Netflixドラマ『サンドマン』は、夢界の王ドリームが“夢界”を再建しながら、人間や神々と織りなす壮大なもの物語を描くダークファンタジー。そのシーズン2パート1で何起きるのか、キャスト紹介やあらすじを交えながら、ネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます♪
【本記事の注目点】
・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。
・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で掘り下げ、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪
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『サンドマン』シーズン1をおさらい
『サンドマン』は、ニール・ゲイマン原作によるDCコミックの人気キャラクターを主人公にしたドラマシリーズ。幻想的かつ哲学的な世界観で、夢、死、不安、希望といった人間の本質に迫るダークファンタジーです。シーズン2の考察に入る前に、まずはシーズン1を軽くおさらいしましょう♪
シーズン1のあらすじ
シーズン1は、夢界の王であるドリーム/モルフェウスが、魔術師ロデリック・バージェスによって誤って召喚され、105年間にわたり幽閉されるところから始まる。ドリームの不在により、彼が統治する夢界は崩壊し、夢と現実のバランスが崩れて夢界に混乱が広がっていた。
ついに解放されたドリームは自ら王国を再建し、逃げ出した悪夢たちを取り戻すため旅に出る。まず彼は、自分の力の源である3器のヘルムとルビー、砂を探す。ヘルムは地獄に渡っていてルシファーと対峙し、ルビーはジョン・ディーが手にしており、彼の狂気に満ちた力を抑えるため戦う。砂は、ジョアンナ・コンスタンティンの手を借りて回収する。
その後、夢の存在意義や責任に向き合いながら、ドリームは迷子になった悪夢や、夢界を離れた人間の魂と出会っていく。さらに姉であるデスとの再会を通じて、自らの在り方を見つめ直す。シーズン後半では、夢を操る能力を持つ少年ジェドと姉ローズをめぐる物語が展開し、人間界に溶け込んでいた悪夢のコリント人との対決が描かれる。
モルフェウスは現実と夢、秩序と混沌の狭間で揺れながらも、夢界の支配者としての役割と責任を取り戻していく。
『サンドマン』シーズン2の概要
『サンドマン』シーズン2パート1のあらすじ(ネタバレなし)
『サンドマン』シーズン2パート1では、ドリームが行方不明の兄デストラクションを探すため、妹デリリウムと共に現実世界を旅する。
デストラクションが姿を消して以来、その領域が暴走し始め、デリリウムは兄を心配してドリームに助けを求める。旅の途中で、彼らはデストラクションと関わりのあった人物たちを訪ね、手がかりを探していく。
その一方で、過去にドリームが関係を断った息子オルフェウスとの関係や、過去の恋人との未解決の関係も浮かび上がり、ドリームはこれまで避けて来た“家族”と“感情”の問題に向き合っていく───。
『サンドマン』シーズン2パート1海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
シーズン1は、ドリームが100年以上も現実界で幽閉された後、3つの神器を取り戻すミッションを軸に、物語がスリリングかつファンタジックに描かれました。
対するシーズン2パート1は、より感情に迫る物語へとシフトしていた点が印象的でした。今回は、ドリームが妹デリリウムとともに、家族と縁を切った兄デストラクションを探す旅が中心となり、神のような存在であるエンドレスたちにも葛藤や愛情、喪失感といった人間味があることが丁寧に掘り下げられていたと思います。
