Amazon映画『ヘッド・オブ・ステイト』ネタバレ考察【超おすすめ】凸凹バディ映画の“オイシイところ”全部盛り!

『ヘッド・オブ・ステイト』のポスター
出展元:https://www.primevideo.com

Amazon映画『ヘッド・オブ・ステイト』は、米国大統領と英国首相が凶悪な敵に命を狙われる中、互いのライバル心を乗り越えて手を組み、世界を揺るがす巨大な陰謀に立ち向かう物語。この痛快アクションコメディ映画で何が起こるのか、キャスト紹介やあらすじを交えながら、ネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます♪



【本記事の注目点】
・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。

・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で掘り下げ、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪

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『ヘッド・オブ・ステイト』の概要

製作:Amazon
ジャンル:コメディ、アクション
配信日:2025年7月2日
製作国:アメリカ
上映時間:
監督:イリヤ・ナイシュラー

『ヘッド・オブ・ステイト』のあらすじ(ネタバレなし)

元人気アクション俳優の米国大統領ウィル・デリンジャーは、大統領就任後に初めてイギリスを訪問するが、英国首相サム・クラークとの初対面は火花が散るような険悪な雰囲気に。両者がライバル心を剥き出しで臨んだ合同記者会見は、目も当てられない結末を迎える。

関係修復のため、クラークは米国大統領専用機エアフォースワンに同乗することに。しかし、エアフォースワンがロシアの武器商人グラドフの一派に襲撃され、デリンジャーとクラークはパラシュートで緊急脱出。さらに、米国が誇る極秘監視システム「エシュロン」がグラドフに乗っ取られ、NATO諸国の機密情報が流出してしまう。

水と油のような二人の首脳は互いに反発しながらも手を組み、グラドフの陰謀を阻止すべく行動を開始。襲撃と裏切りが渦巻く中、世界の命運を懸けたスリリングな逃避行が幕を開ける──。

果たして、正反対の米英首脳コンビは、迫り来る脅威を打ち破ることができるのか?

・Amazonのおすすめ映画。超笑えるぞ!

『ヘッド・オブ・ステイト』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

【Rotten Tomatoes】
批評家スコア:69%
観客スコア:80%
【筆者の評価】
総合評価:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★☆☆☆

『ヘッド・オブ・ステイト』は、まさに“ありそうでなかった”設定が光るポップコーン・アクション映画。

元アクションスターでノリ重視の米国大統領と、石橋を叩いても渡らないタイプの英国首相という、性格も価値観もまったく噛み合わない二人が、世界の危機を前にまさかのタッグを組むハメに……!という出だしから、すでに面白い(笑)。

凸凹コンビの掛け合いは、まさにコントのようで、それでいてどこか現代の政治風刺も感じさせる軽妙さ。状況に追い込まれて共に行動せざるを得なくなる展開は王道ながら、キャラクターの掛け合いや軽快なセリフ回しのおかげで飽きさせません。

デリンジャー役のジョン・シナとクラーク役のイドリス・エルバは、DC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』でも軽快な共演シーンが印象的でしたが、今回も絶妙なケミストリーで笑わせてくれました♪

監視システムや国際的陰謀といったスパイスも加わり、舞台をヨーロッパ各地へと移しながらテンポよく物語が進行し、ド派手なアクションにも大満足!

あれこれとツッコミを入れずに、ポップコーン片手に楽しむのにピッタリな一本。アクションとコメディをバランスよく楽しみたい人におすすめです。

スクロールに疲れた方へ
・ネタバレを知りたい方は、全あらすじ(ネタバレあり)へ飛ぶ
・ネタバレありの深堀りを読みた方は見どころ・考察(ネタバレあり)へ飛ぶ

『ヘッド・オブ・ステイト』の登場人物・キャスト

ウィル・デリンジャー(ジョン・シナ)

米国大統領で、映画『ウォーター・コブラ』シリーズで人気を博した元アクション俳優。ノリ重視の陽気な性格。

サム・クラーク(イドリス・エルバ)

英国の首相。お堅い気質で超真面目な性格。

ノエル・ビセ(プリヤンカー・チョープラー・ジョナス)

英国諜報部MI6の優秀なエージェント。過去にサムと交際していた。

エリザベス・カーク(カーラ・グギノ)

米国副大統領。死んだものとされたデリンジャーの後任として、大統領に昇格する。

ヴィクター・グラドフ(バディ・コンシダイン)

ロシアの武器商人。

シモーン・ブラッドショー(サラ・ナイルス)

米国大統領の部下。



『ヘッド・オブ・ステイト』の全あらすじ(ネタバレあり)

 

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以下、物語の展開を時系列順にまとめました。
・米英首脳の命がけの逃避行
・ポーランドへ脱出
・原子炉を巡る誤解と陰謀
・クラークとの別れ
・裏切者が判明

米英首脳の命がけの逃避行

英国諜報部MI6は、イタリアのブニョールで開催されたラ・トマティーナ(トマト祭り)の最中に、ロシアの武器商人ヴィクター・グラドフを追っていた。しかし、クラドフの部下に襲撃され、CIAとMI6の工作員7名が死亡。MI6のチームを率いていたノエル・ビセも撃たれて行方不明となる。

