Amazonドラマ『ハウス・オブ・ダビデ』は、旧約聖書に登場する羊飼いの少年ダビデと巨人ゴリアテの戦いを映像化したシリーズ。イスラエル人とペリシテ人の対立も描かれる本作で何が起こるのか、キャストやあらすじなどネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます!
【本記事の注目点】
・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。
・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪
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『ハウス・オブ・ダビデ』の概要
『ハウス・オブ・ダビデ』のあらすじ(ネタバレなし)
『ハウス・オブ・ダビデ』は、旧約聖書「第一サムエル記」第17章に記されている「羊飼いの少年ダビデと巨人ゴリアテ(字幕はゴリアト)」の戦いをはじめ、イスラエル人とペリシテ人の対立も描かれるシリーズ。
イスラエルに王がいない時代、モーゼが海を割って500年が経ち、指導者を持たない民は分裂していた。分裂を阻止するために、最後の士師で預言者のサムエルはベニヤミン族のサウルに「油を注ぎ」、イスラエルの初代王にした。「油を注ぐ」とは、神が特定の人物に任務を与えること。25年にわたり、サウルは王として君臨して全ての戦いに勝利したが、次第に傲慢になったことでサムエルとの間に亀裂が生じてしまう。
そこで、サムエルはサウルに呪いをかけて新たに王となる者を探すと宣言し、王家は油を注がれた者を殺すべく、サムエルの足取りを追う。神の思し召しで、サムエルは羊飼いの少年ダビデに油を注ぐが、ダビデは王家の追跡を逃れ、指導者として君臨することになるのか……!?
『ハウス・オブ・ダビデ』の海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
『ハウス・オブ・ダビデ』は聖書の叙事詩を映像化した意欲作で、ラストシーンでスタートします。そこから1年前に戻り、どのような展開で冒頭のラストシーンへ辿り着くのか……!? という形で物語が進行するので、筆者はグイグイと引っ張られる感じで視聴を進めました。
また、筆者は聖書や聖遺物、その時代の歴史などにも関心があるので興味を惹かれたものの、音楽やセリフが少し陳腐なところがあって、戦闘シーンも壮大さに欠けて少し物足りなさを感じてしまいました。馬に乗った戦士が槍や盾、弓矢を手にして戦いを繰り広げるシーンって、どうしても『ゲーム・オブ・スローンズ』のレベルを期待してしまうので反省が必要ですね……。
冒頭に登場するラストシーンに、どう繋がるかがほのめかされるのが第6話なので、かなり物語の進行がスローです。したがって、羊飼いの少年ダビデが見せる成長も時間がかかるのですが、その間にダビデの恋や、落とし子として生まれたばかりに周りから認められない葛藤、民族同士が対立に至るまでの過程が盛り込まれ、飽きることなく視聴できました。旧約聖書に記された物語ですが、現代人が学ぶべき教えが多いところもポイントです。
すでに本シリーズはシーズン2へ更新されているので、シーズン1はその足固めといった感じでしょうか。まだまだ伸びしろがある作品なので、歴史ドラマや戦争アクション、弱者が強者に挑む物語が好きな人は要チェックです♪
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『ハウス・オブ・ダビデ』の登場人物&キャスト
『ハウス・オブ・ダビデ』の全あらすじ(ネタバレあリ)
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・サムエルに呪いをかけられたサウル王
・羊飼いの少年ダビデ
・狂気に陥っていくサウル王
・巨人の存在
・ダビデとミカル王女の恋
・戦争が勃発
・ゴリアトとダビデの対決
サムエルに呪いをかけられたサウル王
『ハウス・オブ・ダビデ』は、旧約聖書「第一サムエル記」第17章に記されている、羊飼いの少年ダビデと巨人ゴリアテの戦いをはじめ、イスラエル人とペリシテ人の対立も描かれるシリーズ。
