Amazonドラマ『ハーラン・コーベン/ラザルス』は、父の不審死を境に死者の姿が見えるようになった医師が、父の死の真相を追い始めるというストーリー。本作で何が起こるのか、キャストやあらすじの紹介に加え、ネタバレなしの感想とネタバレありの考察でダイブインしていきます♪
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◉ネタバレなしで知りたい方へ
前半ではあらすじ・海外評価・筆者の感想を紹介。視聴前の参考にどうぞ。
◉ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半では全あらすじと見どころ・考察をたっぷり紹介。視聴済みの方もおさらいに◎
※目次から各セクションにジャンプできます。
『ハーラン・コーベン/ラザルス』の概要
基本情報を押さえておきましょう♪
『ハーラン・コーベン/ラザルス』のあらすじ(ネタバレなし)
本作は、人気推理小説家ハーラン・コーベンの原作をドラマ化したシリーズ。司法精神科医のジョエル・ラザルス(ラズ)は、父で医師のジョナサン・ラザルスの自殺を受けて故郷へ戻る。
父の死に疑問を抱いたジョエルは不可解な現象に遭遇し始め、やがて25年前に双子の姉妹サットンが殺害された未解決事件の謎にも引き込まれ、真相を追い始める。
過去と現在の出来事が交錯し、家族の傷や秘密が徐々に明らかになっていく。最終的に、父の死の真相と姉の事件が、どのように結びつくかが物語の鍵となる。
・こちらの作品もハーラン・コーベンの小説のドラマ化
『ハーラン・コーベン/ラザルス』の予告編を紹介
予告編は、主人公ジョエルが施設に収容されている不気味な男と面会するシーンから始まります。男は、「お前の父親は、お前をまがい者だと言っていた。この父ありて、この子ありだな。それで彼にお前を罰するよう頼んだ。さて、彼は何と言ったと思う?」と挑発。ジョエルが「彼は何と言ったんだ?」と問い返すと、答えの代わりにスマホの着信バイブが響き渡ります。
そこから場面は一変し、少女の「ラズは死んだの、彼は死んだ」という意味深な言葉が挿入され、さらに25年前に亡くなった姉サットンの死亡記事が映し出されます。ジョエルは「サットンを殺したのは、親父を殺した犯人だ」と語り、二つの事件の繋がりに気づいていきます。
遺言にまつわる謎を追う中で、父の亡霊が見えるようになったジョエルは次第に正気を失っていき、謎が謎を呼ぶ、不穏さ満点の展開が待ち受けているようです。
『ハーラン・コーベン/ラザルス』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
米人気推理作家ハーラン・コーベン原作のドラマ化作品といえば、これまでにNetflixが数多く手がけてきました。その全てを視聴している筆者は、ある程度は展開の“型”が読めるようになっていたのですが、『ハーラン・コーベン/ラザルス』は一線を画しています。これまでになかった“超自然的な要素”が物語の軸に組み込まれていて、正直なところ少し戸惑いを覚えました。
主人公ラズが体験する不可解な現象が実際に起きているのか、それとも彼の精神が壊れつつあるのかという曖昧な境界線の中で、視聴者もラズと同じように現実と幻の狭間をさまようことになります。そのあたりの解釈については、ネタバレありの考察記事で掘り下げているので、ぜひチェックしてみてください。
物語そのものはコーベンらしく「謎が謎を呼ぶ」展開で、過去の殺人事件と父の死が交錯していく構成には惹き込まれました。ですが、物語の鍵となる“シンボル”や“書物”の意味づけがやや弱く、終盤にかけて説明不足な印象も……。
キャラクターによっては動機づけの説得力が欠けていて、全6話という構成では描き切れなかった部分があったように思います。8話構成で、もう少し余白を持たせて描いていれば、より納得できる結末になったのではないでしょうか。
とはいえ、コーベンらしいスリリングな展開と複雑に絡み合う人間ドラマは健在で、サスペンスやミステリーが好きなら見逃せない一作です。
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『ハーラン・コーベン/ラザルス』の登場人物&キャスト
