Netflix『ハイタイド』シーズン2ネタバレあり・なし感想【西欧版ゴシガル】愛と裏切り、そして血塗られた結末

『ハイタイド』の主要キャラクター3人が寝転がっている
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Netflix『ハイタイド』は、西欧版『ゴシップガール』とも言える青春ドラマシリーズ。ベルギーの海辺の町クノックを舞台に、数多くの問題を抱えたティーンエイジャーの恋や葛藤が描かれます。シーズン2で何が起こるのか、シーズン1のおさらいを交えながら、キャストや見どころなどネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます!



【本記事の注目点】

・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。

・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪

『ハイタイド』シーズン2の概要

製作:Netflix
ジャンル:恋愛、青春
配信日:2025年3月21日
製作国:ベルギー
話数:全8話
クリエイター:アンソニー・バン・ビエルヴリート

『ハイタイド』シーズン1をおさらい

クノックでの新生活

ダーンと母親のメリッサは海辺の町クノックへ引っ越し、貧しい地域でキャンピングカーを借りて新生活をスタートする。ダーンは、ビーチサイドでレストランを経営するジャックに雇われて働き始め、富裕層で同年代のアレックス・ヴァンダールと彼の恋人ルイーズたちと出会う。

メリッサは、アレックスの母親に雇われてヴァンダール家でベビーシッターとして働き出すが、彼女の目的は失踪中の妹クローディアを探すことだった。妹は、この家で働いてから行方不明になっていたからだ。

シーズン終盤で、過去にクローディアがエレノアと恋仲になったことを知った暴力的な夫パトリックが彼女に襲いかかり、仲裁に入ったアレックスが誤ってクローディアを突き飛ばし、バルコニーから転落死させてしまったことが明らかになる。しかし、その事実をメリッサは知らない。

複雑な三角関係

ダーンは、ひょんなことからアレックスたちと親しくなるが、彼らは問題だらけだった。アレックスは酒とドラッグに溺れ、かなりナルシストで傲慢な性格。ルイーズは双極性障害を患っていて、彼らのグループは友達というよりも“フレネミー”的な関係だ。

ダーンは、階級差がある彼らと過ごすことに居心地の悪さを感じつつも、ルイーズと急接近し、彼女とアレックスと複雑な三角関係に陥っていく。一度、ルイーズはアレックスと別れてダーンと付き合う。

アレックスと父親の不仲

アレックスは、ナイトクラブをオープンするビジネスプランを父親のパトリックに提案するが嘲笑されてしまい、もともと良くなった親子関係がさらに険悪に……。

アレックスはジャックをビジネスパートナーに、夢だったナイトクラブをオープンする。しかし、父親は息子をサポートするどころか敵対視し、さらにアレックスがパトリックの不倫を知ったことで、ますます親子関係が悪化していく。

アレックスが父親の不倫ビデオを親族が集まった場で流出し、パトリックが激怒して大乱闘に。そこへ、パトリックの妹オリビアが銃を持って現れ、父親に向けて発砲。パトリックは昏睡状態に陥る。

ルイーズはダーンと別れ、最終的にアレックスを選んでヨリを戻す。



『ハイタイド』シーズン2のあらすじ(ネタバレなし)

 

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シーズン1のラストでルイーズはアレックスと復縁したが、二人の関係は上手くいっていなかった。彼女はダーンへの想いが絶ち切れず、彼との関係が復活する。

しかし、双極性障害の薬を飲むのを止めた彼女は躁状態が続き、問題ある行動が目立つように……。何だかんだとアレックスとの縁も切れず、3人の複雑な三角関係は続く。

昏睡状態の息子を見舞うためにパトリックの母親ジャクリーンと、彼女の個人秘書兼恋人のトーマスがクノックを訪れ、物語を引っ掻き回す。

メリッサは、行方不明の妹クローディアに何が起きたのか手掛かりを掴み、ラストで惨劇が起きてしまう……。

『ハイタイド』シーズン2の海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

【IMDb】
10点中7.3
【筆者の評価】
総合評価:★★☆☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★☆☆☆☆

青春ドラマには、大きく分けて二つあると思います。一つ目は大人も楽しめる作品で、もう一つは大人が共感を抱くのがキツイ作品。そして、『ハイタイド』は後者です。

本シリーズでは労働者階級のダーンとメリッサが登場し、アレックスやルイーズといった富裕層との階級差が取り上げられてはいるものの、中心となるのは金持ちキッズのセックス&ドラッグ&パーティーハードな日々。

ルックスも良くてお金の心配もないのに、「自分は不幸だ」「誰も理解してくれない」と嘆く金持ちキッズは、自分たちの傲慢さや身勝手さがトラブルを招いてる自覚がありません。単に筆者が、この手のトレンド重視の若者向けドラマを楽しんだり共感したりするには、少しオバハンすぎるのかもしれませんが(笑)。