イスラエルに王がいない時代、モーゼが海を割って500年が経ち、指導者を持たない民は分裂していた。分裂を阻止するため、最後の士師で預言者のサムエルはベニヤミン族のサウルに「油を注ぎ」、イスラエルの初代王にした。「油を注ぐ」とは、神が特定の人物に任務を与えること。25年にわたり、サウルは王として君臨して全ての戦いに勝利したが、傲慢になったことでサムエルとの間に亀裂が生じてしまう。
そこでサムエルはサウルに呪いをかけ、新たに王となる者を探し始めると宣言し、サウル王は部下にサムエルの足取りを追い、油を注がれた者を抹殺するよう命令する。
羊飼いの少年ダビデ
ダビデは落とし子であるゆえに、父親エッサイから与えられる仕事は羊の世話のみで、いつも山へ追いやられることに不満を感じていた。亡き母から教えられた竪琴の音色に合わせて歌い、母に想いを馳せる日々……。
しかし、神に導かれたサムエルが一家を訪れたことで、全てが変わる。サムエルはエッサイの実子5人ではなく、神の思し召しにより、落とし子のダビデを次のイスラエルの王に選んで油を注ぐ。
ダビデは自分の役目を果たしたいと望むが、兄エリアブに、このことがサウル王に知られたら一家が皆殺しにされると警告され、ダビデは黙ることしか出来なかった。
狂気に陥っていくサウル王
サムエルに呪いをかけられたサウル王は幻想を見るようになり、少しずつ狂気に陥っていく。気が触れたサウルの奇行が他の部族に広まり、イスラエル王国の王家が弱っている隙を見て、攻め入る計画を立て始める者が出てくる。
巨人の存在
天使と人間の間に生まれたとされている巨人は、辺境な谷の洞窟に追いやられて暮らしていた。ペリシテ連合国ガトのアキシュ王が部下を引き連れて谷を訪れ、巨人を洞窟に追い込んだイスラエルの子らに報復する機会も与えると約束し、ガトの軍隊にゴリアテたちを引き入れようとする。
アキシュは巨人のゴリアトと母親を宮廷に招く。母親は「ゴリアトを王にするなら協力する」と答えるが、アキシュは断る。
ダビデとミカル王女の恋
ますます症状が悪化するサウル王の心を落ち着かせるため、竪琴の弾き手であるダビデが宮廷に呼ばれる。王家の結婚式で竪琴を弾いたダビデをミカル王女が見ていて、女王に推薦したのだ。ダビデと王女は瞬く間に惹かれ合い恋に落ちるが、もちろん身分違いの恋に未来はない。
ダビデは王女に一緒に逃げようと説得するが、そんな非現実的な夢を追える訳がないと分かっている王女は断り、傷心のダビデは村へ帰る。
戦争が勃発
アキシュの命令で、ゴリアトの母親を殺すために暗殺者が巨人の谷に忍び込む。暗殺者は母親を殺す前に「サウル王の遣いだ」と伝え、母親は死に際に「サウルに復讐を」とゴリアトに伝えて息絶える。母親の復讐を誓った巨人がペリシテ連合国に加わり、4都市を合わせた総勢25万人の軍隊が、サウル王が統治するイスラエル王国に侵攻を始める。
アキシュは、イスラエル王国軍の戦気を削ぐためにゴリアトを戦前に出し、ゴリアトと対決する挑戦者はいないかと煽るが名乗りを上げる者は誰もいない。
ダビデとゴリアトの対決
ダビデは父親を説得して戦地へ行く許可を得て、兄たちと合流すべく戦地へ向かう。
戦場に到着したダビデは、誰も巨人に立ち向かわないことを知り、サウル王に「信仰心を胸にゴリアトと闘う」と申し出て、対決相手として任命される。ダビデが武器にする石を探しに川へ行くと、追いかけてきたヨナタンに話かけられ、王子はダビデが油を注がれた者だと知る。
いよいよ、ダビデがゴリアトと対決することになるが、ダビデは巨人が投げた槍で横腹を怪我して倒れてしまう。しかし、なんとか立ち上がった彼は投石器を手にゴリアトに突進し、一撃で巨人を倒す。その勢いに乗ったイスラエル王国軍が敵陣に攻め入る。
そんななか、戦況を知らないアヒノアム女王の元に、不祥事で国から追放されていた次男のエシュバル王子が戻って来る。エシュバルは、戦争でサウル王とヨナタンが命を落とせばイスラエル王国を継ぐ者がいなくなってしまうため、自分が王になるべきだと女王を説得。戴冠式が行われてエシュバルが新王となり、シーズン1が終了する。
『ハウス・オブ・ダビデ』の見どころ・考察(ネタバレあり)
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・弱き者が強き者に挑む―ダビデとゴリアトの戦い
・傲慢さゆえに失墜したサウル王
・幻想と現実の区別する巧みな調整