◉ジョエル・“ラズ”・ラザルス(サム・クラフリン)
父の死をきっかけに故郷へ戻る司法精神科医。過去の家族の悲劇や未解決事件に巻き込まれていく。
◉ジョナサン・ラザルス(ビル・ナイ)
ジョエルの父で著名な医師。自殺とされる死を遂げるが、その真相には謎が隠されている。
◉ジェナ・ラザルス(アレクサンドラ・ローチ)
ラズの妹。霊的な存在を信じていて、タロット占いなどを仕事にしている。
◉セス・マクガバン(デヴィッド・フィン)
ラズの30年来の親友で刑事。父の死で精神的に追い詰められていくラズを支える。
◉サットン・ラザルス(エロイーズ・リトル)
ラズの双子の姉妹。25年前に何者かに殺され、犯人は捕まっていない。
◉サム・オルセン(エドワード・ホッグ)
サットンの殺人事件で第一容疑者とした逮捕されるが、最終的に釈放される。
◉ベラ・キャットン(カーラ・クロム)
ラズの元妻でバーを経営している。
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『ハーラン・コーベン/ラザルス』の全あらすじ(ネタバレあり)
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【物語の展開を時系列順にまとめた目次】
◉父の自殺と25年後に再び動き出す未解決事件
◉サットン殺人事件で新容疑者が浮上
◉サットン殺人事件の犯人が明らかに
◉暴かれた驚愕の真実
父の自殺と25年後に再び動き出す未解決事件
◉ 1998年、ジョエルが双子の姉サットンの惨殺死体を自宅で発見する
◉ 現在、死刑囚アーロとの面会直後に父ジョナサンが自殺
◉ 父の遺書に「終わっていない」との言葉と謎の絵が残されていた
◉ ラズは父の元患者カランドラの謎を追う
1998年、ジョエルは双子の姉妹サットンが自宅で殺されているのを発見し、血まみれのまま父ジョナサンに報告しに行くシーンで始まる。
そして現在、司法精神科医になったジョエルは死刑囚アーロ・ジョーンズと面会し、彼から「神が天罰を下すよう頼んだ」と告げられ、その直後に妹ジェナから父が拳銃自殺したとの知らせを受ける。遺書には「終わっていない」という言葉と三本脚の丸テーブルのような絵、そしてサットン殺害容疑者釈放の新聞記事が残されていた。
父の診療所を訪れたラズの元にカサンドラという女性が現れ、彼は彼女が1999年に父親の診療を受けた元患者だと知る。彼女の住所を訪ねると、すでに20年前に殺されていたことが判明する。
父の葬儀には、かつてサットン殺害容疑で逮捕された男サム・オルセンが現れ、遠くから葬儀の様子を見ていた。ラズは警官の友人セスにカサンドラの事件を調べるよう依頼。その頃、アーロは「ジュニパー・ブッシュの無垢の喪失」を読み、同じ本が父の机にもあった。やがてラズの前に父の幻が現れ、「殺された者たちが戻ってくる」と警告する。
父はラズに自分は殺されたと訴え、霊的なものを信じる妹ジェナは心理学書「ジュニパー・ブッシュ」の象徴について、ジュニパーは輪廻を意味することもあり、魔除けになることもあるとラズに伝える。
サットン殺人事件で新容疑者が浮上
【要約】
◉ ラズは診療室でカサンドラが恋人を殺す幻を見て、現実との符合に気づく
◉ カサンドラ旧宅から屋根裏から遺体が見つかり、警察が再捜査を開始
◉ サットンの幽霊が現れ、ラズは事件当夜の真相を追う
◉ 三本脚のテーブル=“ドルメン”が死者のポータルを象徴していると分かる
再び父の診療室を訪れたラズの前に、カサンドラと元恋人ニールが現れ、口論の末にカサンドラが母子像で彼を殺す幻を見る。現実にその像が消えていることに気づいたラズは、カサンドラの旧宅を訪ね、遺品の中に母子像を発見。屋根裏からは遺体が見つかり、警察が再捜査を開始。
ラズはセスに幽霊の導きで、この事件を知ったと訴えるが信じてもらえない。さらに、ラズは1998年の卒業パーティーの記憶をたどり、サットン殺害容疑で逮捕されたオルセンから、事件当夜にサットンが元彼ビリー・マッキンタイアーと口論していたと聞かされる。
そして、ついにラズの前にサットンの幽霊が現れる。サットンはラズを父と勘違いし、恋人ビリーと別れたことを打ち明ける。ラズはビリーに事件当夜の口論を問いただすが、ビリーは否定しつつも動揺を隠せない。彼のノートには三本脚のテーブルの絵が描かれていた。
