Amazon『ボンズマン ~悪霊ハンター~』ネタバレあり・なし感想【地獄帰りの男】スプラッターの奥に見える贖罪の物語

『ザ・ボンズマン』の主人公はブが銃を肩に乗せている
出展元:https://www.amazon.com

Amazonドラマ『ボンズマン ~悪霊ハンター~』は、地獄帰りの主人公ハブ・ハロランが、脱走した悪霊を捕らえる任務に挑むというストーリー。このアクションホラー・コメディシリーズで何が起きるのか、あらすじやキャストなどネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます!



【本記事の注目点】

・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。

・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で掘り下げ、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪

※目次のタイトルをクリックしたら、行きたいセクションへ飛ぶ仕組みです。

『ボンズマン ~悪霊ハンター~』の概要

製作:Amazonプライムビデオ
ジャンル:ホラーコメディ、アクション、ファミリードラマ
配信日:2025年4月3日
製作国:アメリカ
話数:全8話
クリエイター:グレインジャー・デヴィッド

『ボンズマン ~悪霊ハンター~』のあらすじ(ネタバレなし)

本シリーズの主人公は、保釈保証業者(ボンズマン)のハブ・ハロラン。彼は、ある人物にハメられて惨殺されるが、腕に不思議なアザが現れた後に生き返る。

ミッジと言う女性がハブの元を訪れ、彼が生き返った理由を告げる。ハブは死んだ後に地獄へ送られたが、地獄から脱走した悪霊を始末すれば生き続けることが出来るというのだ。

そのオファーを断れば、ハブは再び地獄へ連れ戻されてしまう。他に選択肢がない彼は仕事の依頼が届く度に、悪霊退治に挑まざるを得なくなる。エピソードが進むにつれて、ハブが殺された時に地獄送りになった理由や、悪霊たちの正体も明らかになっていく……。

・コメディサスペンスが好きな人はチェック!



『ボンズマン ~悪霊ハンター~』の海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

批評家スコア:79%
観客スコア:75%
【筆者の評価】
総合評価:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★☆☆☆

『ボンズマン ~悪霊ハンター~』は、主人公ハブが地獄から逃げ出した悪霊を狩るアクション満載のホラーコメディシリーズ。第1話を観終えた後、単にそれだけのストーリーなのかと思ったのですが、第2話以降からハブが地獄送りになった理由や、脱獄した悪霊の一貫した特徴なども明らかになり、番組のコンセプトが見え始めてドンドン引き込まれていきました。

また、ハブと母親キティ、元妻メリーアンと息子ケイドの絆や愛がしっかり掘り下げられていて、ファミリードラマとして楽しめる点もポイント高し! 1話が30分強というコンパクトな尺に、ホラーとコメディ、アクションとファミリードラマといった要素が詰め込まれながらも、かなり上手く機能していたと思います。

ただ、グチャグチャしたスプラッター系のシーンが苦手な人(←筆者)はご注意を! 悪霊が人間を殺す時やハブが悪霊を始末するシーンは、かなりエグイので心しておいて下さいね。

『死霊のはらわた』シリーズや『ウォーキング・デッド』、『プリーチャー』などのドラマシリーズが好きな人におすすめです♪

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・犯罪サスペンスが好きな人へ

『ボンズマン ~悪霊ハンター~』の登場人物&キャスト

ハブ・ハロラン(ケヴィン・ベーコン)
保釈保証業者。一度命を落として地獄送りになるが、生き返って悪霊ハンターになる。
キティ・ハロラン(ベス・グラント)
ハブの母親で保釈保証ビジネスを手伝っている。息子と一緒に悪霊退治に参加するバッドアスなシニア。
メリーアン・ダイス(ジェニファー・ネトルス)
ハブの元妻で息子ケイドの母親。カントリー歌手で、息子をカントリー音楽業界にデビューさせようとしている。
ラッキー・キャラハン(デイモン・ハリマン)
メリーアンの恋人で、前科が大量にある悪党。
ケイド・ハロラン(マックスウェル・ジェンキンス)
ハブの息子で、カントリーミュージシャンになることを夢見ている。
ミッジ(ジョリーン・パーディ)
平凡な主婦だったが、病気の息子のために悪霊ハンターの調整係になる。



『ボンズマン ~悪霊ハンター~』の全あらすじ(ネタバレあリ)

 

