Netflixドラマ『ジャスト・ワン・ルック』は、人気推理作家ハーラン・コーベンの原作をドラマ化したリミテッドシリーズ。一枚の古い写真に導かれ、夫の知られざる過去に迫る妻のサスペンスドラマを、ネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます!
『ジャスト・ワン・ルック』の概要
『ジャスト・ワン・ルック』のあらすじ(ネタバレなし)
物語の主人公は、15年前にコンサート会場で発生した火事に巻き込まれ、大火傷を負ったグレタ・レンビエスカ。今は、優しい夫ヤチェクと二人の可愛い子どもに囲まれて幸せに暮らしているが、いまだに火事の前後の記憶が欠落している。
ある日、グレタが旅行の写真を現像すると、ヤチェクにそっくりな男性と、隣に写っている女性に赤いバツ印が付けられた写真が一緒に入っていることに気づく。不思議に思ったグレタが、その写真についてヤチェクに訊くと、突然夫が姿を消してしまう。
訳が分からずに動揺するグレタの元に、15年前にアレックスという娘を交通事故で亡くしたワルシャワ地方検察庁の検察官、ボリス・ゲーヴィッツが現れ、まずます謎が深まっていく……。果たしてグレタは、謎の全貌を突き止めることが出来るのか……!?
『ジャスト・ワン・ルック』の海外の評価&筆者の感想(ネタバレなし)
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本シリーズは、一枚の古い写真を手にした主人公グレタが、思い出せない過去の真相に迫っていく様がサスペンスフルに描かれ、まさに謎が謎を呼ぶ展開で最後まで全く結末が予想できません。
筆者は、数多く敷かれた伏線を手繰り寄せていくうちに、少しずつ「あれ、もしかしてこういうこと!?」と謎解きの過程は楽しめましたが、オチが「う~ん、そうだったのか……」と微妙な反応を示してしまいました(笑)。その辺は、『ジャスト・ワン・ルック』の見どころ・考察(ネタバレあり)で掘り下げているのでチェックしてみてください。
ツッコミどころはありますが、全6話なのでミステリーやサスペンスが好きな人は、絶対イッキ見で楽しめる作品だと思います♪
『ジャスト・ワン・ルック』のキャスト
『ジャスト・ワン・ルック』の全あらすじ(ネタバレあり)

出展元:https://www.heavenofhorror.com
15年前の事件と失踪した夫
ワルシャワ地方検察庁のボリス・ゲーヴィッツが刑務所に呼び出され 受刑者のマレクス・カレフスキーと面会する。ボリスは殺し屋のマレクスと面識はなかったが、彼は15年前に亡くなったボリスの娘を、交通事故を装って殺したと自白する。
主人公のグレタ・レンビエスカは、15年前にコンサート会場で発生した火事に巻き込まれ、大火傷を負ったトラウマを抱えている。その火事では28人が死亡し、グレタの友人も犠牲になった。現在、グレタは優しい夫ヤチェクと二人の可愛い子どもに囲まれて幸せに暮らしているが、火事の前後の記憶が思い出せないでいた。
ある日、グレタが旅行の写真を現像すると、ヤチェクにそっくりな男性と、隣に写っている女性に赤いバツ印が付けられた写真が一緒に入っていることに気づく。グレタが、その写真についてヤチェクに訊くと、同様した様子の夫が突然姿を消してしまう。ヤチェクは誰かに電話した後、ショッピングモールの駐車場で何者に拉致されてしまう。
ボリスが再び刑務所へマレクスを訪れるが、数日前に彼が自殺したことを知る。
グレタの近所に監禁されたヤチェク
娘は事故ではなく殺害されたと知ったボリスは、アレックスの遺品を探り、手掛かりを見つけようとする。その後、ボリスは娘とヤチェクを結び付けてグレタを訪問し、写真にX印が付けられている女性は彼の娘で、15年前に亡くなったと明かす。また、アレックスが交際していたシモンという男についても言及する。