セスはラズに父の硝煙反応結果を見せ、やはり自殺だと伝えるが、ラズは信じようとしない。ラズは父の診療所を調べ、絨毯の下に血痕を発見。父がカサンドラの恋人ニールの遺体をいっそに隠したと推測する。さらに、ハリー・ナッシュという父の元患者が神父によって殺害されていたことを知り、父がその事件にも関与していた可能性を疑う。
ラズは妹に幽霊が見えることを告白するが、妹には何も見えない。やがてラズは、診療所でビリーがサットンに贈ったノートを発見し、表紙には3本脚のテーブルが描かれていた。ラズはビリーから、それが神話の“ドルメン”──死者と繋がるポータルの象徴だと知らされる。
サットン殺人事件の犯人が明らかに
◉ ラズは父の秘書マーゴの幽霊から事件の手がかりを得る
◉ マーゴの遺体発見でビリーとオルセンの関係が浮上し、ビリーがオルセンへの暴行で逮捕される
◉ ラズは、元妻ベラの息子エイダンが自分の子だと知る
◉ 最終的にオルセンがサットン殺害を自白するが、父の死亡時にはアリバイが存在
ラズは、父の診療所を訪れたローラという女性をバーで見かけ、彼女は幽霊ではなく、生前に父の診察予約していた患者だと知る。
その夜、診療所で若き日のマーゴが現れ、息子ビリーの不穏な行動を告白する。ラズはマーゴが死んだと推測し、警察にビリーが父とマーゴを殺した可能性を報告するが、逆に自身も疑われる。やがてマーゴの遺体が発見され、監視映像からオルセンが彼女が尾行していたことが判明。そのことを知ったビリーがオルセンを襲い、暴行で逮捕される。しかし、オルセンは犯人ではなかった。
一方、ラズは元妻ベラの息子エイダンから、自分が実の父親だと知らされる。セスの情報により、ビリーが睡眠薬依存症で、プロムの夜にジェナに薬を盛ってキスをし、サットンを嫉妬させようとしていはことが明らかに。プロムの夜に撮影したホームビデオを見たラズは、オルセンがプロムの夜に自宅へ侵入していた可能性に気づく。
その後、ラズは北へ向かうオルセンの車を監視映像で確認し、エイダンも一緒にいることが判明。ラズは、湖でエイダンと共に釣りをしていた彼と対峙し、最終的にオルセンはサットン殺害を自白。しかし、父の死亡時にオルセンにはアリバイがあった。
暴かれた驚愕の真実
◉ ブラウン警部が遺書を燃やし、父の秘密を隠そうとする
◉ ラズは父がカサンドラとハリー、イモジェンを殺害したことを録音テープで知る
◉ 父の幻影はラズに、“殺人者の血”が遺伝することを示唆
◉ ラズはローラ宅で、マーゴ殺害の凶器を手にしたエイダンと遭遇する
その頃、セスの上司であるブラウン警部が、ラズの父親が残した遺書の1ページ目を燃やしている姿が描かれる。
ラズは、刑務所に収監されているアーロも父親の元患者で、父の元恋人イモジェンを殺害した罪でも服役していることを知る。ラズは、ブラウン警部がカサンドラやハリー、イモジェンの死亡事件を担当していることを突き止め、父の患者を事件の犯人にしていると推測して彼女と対峙する。
すると彼女はオレンジ色のテープを見せながら、「これを聞かせたくない」と言ってポケットにしまい、隙を見て逃走。しかし、その過程で彼女はバスに轢かれて死んでしまう。ラズは現場でテープを回収して聴くと、父親がカサンドラとハリー、イモジェンを殺害したと認める会話が録音されていた。
父は、人々を危険や苦しみから守るためだと主張したが、彼に責任を追及した警部が拳銃を渡して自殺を促し、命を絶ったことも明らかになる。そして父の幽霊が現れ、3本脚のドルメンは“円環”を意味し、「息子は父親に似るもので血は争えない 流れを壊さない限り歴史は繰り返す」と言われる。
その後、ラズが親しくなったローラ宅を訪れると、エイダンがマーゴを殺した凶器を手に立っていて、ラズが驚愕の表情を浮かべるシーンで物語は幕を閉じる。
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『ハーラン・コーベン/ラザルス』の見どころ・考察(ネタバレあり)

出展元:https://www.tvinsider.com/
◉ラズは本当に幽霊を見ていたのか?