シーズン2はジャクリーンとトーマスが初登場して、物語を多少引っ掻き回くれたのは良かったですが、そこもツッコミたい点があるので、『ハイタイド』シーズン2の見どころ・考察(ネタバレあり)で掘り下げています。

大人が純粋に楽しめる青春ドラマとは言えないかもしれませんが、『ゴシップガール』や『エリート』、『ユーフォリア/EUPHORIA』などが好きな人にはおすすめです。



『ハイタイド』シーズン2の登場人物&キャスト

ダーン・パロティ(エリヤ・アルテナ)
写真が趣味で心優しく真面目な性格。ルイーズに本気の恋をする。
ルイーズ・ バスタインズ(ポメリーン・タイス)
双極性障害を患っていて、アレックスとダーンの間で心が揺れる。
アレックス・ヴァンダール(ウィレム・デ・シュライヴァー)
資産家の息子で、ナルシストで傲慢な性格。父親に認めてもらいたいと思っているが、親子関係は最悪。
メリッサ・パロティ(アナ・ドライファー)
ダーンの母親。行方不明になった妹を探すために、ヴァンダール家でベビーシッターとして働いている。
エレノア・ヴァンダール(ルース・ベッカート)
アレックスの母親。メリッサの妹クローディアと恋仲だった過去がある。
パトリック・ヴァンダール(ヘールト・ヴァン・ランペルベルフ)
アレックスの父親で息子と不仲。冷徹で傲慢な性格。

『ハイタイド』シーズン2の全あらすじ(ネタバレあり)

『ハイタイド』のアレックスとルイーズがビーチで過ごしている

出展元:https://www.standaard.be

以下、物語の展開を、キャラクターと事象別ににまとめました。

・ダーン&ルイーズ
・ジャクリーン&トーマス
・エレノア&パトリック
・アレックス
・クローディアの遺体がある場所
・ラストに起きた惨劇

ダーン&ルイーズ

ダーンはシーズン1でルイーズと破局した後、同じキャンプサイトに住むアヌークと交際していたが、彼女が彼に黙ってドラッグの売人を続けていることを知って怒る。そんななか、彼がルイーズの姉の結婚式で撮影した写真が評価され、アートギャラリーに展示されることに。

アヌークに怒っていたダーンは、再びルイーズと距離を縮めて一緒に過ごすことが多くなり、ついに復縁。しかし、ルイーズは双極性障害の薬を止めたり復活させたりで気分が落ち着かず、絵を描くことで心のバランスを取ろうとする。

躁状態が続いていたルイーズは、パーティーでダーンとアレックスと3Pをする展開となるが、そんな関係にダーンは戸惑いを覚える。

ジャクリーン&トーマス

パトリックの母親ジャクリーンを世話しているトーマスは、単なる個人秘書ではなく彼女と男女の関係にあった。しかし、周りの人たちはそのことを知らず、メリッサは謎めいた彼と親しくなって体の関係を持ってしまう。

その後にトーマスは、祖母と言えるほど年齢が上のジャクリーンにプロポーズし、二人の婚約にエレノアやメリッサたちはドン引く。トーマスは、二人の婚約に驚いたメリッサに、彼の父親はビーチクラブを経営していたジャックだと打ち明ける。

ジャックはパトリックに騙されて全財産を奪われた挙句、ビーチクラブも買収されて酒浸りになり、心臓発作で亡くなっていた。トーマスは、パトリックに復讐するためにジャクリーンに近づいたのだった。



エレノア&パトリック

アレックスの父親パトリックは昏睡状態のままで、エレノアは夫が不在の間、会社を回そうと必死になる。

最初、パトリックの回復は絶望的に思えたが、瞬きで「イエス」「ノー」と答えて会話が出来るようになり、最終的には支えられながら立ち上がれるまでになった。エレノアはパトリックのことを憎んでいるが、夫に死なれたらジャクリーンの死後、トーマスに会社を奪われると心配して夫の回復を願う。

アレックス

ジャクリーンはパトリックが亡くなった時に備えて、アレックスが会社で働けるように見習いとして建設現場での見習いを命じる。しかし、ドラ息子根性が抜けずに傲慢な彼は遊びを優先し、途中で仕事を投げ出してクビになってしまう。

クローディアの遺体がある場所

メリッサは、すでにクローディアが亡くなっていることを突き止めるが、遺体の場所は分からないままだった。そんな彼女にオリビアが、パトリックの会社が運営する建設現場のどこかに、クローディアの遺体が埋められていると明かす。