その頃、ヤチェクを誘拐した男はある女性の家を訪れ、彼女の車庫に車を置かせてもらう。しかし、女性がトランクにヤチェクが入れられていることを知って動揺したため、彼女を始末する。偶然なのか、彼女はグレタの親友カミラの家の向かいに住んでいる隣人だった。
グレタが存在を知らなかったヤチェクの姉
ヤチェクの通話記録を調べたグレタは、夫が失踪後にサンドラという弁護士に電話していたことを知り、事務所へ会いに行く。最終的に彼女はヤチェクの姉であることが判明し、しかもグレタが巻き込まれた火事の放火犯、ヴィクトル・レヴィンスキの弁護士を務めていることも明らかになる。
カミラは、隣人の女性宅を覗き見するのが趣味で、怪しい男が家を出入りしているところを目撃し、何か様子がおかしいことに気づいて警察に通報する。家を訪問した警官が男に尋問するが、男は隙を見て警官を襲う。
警官が家から出て来ないため、心配したカミラが家の中を覗くと警官が倒れていたため、再び警察に電話する。ちょうど、男がヤチェクの車で家から出ようとした時に、グレタがカミラの家に来て遭遇。グレタは、夫の車を運転している男がヤチェクの失踪に関係していると咄嗟に悟り、カミラの夫の運転で男を追う。しかし男に銃撃され、カミラの夫が撃たれて重傷を負ってしまう。
病院から家に戻ったグレタの元に、火事が起きた日にステージで歌ってたシンガーのジミーが現れる。過去にグレタとジミーは恋仲になったことがあった。ジミーは、グレタがSNSに投稿したヤチェクの写真を見せながら、「この男は死んでるぞ!」と言って去っていく。
ボリスとグレタは、アレックスの元恋人シモンの母親に会いに行き、ヤチェクとアレックスの写真を見せるが、どちらも知らないと言われる。
ヤチェクを誘拐した男の正体が判明
グレタからヤチェクの捜索を依頼されていたワルシャワ警察が捜査を進めるうちに、コバリクという男の存在が浮上する。しかしコバリクは、ヤチェクが誘拐されたショッピングモールの駐車場に放置されていた車のトランクから遺体で発見される。
刑事はコバリクの妻を事情聴取し、ヤチェクを誘拐した男がコバリクの刑務所仲間ロベルト・ボンチクだと知り、ロベルトはアレックスを殺したマレクス・カレフスキーと同房だったことも判明する。
ヤチェクの正体
独自の捜査を続けていたグレタとカミラは、火事について執筆した記事を公開しようとしていたシルヴィア・ドゥジンスカ議員が、ヤチェクとアレックスと同じバンドのメンバーだったことを知る。シルヴィアも最近亡くなっていた。グレタがバンドのWebサイトを見ると、なぜかヤチェクとシモンの名前が入れ替わり、間違って表記されていた。
グレタは、ジミーに言われた「お前の夫は死んでるぞ」という言葉を振り切れないまま、シモンの母親に再び会いに行くと、家の中にはグレタの子どもたちの写真が飾られているではないか。グレタが母親を問い詰めると、実はヤチェクはシモンで、本物のヤチェクが死んだため、シモンが重病だった母親の治療費を得るために、ヤチェクに成りすましていたと打ち明ける。
事件の真相が明らかに
15年を共にした夫のことを、何も知らなかったことにショックを受けるグレタ。グレタは、事件の真相の鍵を握るUSBドライブを残していたジミーに会いに行き、真実を知らされる。
火事が起こったコンサートの楽屋で、本物のヤチェク(←ややこしい)が、ジミーの曲「ジャスト・ワン・ルック」は自分の曲だと主張して口論に発展。二人は取っ組み合いになり、事故でヤチェクが死んでしまう。コンサートに来ていたヤチェクの姉サンドラは、ジミーに事故の過失を問わない代わりに、曲の著作権をヤチェクに譲るよう強要。しかし、印税を受け取るためにはヤチェクが生き続ける必要があるため、母親の治療費が必要だったシモンに、ヤチェクに成りすますよう持ちかけたのだった。