◉「ドルメン」──暴力と輪廻をつなぐ円環
◉エイダンの動機は?
ラズは本当に幽霊を見ていたのか?
物語を通してラズは父や死者たちの幽霊を何度も目撃しますが、それは本当に幽霊だったのでしょうか?
劇中で、ラズがヘッドフォンで何かを聞いているシーンが何度か映し出されましたが、終盤で父のセラピーセッションを録音したテープを聞いていたことが明らかになります。ラズが見た幽霊は、そのテープの影響だったことが示唆されました。
父の死と、サットン殺人事件の真相を追うストレス、また自身のトラウマと向き合ったことで精神的に大きな負担となり、幽霊の存在はラズの潜在意識に作用した結果だったのかもしれません。筆者はそう思いましたが、その答えは視聴者に委ねられる形になっています。
父の診療所に現れる幽霊は基本的に死んでいるという設定だったので、青年時代のラズが現れる場面があったため「実はラズが死んでいるのでは?」と、『シックス・センス』的な展開を想像した瞬間もありました。
また、死んでいないはずのアーロまで幽霊として登場するなど、一見すると設定に一貫性がないようにも感じられましたが、これは“テープ”の影響で現実と幻が混線している表現だったと解釈すれば納得できそうです。
「ドルメン」──暴力と輪廻をつなぐ円環
3本脚の丸いテーブルのようなシンボルは、物語全体を貫く象徴でした。最終的に、それは古代の石造遺跡「ドルメン」を意味していたことが明かされ、円環や輪廻、そして異界との“ポータル”として機能しているとの説明がありました。
ジョナサンがそのシンボルを遺書に描いたのは、自分の内にある暴力性や破壊の遺伝子が、息子や孫へ受け継がれる宿命を警告するためだったのでしょう。
興味深いのは、サットンの元恋人ビリーもまた、彼女に贈ったノートの表紙に同じ「ドルメン」を描いていたことです。ビリーは睡眠薬依存の問題を抱え、ジェナのお酒に薬を盛ったりして暴力的な傾向を見せていました。
おそらくジョナサンは問題のノートをサットンの部屋で見つけ、ドルメンとビリーの暴力性を結び付け、ラザルス家に流れる破壊の遺伝子を警告するために遺書に残したのではないでしょうか。
また遺書と一緒にサットンの新聞記事を置いたのは、ポータルとしても機能するドルメンの力で、あの世で愛する娘と再会したいという祈りの表れかもしれません。
ジョナサンは、「患者を苦しみから救い、人々を守るためだ」という傲慢でソシオパス的な理由で殺人を重ねていました。そんな彼が、ブラウン警部に拳銃を渡されただけで自殺する展開は説得力に欠けると思ったのですが、娘と再会するためであれば、少しは納得できそうな気がします。
エイダンの動機は?
筆者にとって謎なのが、エイダンがジョナサンの秘書マーゴと、ラズが親密になりかけていた精神科医ローラを殺した動機です。
彼が実際に二人を殺すシーンは描かれませんでしたが、鎌のような特異な形をした凶器を使っていたため、マーゴを殺害したのも彼だと考えてよいでしょう。
ローラに関しては、彼女がエイダンの話を聞いているうちに彼がマーゴ殺しの犯人だと気づいて、口封じのために殺されたのかもしれません。もしくは2つの殺人に特に動機はなく、ラザルス家に流れる“暴力や殺人の衝動”に突き動かされた可能性もあります。
ラストシーンは、ラザルス家の抗えないダークな運命を強調するためだとも考えられますが、少々こじつけ感が拭えません。ジョナサンが患者を次々に殺していたという事実が暴かれる展開も突飛で、やはり8話構成にして、キャラクターの動機付けを掘り下げるべきだったのではないかと感じました。
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『ハーラン・コーベン/ラザルス』のまとめ
『ハーラン・コーベン/ラザルス』は、超自然的な要素を盛り込みながら、暴力や狂気が世代を超えて循環する円環の物語でした。
キャラクターの動機付けに説得力が欠けていた点が気になりますが、ハーラン・コーベンのファンやサスペンス&ミステリーが好きな人は、ぜひAmazonプライムビデオでチェックしてみてください♪
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