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以下、物語の展開を時系列順にまとめました。

・悪霊ハンターになったハブ
・ミッジが調整係になった理由
・ハブと家族の関係
・ハブが地獄送りになった理由
・悪霊との最後の決戦

悪霊ハンターになったハブ

保釈保証業者のハブ・ハロランは、元妻の恋人ラッキー・キャラハンにハメられて命を落とすが、腕に不思議なアザが浮き出た後に生き返る。

ハブが、ラッキーが雇った男たちがいる山小屋へ行ってカタをつけようとしていた時に、様子がおかしい牧師が現れ、男たちを見るも無残な形で惨殺する。その牧師は悪霊に憑依されていた。

慌てて山小屋から逃げ出したハブがオフィスに戻ると、“金の壺”という会社から派遣されたミッジという女性が待っていて、ハブが生き返った理由を告げる。ハブは死んだ後に地獄へ送られたが、地獄から脱走した悪霊を始末すれば生き続けることが出来るというのだ。

この仕事を断ればハブは地獄へ送り帰らされるため、他に選択肢はない。ハブの母親キティは、犯罪者ではない息子が、なぜ地獄送りになったのか納得がいかない。その点をハブに問い正すが、ハブの答えは「理由は分からない」だった。疑問を抱えながらも、キティは息子に協力するために退治に参加する。

ミッジが調整係になった理由

悪霊退治の仕事の依頼は、なぜか事務所にあるファックスに届き、ハブとキティは水の悪霊マルフォスや土の悪霊エルドスらを追い詰め、次々に地獄へ送り返していく。

ハブは、自分を悪霊ハンターとしてリクルートしたミッジが、リンパ腫の息子の命を救うために悪魔の調整係を務めることになったとを知る。ミッジは金の壺の仕事から抜け出そうとしたが そうすると息子の癌が戻ったとハブに説明し、抜け出す方法はないと言う。

しかしハブは、これまでに悪霊が起こした事件の場所を繋げると“悪魔を象徴する逆五芒星”になることに気づき、事件のパターンを探れば、悪霊ハンターの仕事から脱する方法を見つけられるかもしれないと考える。



ハブと家族の関係

もともとハブはミュージシャンで、元妻メリーアンもカントリー歌手。15歳の息子ケイドも音楽業界入りを目指している音楽家ファミリーだが、ハブは18歳になるまでケイドが業界に入ることを反対していて、そのことが原因で二人と口論になってしまう。

さらにハブは、大量の前科を持つラッキーとメリーアンの交際にも反対していて、ラッキーとは犬猿の仲。そもそもハブが地獄送りになったのは、ラッキーとの確執が原因だった。

ハブが地獄送りになった理由

時は戻って1ヶ月前。ハブはラッキーが経営するクラブで彼と乱闘になり、泥酔した勢いで彼に仕返しをしようと閉店後のクラブに銃を手に戻った。ハブはラッキーを狙ったつもりだったが、彼のカウボーイハットを被ったバーテンダーのシェリルを誤って撃ってしまう。

動転したハブはシェリルの遺体を車に載せてクラブから逃げ出し、オフィスの裏にある森に遺体を埋めていた。その件が理由で、ハブは地獄送りになったのだった。

悪霊との最後の決戦

火と水、土と風の悪霊を退治した後、ハブの元に逆五芒星を完成させる最後の悪霊、堕天使のリリスを退治せよとの依頼が届く。しかし、その悪霊の居場所は保釈保証会社になっていて、ハブが慌ててシェリルを埋めた場所へ行くと、彼女の遺体が消えていた。リリスはシェリルの遺体に憑依したのだ。

ミッジがリリスを倒す手掛かりになりそうな絵を見つけ、そこには五芒星の中にルーン文字が記されていた。美声を持つというリリスは音楽に反応するため、ハブは特大アンプから音波を発信し、ルーン文字を5隅に施した逆五芒星の中にリリスをおびき寄せて爆破する計画を立てる。

予想通り、リリスが現れてハブと格闘になるが、リリスはハブに「自分を逃せばシェリルを生き返らせる」と約束する。そうすれば、もうハブは殺人犯ではなくなるため、悪霊退治の仕事から解放される。ミッジの反対を押し切り、その取引にハブが応じると腕にあったアザが消え、リリスはカラスに憑依。その後にシェリルが生き返った。

すべてが丸く収まったかに見えたが、ハブが家族と会うためにクラブへ戻ると、メリーアンの前にカラスが現れる。リリスに憑依されたメリーアンはラッキーを殺した後にステージへ上がり、その姿は大きな羽根をつけた堕天使だった。リリスに憑依されたメリーアンは歌いながらハブに向かって、「悪魔はずっと追ってくる。メリーアンのことを生かしたいなら、私に仕えろ」と命じ、物語が終了する。

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『ボンズマン ~悪霊ハンター~』の見どころ・考察(ネタバレあり)

 