弱き者が強き者に挑む―ダビデとゴリアトの戦い
本シリーズの最大の見どころは、羊飼いの少年が巨人ゴリアトに挑んで勝利を収めるという点です。聖書で、この物語がどう語られているのか気になったので少し調べてみました。ダビデは剣や鎧ではなく、投石器と神への信仰のみを武器に巨人と戦いますが、聖書では信仰や知恵が最も強力な武器であることを教えているとのこと。
特に宗教を信仰していない人にとって、神だの信仰だのと言われてもピンとこないですが、現代の日常生活にも活かせる教訓はあるのではないでしょうか。まず、小柄な少年が巨人に立ち向かう勇気は、ぬるま湯的な日常から抜け出して冒険したり、やりたかったことに挑戦することなどに通じるものがあります。
また、槍や剣ではなく投石器で巨人に挑んだダビデは、固定観念にとらわれない発想の大切さを教えてくれているように思います。「こうしなければならない」という型にはまった考えではなく、新しいやり方を模索することが打開策を生んだり、成功の鍵になるのではないでしょうか。
ダビデとゴリアトの対決シーンは、ダビデが勝つと分かっていてもドキドキして、彼が一撃で巨人を倒してイスラエル王国軍の兵士たちから大喝采が起こった時には鳥肌が立ちました。やはり、弱者が強者に挑んで勝利を手にする展開はスカっとしますよね♪
傲慢さゆえに失墜したサウル王
サウル王の転落も、この物語における重要なテーマの一つです。神に選ばれて王になった彼は、最初は謙虚で神に従っていましたが、次第に傲慢になるという過ちを犯しました。これって、現代でも大きな成功を手にしたり、権力を握った人間にも共通することでよね。
やはり、謙虚な姿勢と初心を保ち続け、感謝の気持ちを忘れないことが大切ではないでしょうか。また、サウルは傲慢さゆえに自分の意志や判断ばかりを優先して失墜しましたが、周囲の意見を尊重する心を忘れてはいけないというメッセージも込められていると思います。
幻想と現実を区別する巧みな演出
『ハウス・オブ・ダビデ』は、狂気に触れたサウル王が見る幻想や巨人の登場などファンタジー要素がありながらも、トーンが現実的だった点を評価したいです。
巨人は現実世界では存在しませんが、戦争の恐怖や巨大な力に立ち向かう人間の勇気を象徴する存在として描かれていました。もし、過剰なファンタジー要素を盛り込みすぎていたら、物語が持つ「歴史の重み」や「信仰と権力の葛藤」といったテーマが薄れてしまっていたのではないでしょうか。
また、ファンタジーのトーンが強すぎたら、サウル王の狂気も「単なる魔法的な現象」に見えてしまい、共感しにくかったかもしれません。ですが、本作では世界観に一貫した現実感があるため、サウル王の幻覚や妄想がリアルな精神崩壊として描写されていて、王の転落をより生々しく感じることが出来ました。
その辺りの幻想と現実を区別する巧みな演出が秀逸だったと思います。
『ハウス・オブ・ダビデ』で気になったキャスト
ダビデ役のマイケル・イスカンダル
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主人公ダビデ役を演じたのは、エジプト生まれでアメリカ育ちのマイケル・イスカンダル。現在23歳の彼は、劇中で竪琴を弾きながら美しい歌声を披露していますが、シンガーとしても活躍している多彩な俳優。SpotifyやApple Musicでも彼の曲を試聴できます。
Boston Heraldによると、ブロードウェイミュージカル『Kimberly Akimbo』に出演していたマイケルは、4ヶ月に及ぶ国際的な俳優探しの結果、ダビデ役に抜擢され、なんと本シリーズでスクリーンデビューを飾ったというから驚き!
純朴だけど、強い意志とカリスマ性を感じさせるダビデを見事に体現し、これからの活躍が楽しみな俳優です♪
ハウス・オブ・ダビデ』のまとめ
『ハウス・オブ・ダビデ』は旧約聖書の逸話をドラマ化したシリーズですが、現代人が日常生活で活かせるメッセージも込められ、ヒューマンドラマや歴史ドラマ、戦争アクションとしても堪能できる作品。
すでに更新済みのシーズン2で、どんな成長を見せてくれるのか楽しみです♪ ぜひ、Amazonプライムビデオでチェックしてみてください!
『ハウス・オブ・ダビデ』の視聴方法
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