そして、ドリームと絶縁状態にある息子オルフェウスとの過去が明かされる展開は、ほとんど表情を崩すことのないドリームの内面に迫って彼の変化を表現すると同時に、永遠の存在であっても避けられない“家族”という普遍的なテーマが描かれていたのも良かったと思います。
また、北欧神話で有名なオーデンやロキ、日本からは暴風雨の神スサノオノミコトまで登場し、世界各地の民間伝承や神話のキャラクターたちが新たな解釈で姿を見せ、ファンタジー作品としての魅力をより豊かにしていたところも見どころのひとつ。
後半となるパート2で何が起こるのか楽しみです♪
『サンドマン』シーズン2の登場人物&キャスト
ドリーム/モルフェウス(トム・スターリッジ)
夢界の王。100年以上、現実界に幽閉された後に脱出して夢界へ戻り、王国を再建。シーズン2では兄を探す旅に出る。
ルシエン(ヴィヴィアン・アチャンポン)
夢界の司書。ドリームが幽閉されている間も夢界を見捨てずに守り続けた人物で、ドリームの腹心の部下。
デス(カービー・ハウエル=バプティスト)
ドリームの姉で死を司る人物。死の化身だが思いやりがあり、ドリームと強い絆で結ばれている。
デザイア(メイソン・アレクサンダー・パーク)
ドリームの弟/妹で欲望の化身。必要とあらば残酷な行動も取る性格。
デスティニー(エイドリアン・レスター)
エンドレスの長兄で運命を司る存在。
デリリウム(エズメ・クリード=マイルズ)
エンドレスの末っ子。ドリームと一緒に兄デストラクション探しを始める。
デストラクション(バリー・スローン)
破壊の化身でドリームの兄。人類の科学的進歩が破滅を招くと感じ、絶望してドリームに理解を求めたが拒まれ、絶望して自ら姿を消す。
ナダ(ウムリサ・ガヒガ)
過去にドリームが愛した女性。ドリームに二択を迫られて、自ら地獄を選択して1万年も閉じ込められる。
ルシファー・モーニングスター(グウェンドリン・クリスティー)
地獄の支配者。ドリームとは因縁の関係にある。
ジョハンナ・コンスタンティン(ジェナ・コールマン)
ドリーミング現象を調査するオカルト探偵。
マシュー(声:パットン・オズワルト)
ドリームの信頼できる使者で、おしゃべりな夢界のカラス。
『サンドマン』シーズン2パート1の全あらすじ(ネタバレあり)
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・地獄へ向かうドリーム
・地獄の鍵を狙う者たちの宴
・鍵の返還とナダとの再会
・デストラクション探しの代償
・禁忌を越えたドリームの決断と兄弟の和解
地獄へ向かうドリーム
運命を司るエンドレスの長兄デスティニーは、ある予言の始まりを懸念して兄妹を招集する。欠席したのは、数世紀前に姿を消した破壊の化身デストラクションのみ。
その予言は、「王が王国を捨てる」と「生と死の衝突」、「最古の戦いの再開」を示していた。夢を司るドリームは、かつて自ら地獄に落とした恋人ナダの件でデザイアに挑発され、デスからも諫められる。
ドリームとナダは愛し合っていたが、彼女は二人の愛ではなく、民の平和を選んで別れを決意。その決断に激怒したドリームは、夢界の女王となるか、永遠に地獄に堕ちるかの選択を迫り、ナダは地獄を選ぶ。ナダの記憶と後悔に突き動かされたドリームは、地獄を再訪する決意を固める。
地獄の鍵を狙う者たちの宴
ドリームは地獄に入る前に到着を知らせる使者を送り、因縁の仲にあるルシファーとの戦いを覚悟して向かうが、地獄は無人と化していた。そこに現れたルシファーは支配者の座を放棄し、地獄の鍵をドリームに託す。
突如、最強クラスの力を手にしたドリームは、地獄の支配権を求めて複数の勢力に狙われることを推測し、その対策として宴を開くことを計画。招待されたオーディンやアザゼル、妖精たちが夢界の神殿を訪れ、彼らは我こそが地獄を手に入れるべきだと主張。中でもアザゼルは、鍵と引き換えにナダを返すと持ちかけ、拒めば彼女を永遠に苦しめると脅す。ドリームは全ての申し出を一旦保留にする。