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以下のポイントに注目して考察を深掘りしていきます。

・悪霊退治の裏に隠された「罪と救済」
・愛のために悪と手を組む葛藤
・四大元素の悪霊と悪魔の象徴“逆五芒星”
・家族の絆と音楽の効果

悪霊退治の裏に隠された「罪と救済」

物語の軸となるのは、保釈保証業者のハブ・ハロランが元妻の恋人ラッキーに殺され、地獄から“使者”として蘇るという異色の設定です。その後にハブは、悪霊ハンターとして新たな「使命」を負うことになります。

一見するとバトル要素の強い作品ですが、その背後にあるのは「罪」と「救済」という深いテーマ。ハブは、怒りと酒に任せてラッキーを殺そうとした結果、無関係な女性を誤って射殺してしまいました。それは“過失”ではあるものの、彼自身の中にあった激しい憎悪と衝動が引き起こした「結果」にほかなりません。

殺意を抱いた相手ではなく、何の罪もない人間を死なせてしまったという事実がハブの心に重くのしかかり、贖罪を求めながらハンターとして役目を果たしていきます。その内面の葛藤が、本作に重層的なドラマを生み出していると思いました。

愛のために悪と手を組む葛藤

本シリーズのもう一つのテーマは、「愛のために悪と手を組む」という葛藤です。ハブはラストで、自分が殺してしまった女性シェリルを蘇らせ、家族の元へ戻るために悪霊リリスと取引をしました。ミッジも息子の命を守るために、“金の壺”で悪魔の調整係として働き続けています。

その設定には、「愛する者のためならどこまで堕ちることが出来るか」という、ある意味、ホラーよりも恐ろしい人間ドラマが潜んでいるように感じました。特に、ハブがリリスの取引きに応じたことで表面的には「解放」されたように見えても、その代償はメリーアンへの憑依と、新たな支配関係の始まりという皮肉を感じさせるラストになっていたからです。

この物語が描く恐怖の本質は悪霊ではなく、「愛ゆえの選択」の中にあるのかもしれません。正義と引き換えに手にしたものが本当に救いだったのか、観る者に問いかけるようなエンディングでした。

四大元素の悪霊と悪魔の象徴“逆五芒星”

ハブが退治していく悪霊たちは、「火・水・土・風」という四大元素を象徴しています。そして、その悪霊たちの出現地点を線で結ぶと浮かび上がる「逆五芒星」は、悪魔崇拝のシンボルとされる強い意味を持つ図形です。

最後に登場する悪霊リリスは、旧約聖書でイヴの前に神によって創られた「最初の女」にして「堕天使」、あるいは「悪霊の母」とされているそう。五芒星を完成させる形で彼女が登場したことで、このドラマがただのバトル物ではなく、宗教的・神話的モチーフを盛り込んだ深みのある構成になっていたと思います。

また、ハブとミッジが音楽に反応するリリスを音波でおびき寄せ、五芒星とルーン文字で戦うという最後のバトルも、神話と現代テクノロジーを融合のようなユニークな対戦で見応えがありました。

家族の絆と音楽の効果

本作は、ハブの夢だった音楽の世界や、疎遠になっていた息子ケイドと元妻メリーアンとの関係、母親キティとの絆にも焦点を当てていて、単なるオカルト・ホラーでは終わっていないところも魅力です。

ハブは不器用ながらも、悪霊退治という極限状態の中で家族と本音で向き合い、お互いを思いやるシーンを描くことで作品にヒューマンドラマの厚みが生まれていたのではないでしょうか。

また、カントリーミュージシャン一家らしく、家族が愛と絆を確かめ合うシーンでは一緒に曲を演奏して歌ったり、リリスに憑依されたメリーアンがステージで歌うシーンで最終話が終了するエンディングなど、音楽が上手くスパイスとして使われていたのも評価したい点でした。

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『ボンズマン ~悪霊ハンター~』のまとめ

『ボンズマン ~悪霊ハンター~』はアクション・ホラーコメディでありながら、愛と贖罪の人間ドラマに宗教・哲学的なテーマを盛り込み、音楽を象徴的に使った構成がユニークなシリーズ。派手なバトルやカルト的なホラー描写を超えて、観た人の心に“何かが残る”作品だと感じました。

クリフハンガー的なエンディングから察するところ、シーズン2への更新も期待できそうです! ぜひ、Amazonプライムビデオでチェックしてみてください♪

『ボンズマン ~悪霊ハンター~』の視聴方法

『ボンズマン ~悪霊ハンター~』はAmazonプライム・ビデオで独占配信中! この他にも同シリーズ系統のドラマが多数配信中です。「次に観たい作品が見つからない…」という方は、以下の記事も合わせてどうぞ♪

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