だ。

一方ロシアのサハリンでは、NGOの女性職員が誘拐される事件が起きていた。韓国でオーウェンは、グレイメールの送り主とサハリンの拉致事件がリンクしていることを突き止める。

初恋の人ユジンと再会して想いを再燃させつつも、オーウェンは拉致された職員をロシアから奪還するために、命懸けのミッションに飛び込んでいく──。

『ザ・リクルート』シーズン2海外の評価&感想(ネタバレなし)

【Rotten Tomatoes】
批評家スコア78%
視聴者スコア82%
【筆者の評価】
総合評価:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★★★
感動:★★★☆☆

政治が絡むストーリーやスパイスリラー物は、どうしてもシリアスなトーンになりがちですが、『ザ・リクルート』の魅力は何と言ってもその軽快なトーン。しかも、ヒップホップやエレクトリックミュージックに乗せて、ポンポンと進むテンポ良いペースでグイグイと視聴者を番組の世界に引き込んでいきます。オーウェンをはじめ、シーズン2で出番が増えたヤヌスなど、コメディリリーフ的なキャラクターと、シリアスなキャラクターのコントラストが絶妙にブレンドされているのも魅力です。シーズン1を超える面白さで、筆者は全6話をアッという間にイッキ見してしまいました。

ただ、あまりにもテンポが速いうえ、世界中に散らばったキャラクターが違う国を移動しまくるため、誰がどこで何をしているのか把握するのが少し難しいような……。ボ~とお酒を飲みながらホロ酔い気味で視聴したり、ウトウトしながらだと頭が混乱してしまいそうです。そんなダメダメな視聴者は筆者だけかもしれませんが……。

『ザ・リクルート』シーズン2のキャスト

オーウェン・ヘンドリックス(ノア・センティネオ)
CIAの法務部に勤める新米弁護士。再びグレイメールを受け取ったことで、今シーズンも事件に巻き込まれ、ロシアで拉致されたNGO職員を奪還するために、韓国をはじめ世界中を飛び回ることになる。
ジャンキュン・キム(テオ・ユー)
NIS(大韓民国国家情報院)のエージェント。人質奪還作戦でオーウェンの相棒的な存在となる。
グレース・チョウ(キム・ヨンア)
ジャンキュンの上司。急に来韓したオーウェンとヤヌスの動機に疑念を抱き、独自の捜査を開始する。
レスター・キッチンズ(コルトン・ダン)
弁護士に転身した元CIA秘密工作員でオーウェンの同僚。シーズン1に続いてオーウェンに振り回されっぱなしだが、なんだかんだと協力するハメに。
ドーン・ギルベイン(エンジェル・パーカー)
CIAの作戦資金を着服していた自分の秘密を知るオーウェンを消そうと、ことごとく暗殺者を送り込む。
ユジン(シン・ドヒョン)
オーウェンの幼なじみで初恋の相手。
ハンナ・コープランド(ファイヴェル・スチュワート)
オーウェンの元恋人で弁護士。シーズン2ではオーウェンと同居していたアパートを出て、ジェイという男性とデートし始めるが……。
ウォルター・ネイランド(ヴォンディ・カーティス=ホール)
なぜか、いつも経験不足のオーウェンに大仕事を任せる上司。
アメリア・サラザール(ケイラ・ザンダー)
シーズン1でオーウェンと付き合っていたCIA局員。ネイランドの指示でオーウェンの足取りを常に監視している。



『ザ・リクルート』シーズン2の全あらすじ(ネタバレあり)

シーズン1のラストで、マックスを殺したプラチナブロンドの暗殺者はマックスの娘だと判明し、シーズン1はその直後から幕を開ける。オーウェンとニチカが争っている時にCIAのチームが到着し、オーウェンは救出されてニチカは捕えられる。

オーウェンは、シーズン1で犯した失態の数々のせいで謹慎処分となるが、新たに送られて来たグレイメールの送り主を突き止めるために韓国へ向かう。韓国は、軍人だった父親が駐屯していたことがあり、オーウェンにとっては初恋の人がいる思い出の地だ。

一方、ロシアのサハリンではNGOの女性職員が誘拐される事件が起きていた。韓国でオーウェンは、グレイメールの送り主がNIS(大韓民国国家情報院)の捜査官ジャンキュン・キムで、サハリンで拉致された女性が彼の妻ナンヒだと知る。ジャンキュンは、CIAが隠蔽し続けた過去20年分の秘密を掴んでいて、それを盾に妻を奪還するようオーウェンを脅す。