鍵の返還とナダとの再会
1593年、ドリームはシェイクスピアに妖精たちのための戯曲『真夏の夜の夢』を書かせる。それは、妖精たちの記憶と教訓を後世に残すための贈り物だった。
現代、ドリームは地獄を神に返す決断を下し、天使に鍵を託す。その場にいた全客人を保護下に置くことでアザゼルを封印し、ナダを救出する。客人たちは彼の決断を受け入れ、妖精界からはヌアラが献上物として残される。ドリームは、姿を偽っていたロキと巧みに取引をし、彼に借りを作る。
ついにナダと再会したドリームは謝罪するが、彼女は現実界で新たに生きることを望む。すでに彼女の愛は消えていて、ドリームは彼女との別れに打ちのめされる。
デストラクション探しの代償
ナダとの別れに動揺しているドリームのもとに妹デリリウムが現れ、デストラクションの領域に変化が起きていて、兄を見つけなければ事態は悪化すると訴える。
二人は、デストラクションの友人たちを訪ねる旅に出るが、関係者が次々に命を落とし、二人の旅に協力していたワンダという運転手も巻き添えで死亡してしまう。
絶望したデリリウムは、自身が司る領域を閉ざして兄たちを拒絶する。デザイアも、ナダ探しのために妹を利用して現実界を訪れたドリームを非難し、彼との関係を断つ。ドリームは孤立を深めていく。
デストラクションの行方と父子の再会
ドリームは過去の過ちと向き合いながら、失踪したデストラクションを追う旅を、デリリウムと再開する。かつて、人類の科学的進歩が破滅を招くと感じたデストラクションは、ドリームに理解を求めたが拒まれ、絶望して自ら姿を消した。
その背景を知るルシエンはデストラクションの選択に共感するが、今もなおドリームは弟を拒否した決断に間違いはなかったと信じている。しかし、運転手ワンダの葬儀に参列したドリームは、トランスジェンダーに対する彼女の家族が抱く偏見にショックを受け、自分も同じように弟を否定していたことを痛感し、初めて後悔の念を抱く。
続いて、ドリームと女神カリオペの間に生まれた息子オルフェウスの悲劇的な過去も明かされる。オルフェウスは、愛する妻エウリディケを取り戻すために冥界へ行くが、約束ごとを破って妻を永遠に失った上、その代償として首だけ残った状態の不死者になってしまう。
デストラクションを見つける鍵がオルフェウスにあると知ったドリームは、息子に再会する決意を固める。しかしそれは、血族の命を奪うという禁忌に踏み込むことを意味していた。
禁忌を越えたドリームの決断と兄弟の和解
ドリームは旧知の仲であるジョアンナ・コンスタンチンに、オルフェウスの首を見つける任務を依頼する。彼女は危険を冒してオルフェウスの首を救出し、ドリームのもとに届ける。
オルフェウスは、デストラクションの居場所を教えることと引き換えに、自らの命を終わらせてほしいと父に懇願。彼は、もう長く苦しみ続けることに耐えられなかったのだ。深い葛藤の末にドリームは禁忌を犯し、永遠に続く痛みから息子を解放するため、その命を奪う決断を下す。
その後、ドリームとデストラクションはついに再会を果たす。かつて人類の破滅を懸念して自ら姿を消した弟は、兄との対話を経て自分の選択を理解してほしいと願う。ドリームは兄の想いを受け止めて和解し、デストラクションは静かに天へと昇っていく。夢界の神殿に戻ったドリームは、息子と兄を想いながら独り寂しく涙を流す。
ラストは、第1話で三姉妹の運命神がデスティニーに告げた、3つの予言を繰り返すシーンで終了する。
・ダークでスリリングな作品が好きな人はお気に入りが見つかる♪
『サンドマン』シーズン2パート1の見どころ・考察(ネタバレあり)
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・ドリームの内面的な成長
・ドリームが初めて見せた父としての愛
・第2話は神回!
・DCとマーベルがクロスオーバー!?