ラストに起きた惨劇

ダーンの作品がアートギャラリーに展示される前夜、双極性障害の症状が悪化していたルイーズは、自分の絵は誰にも認められない嫉妬から夜中にギャラリーに忍び込み、ダーンの作品をペイントでメチャクチャにしてしまう。それを知ったダーンは激怒して、ルイーズに「二度と会いたくない」と吐き捨てて別れる。

結婚後、トーマスのジャクリーンに対する態度が豹変し、彼女の顔に枕を押し付けて窒息死させようとする。ところが、その時にエレノアとオリビアが家を訪れ、二人が床に倒れているジャクリーンを発見したため、トーマスは三人を部屋に閉じ込めて鍵をかける。

パトリックを殺すべくヴァンダール家に向かったトーマスが、彼を殴りつけた時にアレックスが現れ、二人は乱闘に。その音を耳にしたダーンとメリッサが駆け付け、ダーンを襲ったトーマスの頭をメリッサが強打して殺してしまう。アレックスとダーンは、建設現場にセメントでトーマスの遺体を埋める。

ルイーズは双極性障害の治療に専念しようと決意し、自ら精神病院に入院してシーズン2は終了する。

『ハイタイド』シーズン2の見どころ・考察(ネタバレあり)

『ハイタイド』のダーンとルイーズが顔を寄せ合っている

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以下のポイントに注目して考察を深掘りしていきます!

・青春ドラマらしくない青春ドラマ
・三角関係の繰り返し…
・キャラクターの成長がゼロ
・トーマスの秘密

青春ドラマらしくない青春ドラマ

筆者は青春とは程遠い世代ですが、普通に青春ドラマも視聴します。大人が楽しめる青春ドラマとして、メチャクチャ笑えるコメディドラマ『私の“初めて”日記』や青春アドベンチャードラマ『アウターバンクス』、青春恋愛ドラマ『私たちの青い夏』など、ジャンルは違えど夢中になって視聴できるシリーズはたくさんあります。

こういった作品は、若者キャラクターの友情や成長、家族の絆などがしっかり描かれているので、大人が視聴しても十分楽しめると思います。

ところが、『ハイタイド』は金持ちキッズの退廃的な日常が中心で、青春ドラマに欠かせない友情が皆無なのもイタイ……。アレックスのグループの関係は、“友達”というよりも“フレネミー”に近く、“親友”と呼んでいる友達の恋人と寝ちゃったり、相手のことを軽蔑するような発言も多くて超トキシックなのです……。

そんな中で、真面目で本当に良い子のダーンだけが清涼剤のようで、唯一好きになれるキャラクター。彼だけが救いの存在です。



三角関係の繰り返し…

シーズン1でダーンとルイーズ、アレックスは複雑な三角関係に陥りますが、シーズン2でもまた同じことを繰り返していました。

そんな新鮮味のないプロットに飽きてしまったし、ここは新キャラクターを登場させて、三人の関係を思いっきり揺さぶるべきだったと思います。

キャラクターの成長がゼロ

シーズン1で、身勝手でどうしようもないほど傲慢だったアレックスをはじめとする金持キッズたちが、シーズン2では成長を見せてくれるのかなと期待していましたが、全く成長ゼロなのにもビックリした筆者。

相変わらず傲慢なアレックスは、クローディアを事故死させた大きな秘密を抱えているとはいえ、遊びのために仕事をすっぽかしてクビになるし、何も変わっていません。青春ドラマでは若者キャラクターの成長が鍵となるのに、その描写が不十分なのは致命的ではないでしょうか。

トーマスの秘密

そんなシーズン2で、やっと「おお! 面白くなってきたかも!」と思えたのは、トーマスがジャックの息子で、パトリックに復讐するためにジャクリーンに近づいたという展開です。

まさか、彼がジャックの息子だとは想像もしませんでした。とはいえ、彼の秘密が分かったのは第6話で、しかも彼は第8話で殺されてしまい、パトリックへの復讐は果たせずじまい……。

数少ない労働者階級のキャラクターで、しかも物語を引っ掻き回してくれそうなトーマスが早々に命を落としてしまい、何とも残念……。クリフハンガーで終わった最終話は、これからも富裕層に優位な展開が続くことが示唆されました。現時点では、シーズン3が製作されるかどうかは未定です。



『ハイタイド』シーズン2のまとめ

かなり辛口でシーズン2をレビューしてしまいましたが、海辺の町のシーンや、逆光と自然光を上手く取り入れた映像の美しさは必見です。

『ゴシップガール』や『ユーフォリア/EUPHORIA』など、パーティーハードでアブない毎日を送っているティーンエイジャーの青春を描いたドラマが好きな人は楽しめるはず。ぜひ、Netflixでチェックしてみてください♪