オーウェンは上司のネイランドや、ポーランド支局に飛ばされたレスターにもナンヒ捜索の協力を拒まれ、ロシアにコネクションがあるニチカにサハリン行きを依頼。任務の合間にオーウェンは、SNSで居場所を突き止めた初恋の人ユジンに会いに行き、二人の想いが再燃する。

ナンヒ奪還のため、人質交渉のエキスパートであるトーマスにアドバイスを求めに行ったオーウェンは、そのまま飛行機でカタールのドーハへ飛ぶハメになり、現地で人質になっているアメリカ人4人を奪還する交渉に参加する。そこでオーウェンは、仲介人を務めた実業家オリバーの命を助けるために敵を一人殺してしまう。

ナンヒの拉致について情報を収集し始めたオーウェンは、彼女を誘拐したのは日本のヤクザ、山崎組だと突き止める。ナンヒがロシアのウラジオストックにいると情報を掴んだオーウェンに、ジャンキュンは妻の誘拐は自分に責任があると打ち明ける。ジャンキュンは敵の足取りを追うために暗号通貨を作り、NGOで働いている妻の用心棒代として資金を提供し、出世のために金の足取りを追ったというのだ。ジャンキュンと妻の絆と愛に心動かされていたオーウェンは、ジャンキュンに騙されていたと知って怒り爆発。ところが、その暗号通貨を一緒に作ったのはCIAで、しかも、その通貨が民間にも流通し始めていることも明かされ、オーウェンは驚愕する。

一連の出来事が起こる中、オーウェンの元恋人ハンナはレストランでジェイという青年と出会い、恋仲に。ところが彼は、韓国のナイトクラブでドラッグを買った罪でNISに逮捕され、ジャンキュンの上司グレース・チョウに、オーウェンの情報を掴むためにハンナに近づくよう命令されていたのだ。そうとは露知らずのハンナは、ジェイに襲われてホテルに監禁されてしまうが、隙を見てオーウェンに連絡し、CIA工作員アメリアのチームに救出される。ハンナはアメリアに、オーウェンに近づけば必ずトラブルに巻き込まれるから、関わらない方がいいとアドバイスされる。

オーウェンたちは、山崎組と人質引き渡しの交渉のために会合の場を設けるが、身代金の額で折り合いがつかずに交渉は決裂。しかし、交渉中にナンヒの安否を確認したビデオのIPアドレスを辿り、彼女が捕われている正確な場所を突き止める。

オーウェンは、CIAが韓国と暗号通貨を作り、一般市民に流している情報を盾に、ネイランドとCIAのウェスト長官からナンヒ奪還作戦の続行許可を得る。こうしてオーウェンはレスターとドーンを仲間に引き入れ、ユジンも加わり、彼女の父親の漁船でウラジオストックへ向かう。

ニチカに仲介してもらい、オーウェンとジャンキュンは山崎組と海上で人質の引き渡しをすることになる。しかし、肝心なところでロシアの沿岸警備隊が現れて作戦が計画通りに運ばず、ジャンキュンは肩を撃たれ、かろうじてオーウェンは海に飛び込んで逃げる。計画が失敗した理由は、実はニチカがロシア側にも情報を流していた二重スパイだったからだ。

その一部始終をドローンのカメラで監視していたCIAは、全ての罪を、その時点で死んだと思われたオーウェンに被せる決定を下す。

最終的にオーウェンは、ジャンキュンとナンヒが捕われている軍の施設に忍び込み、二人を救い出して逃走。そこへニチカが現れたことで、ロシア軍に脱走がバレて銃撃戦に。何とか海岸へ逃げた3人の元にユジンの船が現れるが、ロシア軍の猛追に遭ってしまう。オーウェンたちが窮地に陥ったところへ、お助けマンのごとく米部隊防護チームの潜水艦が現れて保護される。

ラストシーンは、ジャンキュンとオーウェンが芽生えつつある友情を確認し合い、オーウェンが彼をCIAにリクルートして終了する。



『ザ・リクルート』シーズン2の見どころ・考察(ネタバレあり)

 

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オーウェンは、これからどんな風に成長するのか…!?