ドリームの内面的な成長
シーズン2パート1では、シーズン1とは明らかに異なるドリームの姿が描かれました。
感情をほとんど見せず、誤りを認めることすらなかった彼が、今シーズンでは何度も“謝罪”を口にします。なかでも象徴的だったのが、1万年も地獄に閉じ込められていた元恋人ナダへの謝罪。「おそらく謝るべきだろう」という曖昧な表現に、ナダが怒るのも当然(←誰でもキレますって!)ですが、それでもドリームが自ら非を認めたことは大きな意味があったのでではないでしょうか。
また、ナダを探すために利用したことを妹デリリウムに謝り、さらには絶縁状態にあった兄デストラクションにも謝罪の言葉を述べます。“夢界の王”という絶対的な存在である彼が、“間違いを認める”という選択をしたことはキャラクターとして成長を感じさせ、今後の物語にどのような変化をもたらすのか注目したいポイントです。
ちなみに、三姉妹の運命神がデスティニーに告げた3つの予言ですが、「王が王国を捨てる」とは、ナダを探すため夢の国を去ったドリームのことでしょう。そして、「生と死の衝突」はオルフェウスと妻エウリディケの悲劇を指していて、最古の戦いの再開」は、ドリームがデストラクションの居場所と引き換えに息子の命を奪い、古代の法を破ってしまうことを意味していると思われます。
ドリームが初めて見せた父としての愛
シーズン2パート1で特に胸を打たれたのが、ドリームと息子オルフェウスの複雑な関係です。オルフェウスはギリシャ神話に登場する吟遊詩人で、死んだ妻エウリュディケを冥界から連れ戻そうとして招いた悲劇は、あまりにも有名です。
最終的に不死となった彼は、永遠に生きる苦しみを背負ったまま、父ドリームと決別したまま孤独に生きてきました。ドリームにとっても息子との関係は、長年にわたって封印してきた痛みだったはず。ドリームは、「死の領域への侵入」というエンドレスの掟を破ったオルフェウスを厳格に処罰しましたが、実際には息子を救えなかったこと、その苦しみに向き合わなかったことで長く苦しんできました。
そんな父子がようやく再会し、オルフェウスは父に「自分を殺してほしい」と再び懇願します。それは掟を破ることであり、ドリームにとっては極めて重い決断だったはず。
それでも彼は、今度こそは父親として息子に寄り添い、オルフェウスの望みを叶える道を選びます。その前にドリームは、過去に「お前を殺せない」と言い放った理由は、「お前がいない世界に残されるのが怖かったからだ」と告げます。
これは、永遠の存在であるはずのドリームが初めて明かす深い孤独と恐れであり、彼の人間的な一面が垣間見える印象的な告白でだったのではないでしょうか。
家族との関係の中で痛みを経験し、愛とは何かを少しずつ理解していくドリームの変化と成長が、父と息子の別れの場面に凝縮されていたように感じました。
第2話は神回!
パート1で特にお気に入りなのが、第2話「広い地獄に入りきれないほどの悪魔」です。このエピソードは、まさにファンタジーファンにとってヨダレものの“全部盛り”なところがポイント。
北欧神話からはオーディンや狡猾なロキ、日本神話からはスサノオノミコト、さらには混沌を象徴する存在や秩序の守護者、妖精の王族まで、神話・民間伝承・宗教を超えた多彩なキャラクターが“地獄の鍵”を巡って勢揃いします。
それぞれの思惑が交差し、ドリームの神殿で繰り広げられる駆け引きは、緊張感とユーモアが絶妙に混ざり合った見応えある展開でした。
そんな中、ドリームが最後に下した“地獄を神に返す”という選択が、深く象徴に残りました。地獄とは天国の影で、天国が存在する限りその対極として存在し続けるものです。その重みを理解した上で、ドリームが中立の立場を保ちながらも、あえてその起源へ返すという判断は哲学的です。
このエピソードは、壮大な神話世界の中でエンドレスという存在が、いかに大局的な視点を持っているかを浮き彫りにした回とも言えます。「世界の秩序を誰が持つのか」という深いテーマを、遊び心たっぷりに個性的なキャラクターたちと共に描いた神回でした♪
DCとマーベルがクロスオーバー!?
そして第2話は、スーパーヒーロー作品のファンにとっても見どころの多い回となりました。というのも、DCコミックのキャラクターであるドリームが、なんとマーベル作品でおなじみの雷神ソーや悪戯の神ロキ、そしてオーディンと共演しているからです。
もちろん、このエピソードではマーベルのキャラクターとしてではなく、神話の人物として登場していますが、DCとマーベルのファンは、両コミックのクロスオーバーだと感じずにはいられなかったのではないでしょうか。
まさかの「DC×マーベル」という夢の競演が実現しているのも、このエピソードの密かな魅力と言えそうです。
『サンドマン』シーズン2パート1のまとめ
シーズン2パート1では、神話・伝承・宗教を網羅したスケールの大きな展開と、ドリームの内面的な変化が掘り下げられていて見応えタップリでした!
残された謎や家族の物語の行方に、ますますパート2への期待が高まります。ぜひ、『サンドマン』シーズン2パート1をNetfllixでチェックしてみてください♪
『サンドマン』シーズン2の視聴方法
『サンドマン』はNetflixで独占配信中! VODの中でもダントツにコンテンツ量が多いNetflix。使ったことがない方も、この機会にぜひ♪
この他にもNetflixでは同シリーズ系統のドラマが多数配信中です。「次に観たい作品が見つからない…」という方は、以下の記事も合わせてどうぞ。
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