米国大統領のウィル・デリンジャーは元人気アクション俳優で、大統領に就任してから初めてイギリスを訪問。英国の首相サム・クラークと初対面を果たす。しかしデリンジャーは、自分の政敵と仲良くフィッシュ・アンド・チップスでランチを楽しんだクラークを目の仇にしていて、初の合同記者会見は凄惨たる結果に終わる。

しかし、両国の良好な関係をアピールするために、クラークが米国大統領機エアフォースワンにデリンジャーと一緒に搭乗することに。ところがグラドフの部隊に襲撃されてしまい、デリンジャーとクラークは命からがらパラシュートで脱出。ロシアの同盟国であるベラルーシに着陸する。

ポーランドへ脱出

デリンジャーは救出を求めるために電話をしようとするが、クラークは米英軍ともにベラルーシの領空には入れないため、救出は期待できないと言う。

デリンジャーは死んだものとされ カーク副大統領が大統領に就任し、カークが極秘データ収集・監視システム「エシュロン」を起動した際、グラドフのハッカーにエシュロンを乗っ取られ、何十年にも渡るNATO加盟国の秘密工作の情報が流出してしまう 。

デリンジャーとクラークは、羊飼いのおばさんの好意でトラックに載せてもらい、国境を越えてポーランドに入国。エアフォースワンから脱出した時にシークレットサービスから指示された通り、隠れ家へ向かう。

しかし、エシュロンを手にしたグラドフ側に隠れ家の場所を突き止められてしまい、またもや襲撃されてしまう。隠れ家で待機していたCIA工作員マーティの活躍で、二人は何とか脱出に成功。隠れ家の外でクラークはノエルと遭遇する。彼の恋人だった彼女は生きていたのだ。

原子炉を巡る誤解と陰謀

ノエルによると、クラドフの息子は優秀な科学者で、安全性の高いペブルベッド型原子炉を独自に設計し、実用化目前だったという。

ところが、グラドフが燃料となる濃縮プルトニウムを手配したことで、諜報機関はこれを核兵器開発と誤認。NATOの承認のもと対抗作戦が実行され、息子は射殺された。

しかし後に、それは核兵器ではなく平和利用の原子炉開発だったことが判明。アメリカは発明者であるグラドフの息子を排除しただけでなく、機密システム「エシュロン」を使って設計図を入手し、その技術を奪っていたのだ。

グラドフは、息子の仇を討つために米国からエシュロンを奪い、NATOの首脳暗殺を計画したことが明らかに。3人は、グラドフが強固なセキュリティを突破してエシュロンを手に入れたため、内通者がいるに違いないと推測する。

クラークとの別れ

3人は鉄道でオーストリアの国境を越えるが、彼らの行動をエシュロンで監視していたアーサーが現れる。彼は、グラドフに誘拐されて協力を強要されていたハッカーで、政府高官の中にいる内通者の助けでエシュロンを乗っ取り、エアフォースワンを墜落させたと明かす。

グラドフに協力することに耐えられなくなっていた彼は、「クロアチアにある私の隠れ家に行け」と指示し、そこにあるシステムにアクセスすれば内通者が分かると教える。

しかし、その隠れ家でもグラドフの部隊に襲撃され、クラークが敵を食い止めているうちにデリンジャーとノエルがシステムにアクセスし、政府高官のスパイがデリンジャーの部下であるブラッドショーだと判明する。

激しい銃撃戦が繰り広げられるなか、デリンジャーとノエルが隠れ家から引きずり出された後に部屋が爆発し、残されたクラークの生存が絶望視され、二人は悲嘆に暮れる。

裏切者が判明

トリエステの港に到着したデリンジャーは大統領に昇格したカークに生存を伝えるが、ブラッドショーは罪を着せられただけで、黒幕はカークであることが明らかになる。

カークの追っ手が迫る中、窮地に追い込まれたデリンジャーとノエルを救ったのがクラークだった。彼は、何とか隠れ家を脱出して生き延びていたのだ。

カークの目的はNATOの内紛だった。NATO離脱と残留を決める投票の場にデリンチャーとクラークが乗り込み、デリンジャーはカークと対峙する。そこへグラドフが現れてカークを射殺。再び激しい銃撃戦が展開されるなか、二人はグラドフが乗ったヘリコプターを撃墜する。

それから2ヶ月後 NATOは首脳会合を再び開催し アメリカとイギリスの主導により透明性と強調意識が生まれ、NATOは再び機能し始める。

ラストシーンは、ロンドンのパブでデリンジャーとクラークが再会し、クラークは内輪ジョークでフィッシュ&チップスを注文。すっかり打ち解けた友人同士として二人は食事を共にし、和やかな雰囲気で幕を閉じる。

・アクション作品が好きな人は絶対お気に入りが見つかる♪



『ヘッド・オブ・ステイト』の見どころ・考察(ネタバレあり)

 

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以下のポイントに注目して考察を深掘りしていきます。
・バディ映画の“オイシイところ”全部盛り!
・デリンジャー大統領のモデルはシュワちゃん!?
・ジョン・シナは第二のシュワちゃん

バディ映画の“オイシイところ”全部盛り!