しかし、その15年後、問題の写真がグレタの元に届いたことで真実が暴露されそうになったため、サンドラが事件を知る者を一人一人始末。サンドラは、アレックスを殺したマレクス・カレフスキーをロベルトに始末させ、その後に出所したロベルトを雇い、偽ヤチェクを殺そうとしたのだ。
問題の写真を送った人物
グレタの夫は警察によって救出されたが、意識不明の重体だった。しばらくして意識が戻った夫とグレタは話をして和解するが、夫は心停止に陥って亡くなってしまう。
その数ヶ月後、ボリスがグレタの元を訪れ、問題の写真を送ったのは自分だと打ち明ける。結局、ボリスはヤチェクが死んだことをずっと前から知っていたが、グレタを巻き込むことで、娘の死の真相を知ることが出来ると考えたのだった。
そしてラストは、すべての引金となった問題の写真を撮影したのは、自分だとグレタが思い出すシーンで終了する。
『ジャスト・ワン・ルック』の見どころ・考察(ネタバレあり)
今回は消化不良に陥ったハーラン・コーベンのドラマ化作品
『ジャスト・ワン・ルック』は、アメリカの人気推理小説家ハーラン・コーベンが、2004年に出版した小説をドラマ化したシリーズ。これまでにコーベンの小説は、Netflixで『ザ・ストレンジャー』や『イノセント』、『SAFE 埋もれた秘密』など数多くがドラマ化されていて、最近では『ミッシング・ユー』が1月に配信されたばかりです。
どれもリミテッドシリーズで、その全部を視聴した筆者はコーベン作品の展開の仕方が読めるようになったため、「結末を予想できる」と思わずに挑んでいます。というのも、リミテッドシリーズで小説の全ストーリーを収めるには、最終話以外で伏線を敷いてクライマックスへ引っ張らないとまとまらないため、最終話で一気に予想不可能な真相が明かされるからです。
エピソードの途中で黒幕や真相がバレバレなのも困りますが、畳みかけるようにラストで全てが明かされると、結末について消化不良を起こしてしまうことも。まさに、今回はそのパータンでした。その理由を次の段落で説明しますね。
オチに納得できず……
事件は、ジミーと本物のヤチェクが「ジャスト・ワン・ルック」という曲の権利を巡り、言い争ったことが発端でした。
本シリーズの視聴を始めた筆者は早い段階で、「タイトルの“ジャスト・ワン・ルック”って何を指しているんだろう?」と思っていたのですが、最後の最後でジミーがステージで歌っていた曲のタイトルだと判明。英語圏ではない国で製作されたのは、そのせいでしょうか? 英語で歌っていたら、ドラマシリーズと曲のタイトルが同じだと、そこから推理できてしまう視聴者もいるかもしれませんからね。
この曲は劇中で何度も流れますが、メロディが陳腐で妙なダサさが漂っているな(←失礼!)と思って好きになれなかったので、「え! この曲のために何人も死んだの?」とビックリ(笑)。
しかも、ジミーが演奏していたヴェニューの規模からして超有名ロックスターという訳ではなさそうだし、「そんなに印税もらえるの?」という疑問も湧いてしまい、オチに納得できなかったのです。あと、偽ヤチェクを誘拐したロベルトが、グレタのド近所に住んでいる女性の家を拠点にした偶然も納得できず、消化不良気味に……。
本シリーズ以外のコーベンのドラマ化作品は、それなりにエンディングに満足できましたが、今回は最後の最後で肩透かしを食らったような気分になってしまいました。
『ジャスト・ワン・ルック』のまとめ
「ジャスト・ワン・ルック」がメチャクチャ筆者のタイプの曲だったら、もう少し説得力があったのかどうかは謎ですが、曲の著作権を巡って起きた事件だと予想できた視聴者はほとんどいないのではないでしょうか。
その点では、予測不可能なサスペンスフルな展開に引っ張られて、最後までイッキに楽しめるシリーズだと思います。『ジャスト・ワン・ルック』を、ぜひNetflixでチェックしてみてくださいね♪