シーズン2も、“オーウェンは弁護士”だということを忘れてしまうぐらい、CIA諜報員のごとくフィールドで奔走しまくっていました。任務に出て動いたら動いたで常にトラブルに巻き込まれ、謹慎中でもグレイメールの件に首を突っ込んでしまったり、いつでも何かをやらかしてしまうオーウェン。それでも、一般職員を装っていたジャンキュンとの初対面時に、すぐに彼がエージェントだと見破り、その洞察力の鋭さは弁護士よりも絶対にエージェント向きです。レスターは工作員から弁護士になりましたが、もしシーズン3が製作されたら、逆のパターンでオーウェンは弁護士からエージェントに転身するかもしれませんね。
そしてエージェントに転身しても、そのピュアなハートを維持できるのでしょうか……!? 強いストレスが掛かるとパニック発作を起こしてしまったり、殺しの現場を直視できないオーウェンですが、シーズン1に続いてシーズン2でも一人敵を殺しています。このまま、他の工作員のように暴力や殺しで心が麻痺して、何も感じなくなってしまうのか……。もしくは、ロシア側に捕えられたジャンキュンとナンヒの救出は無理だと見捨てようとしたレスターとドーンを非難し、敵のアジトに単身で乗り込むハートをキープし続けられるのかどうかが気になります。

オーウェン役のノア・センティネオが絶好調!

シーズン2も、シーズン1に負けないぐらいテンポが良く(テンポ良すぎ!?)ストーリーが進行し、その軽快なトーンはオーウェン役で主演するノア・センティネオの魅力と演技力に負うところが多いと思います。Netflixのラブコメ青春映画『好きだった君へ:P.S.まだ大好きです』でブレイクしたノアは、一時は「ロマコメ王子」と呼ばれてアイドル的な人気を博し、続編『好きだった君へ:これからもずっと大好き』にも出演しました。

ロマコメ作品でブレイクした俳優は、そのイメージから脱却するのが難しいと言われることが多く、ノアも消えちゃうのかな……と思いきや、コメディトーンにフォーカスしたスパイドラマ『ザ・リクルート』で見事にイメチェンに成功! 持ち味のコメディセンスを違うジャンル作品で活かせる才能は、今後の成長においても大きな糧となること間違いなしです!

ニチカとマックスの母娘関係が知りたかった!

マックスは、シーズン1で物語の鍵を握っていたキャラクター。シーズン2では、彼女の娘ニチカがオーウェンたちの人質奪還作戦に参加して出番が多かったため、マックスとのフラッシュバックシーンが登場したり、母と娘の関係性が描かれるのかと思ったのに、全く深堀りされなかったことが意外でした。その辺の事情を、もっと描いて欲しかったです。また、ニチカがクレイジーな殺人マシンギャル風に描かれて、人間味が足りなかったのも残念でした。

ハンナは必要なかったのでは……

シーズン2で、ハンナはオーウェンと同居していたアパートから引っ越し、新たにデートし始める青年ジェイのプロットで絡んできました。ですが、ジェイに何らかの企みがあることは登場した瞬間から明らかで、実は彼がNISのスパイだった……という展開に驚きはナシ。しかも、NISのベテラン捜査官グレース・チョウが、なぜ元カノで同居もしていないハンナからオーウェンの情報を引き出せると思ったのか説得力に欠け、ハンナのプロットは必要なかったのでは……!? と思わずにはいられませんでした。そのプロットの代わりに、オーウェンの新たなロマンスのお相手ユジンとの関係を、もっと描いて欲しかったです。

韓国が舞台なのがポイント高い!

アメリカのスパイドラマで、アジアが主な舞台になることって珍しいのではないでしょうか。もう、それだけでシーズン2はポイント高い! しかも、単に舞台になるだけで、誤解を生みそうな韓国独特の伝統やポップカルチャーなどを、あえて表に出していなかったのが逆に良かったと思います。オーウェンとジャンキュンがナイトクラブで繰り広げた格闘シーンで、スタントにマーシャルアーツ風のコレオグラフィーが取り入れられていたのもクールでした。



シーズン2で気になったキャスト

ジャンキュン役のテオ・ユー

 

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ハリウッドで活躍を期待できそうな俳優が、シーズン2に登場しました! ジャンキュン役のテオ・ユーです。IMDbによると、彼はドイツのケルンで生まれ育ち、20歳の時に名門リー・ストラスバーグ・シアター&フィルムインスティテュートで学んだインターナショナルな俳優。その後、ロンドンの王立演劇アカデミーの集中コースで演技を学んだエリートでもあります。2009年に韓国ソウルに移住し、代表作には韓国映画『別れる決心』や、米韓合作でアカデミー賞作品賞にノミネートされた『パスト ライブス/再会』などが名を連ねます。英語と韓国語、そしてドイツ語も流暢なはずのテオは、これから俳優として世界に羽ばたいていきそうな予感です。

『ザ・リクルート』シーズン2のまとめ

濃いキャラクターと濃いストーリーが全6話に凝縮されたシーズン2は、相変わらずテンポ良く軽快なトーンで堪能できる痛快作です。シリアスで難解なスパイ物や政治スリラーが苦手という人でも、絶対イッキ見で楽しめるオススメ作品。ぜひ、Netflixでチェックしてみてください!

 

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