『ヘッド・オブ・ステイト』は、80年代に一世を風靡した『リーサル・ウェポン』や『48時間』といった、凸凹コンビが繰り広げるバディ映画の“いいとこ取り”とも言える構成が魅力!

性格も価値観も正反対の二人がぶつかり合いながらも、少しずつ信頼を築いていく王道のプロットが本作の軸となっています。元アクションスターの米国大統領デリンジャーがノリで突っ走る“暴走型”なのに対し、英国首相クラークは理屈と慎重さが信条の“理性型”。このコントラストが、まさにバディ映画の黄金パターンを踏襲していると言えるでしょう。

さらに、世界規模の陰謀という大きなスケール感の中で、あくまで二人の関係性に重きを置く構成は、『48時間』が持っていたスリルと笑いの融合を彷彿とさせるものがあります。

絶体絶命の状況でも、どこかクスっと笑えるセリフやタイミングが絶妙で、シリアス一辺倒に陥らないのもバディ映画の醍醐味。『ヘッド・オブ・ステイト』は、その伝統をしっかりと押さえつつも、現代風にアップデートしていたところも気に入りました。

正直なところ、あまり期待せずに視聴し始めたのですが、「これはシリーズ化もあり得るのでは!?」と思えるほど楽しめました♪

米国大統領と英国首相が主人公なら、いくらでも世界の脅威を描けそうなので、視聴数が良かったら、Amazon・MGMが続編を企画する可能性があるかもしれません。

デリンジャー大統領のモデルはシュワちゃん!?

そして、ひときわ印象的だったのが、米国大統領ウィル・デリンジャーが“元人気アクション俳優”という設定です。実在の人物でいえば、真っ先に思い浮かぶのは、俳優から政治家に転身したアーノルド・シュワルツェネッガーではないでしょうか。

カリフォルニア州知事としての実績と、ハリウッド・アクション映画の象徴的な存在という経歴は、デリンジャーのキャラクターに色濃く投影されているように感じました。

劇中ではデリンジャーが、俳優時代に撮影で鉄道から飛び降りたと言うシーンがありましたが、すかさずクラークが「それはスタントマンだろ」と冷ややかにツッコミを入れるやり取りが、アクションスターと現実のギャップをコミカルに描いていて笑いを誘いました。

また、デリンジャーが銃をブっ放しても一発も敵には命中せずに、壁ばかり撃っているという“アクション俳優あるある!?”な演出も絶妙♪ こういったネタの随所に、俳優としての過去と現職のギャップをユーモラスに活かした、脚本の工夫が光っているのも見どころのひとつ。

キャラクターの設定に、思わず笑ってしまう遊び心が満載なのも高ポイントでした。

ジョン・シナは第二のシュワちゃん

元ボディビルダーから俳優に転身したアーノルド・シュワルツェネッガーは、筋肉とカリスマの象徴として80~90年代のアクション映画を牽引した存在です。

その“シュワちゃん”の系譜を継ぐ俳優は誰か?と考えたとき、近年ではドウェイン・ジョンソンやヴィン・ディーゼルの名がよく挙がりますが、真の後継者として最も相応しいのはジョン・シナではないかと思います。

ジョンは、総合格闘家とプロレスラーとして名を馳せた後、映画界に進出した肉体派俳優。ドウェインやヴィンがスターダムを駆け上がる一方で、ジョンはキャリア初期から「自分をどう魅せるか」を徹底的に考え、コミカルな役柄にも積極的に挑戦してきました。

DC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』とドラマ『ピースメーカー』(←ピースメーカー役はジョンのハマリ役で超最高!)で見せた、筋骨隆々なのにどこか抜けていて愛嬌があるバランス感覚は、まさにシュワちゃんが『ツインズ』や『キンダガートン・コップ』などで築いた“ギャップ萌え”路線に通じるものを感じます。

一方で、ドウェインはどちらかというと“ブランド化されたスター”で、自身のイメージを崩さずに王道ヒーロー路線を突き進むタイプ。対するヴィンは、『ワイルド・スピード』のドム像が強すぎて、役柄の幅という点ではやや限定的です。

その点で、ジョンは作品ごとに“自分を壊す”ことに躊躇がなく、シュワちゃんがそうであったように、「観客を楽しませるためなら何でもやる」スタンスを感じさせます。

筋肉だけではなく、“ユーモアと自己パロディ力”まで含めて考えれば、ジョン・シナこそ、シュワちゃんの真の後継者と呼ぶに相応しいのではないでしょうか。

・カーアクション満載で超オススメのドラマ!



『ヘッド・オブ・ステイト』のまとめ

『ヘッド・オブ・ステイト』は、80年代バディ映画の旨味を現代風にアレンジした痛快アクションコメディ。

シュワちゃんの系譜を感じさせる“元アクション俳優大統領”の設定も秀逸で、笑いとスリルのバランスが絶妙。キャラも物語も続編向きで、シリーズ化を期待したい一本です。

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