Netflix映画『エレクトリック・ステイト』は、亡くなったはずの弟を探すミシェルが謎のロボットと元軍人キーツを相棒に、真実を見つける旅に出る大冒険が描かれます。本作で何が起こるのか、ネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます♪
『エレクトリック・ステイト』の概要
『エレクトリック・ステイト』のあらすじ(ネタバレなし)
時代は、ロボットと人間が戦争を繰り広げ、敗戦したロボットが制限区域「EX」に投獄された1990年代。
主人公ミシェル・グリーンの弟クリストファーは、アインシュタイン博士を凌ぐほどの天才。ミシェルは弟と親友同士のような関係を築いていたが、交通事故で両親と弟を亡くして孤児になってしまう。里親の家を転々としていたある日、彼女の元に黄色い顔をしたコスモというロボットが現れ、不思議なことに自分は弟のクリストファーだと言い張る。
ミシェルは、二人しか知らないジェスチャーを知っていたコスモの主張を信じ、「黒縁メガネの医師」がクリストファーの死に関する秘密を握っていると知らされる。また、物事を解決できるのは科学者のイーサン・スケイトだとも伝えられ、彼がいるという立ち入り禁止区域EXへ向かうことに。
ミシェルとコスモは、その途中で出会った元軍人キーツを相棒に、真実を見つける大冒険に飛び込んで行く。
『エレクトリック・ステイト』の海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
『エレクトリック・ステイト』は、2018年に出版されたシモン・ストーレンハーグの同名小説を映画化した作品。
本作では、ミシェルとキーツの相棒ロボットや、EXで暮らしているロボットたちのレトロヒューチャーなデザイン、そしてEXのデストピアな世界観など、とにかくビジュアルが壮観でした。
ただ、ミシェルとキーツが繰り広げるロボットたちとの関係性はハートウォーミングに描かれていて良かったのですが、ミシェルやキーツなど人間キャラクターの掘り下げ方が足りず、薄っぺらな印象だったのが残念でした。
ですが、アクション満載で気軽に観賞できる週末のポップコーン映画としてはピッタリ! 親子で一緒に楽しめる1本ではないでしょうか♪
『エレクトリック・ステイト』の登場人物・キャスト
クリストファーの死の秘密を握る医師。
『エレクトリック・ステイト』の全あらすじ(ネタバレあり)
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ロボットと人間の戦争
かつて、ロボットは人間のために働き活躍していたが、意識を持ち始めた彼らが権利を求めて反乱を起こすようになる。ロボットと人間の戦いは2年に及び、その戦況を変えたのはセンター社の科学者イーサン・スケイトだった。彼は、人間の意識と人型ドローンをつなぐ装置ニューロキャスターを発明し、その数週間後に戦争は終結した。
ロボットたちを率いていたリーダーのミスター・ピーナッツは降伏し、6000体以上のロボットが、アメリカ南西の広大な砂漠地帯にある制限区域EXに投獄された。
ミシェルの元に謎のロボットが登場
1994年、ミシェルは仲が良かった天才の弟クリストファーと両親を交通事故をで失い、里親の家を転々としていた。そんなミシェルの元に黄色い顔をしたロボット「コスモ」が現れ、不思議なことに自分は弟のクリストファーだと言い張る。
ミシェルは、二人しか知らないジェスチャーを知っていたコスモの主張を信じ、「黒縁メガネの医師」がクリストファーの死に関する秘密を握っていると知らされる。また、物事を解決できるのは科学者のイーサン・スケイトだとも伝えられ、彼がいるという立ち入り禁止区域EXへ向かうことにする。
元軍人キーツとの出会い
ミシェルとコスモはEXへ向かう途中、EXで見つけた品を売買しているスカベンジャーの男を見かけ、彼に付いて行けばEXへ辿り着けると思い、彼のトラックに忍び込む。
ミシェルとコスモは彼の家で見つかってしまい、二人が言い争っていると、逃げ出したロボットを捕まえるロボット機動停止隊RDTFが現れる。ミシェル一行は、RDTFのドローンロボットから逃げているうちに、EX内部へ入ってしまう。
スカベンジャーの男はジョン・D・キーツといい、相棒のロボット「ハーマン」とは戦争中に出会ったという。本来、彼らは敵同士だが、ハーマンが脚を骨折したキーツを助けてくれて以来、一緒にいると説明される。
RGTFはイーサン・スケイトの命令で、クリストファーと意識が繋がっているコスモを探していた。
ミスター・ピーナッツとの出会い
EXでミシェルたちは、ロボットのリーダーであるミスター・ピーナッツに捕えられるが、彼らは友好的ですぐに仲間意識が芽生える。ミスター・ピーナッツによると、ミシェルが探している黒縁メガネの医師はアムハーストという名前で、基地から出て行ったという。
虫の知らせのごとく、ミシェルの元に郵便ロボットが到着してアムハースト医師からメッセージが届き、待ち合わせ場所を指定される。
クリストファーの死の真相
アムハーストは、交通事故後にクリストファーの脳をスキャンして天才である彼の脳が必要だと悟り、ミシェルには弟が亡くなったと伝えたと打ち明ける。
クリストファーの脳は、ニューロキャスターとドローンロボットを繋ぐネットワークを維持するために必要で、それらを繋ぐためにアムハーストはイーサン・スケイトに協力を求めたという。
ところが、その後にクリストファーが意識を取り戻したため、アムハーストはスケイトに接続解除を求めたが殺すと脅され、クリストファーを救い出せなかったと明かした。
ロボット機動停止隊RDTFの襲撃
スケイトの指示で、アムハーストの元へ現れたRDTFが襲撃を開始し、コスモが連れ去られてアムハーストは殺されてしまう。しかし、医師の意識を繋げたロボットの説明で、センター社のネットワークはクリストファーの意識を通じて機能しているため、解除すればセンターが崩壊することが分かる。
ミシェルとキーツたちは、ミスター・ピーナッツと彼のロボット軍団を率いて、スケイトがいるセンター社へ向かう。
クリストファーとの別れ
ロボット軍団の大健闘で、ミシェルはクリストファーがいるラボへ辿り着き、VRデバイスを通じて弟の意識にアクセス。ついに感動の再会を果たす。しかしクリストファーは、このまま自分がネットワークに繋がれていたらセンター社の悪事が続いてしまうため、ミシェルに解除してほしいと懇願する。
ミシェルは涙ながらに弟に別れを告げ、 生命維持装置を解除。すると、敵のロボットたちのパワーが切れて全滅し、ミシェルたちが勝利を収めた。
『エレクトリック・ステイト』の見どころ・考察(ネタバレあり)
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人間とロボットの関係性に好感
本作は、とにかく人間とロボットの掛け合いや関係性に好感を持ちました。ロボットが未来感タップリな冷たい印象のデザインではなく、昭和感さえ漂わせるレトロヒューチャーなデザインが最高にキュートで、荒廃したデストピアな世界観と絶妙なコントラストを生み出していたと思います。
また、野球選手をデザインしたロボットが口から発したボールを敵にぶつけたり、郵便ロボットが郵便を投げつけて敵を攻撃したりする戦い方もユニークで、個々の特性を活かした攻撃方法が次々と繰り出され、「そう来たか!」と唸る瞬間が満載♪
なんだか、『スター・ウォーズ』シリーズのR2-D2や3CPOなどのドロイドを彷彿とさせるものがあり、そんなロボットたちが時にドライに、時にユーモラスに人間と関わる様子が絶妙で、感情を持たないはずの彼らが見せる“らしさ”に思わず心を掴まれてしまいました。
活かされなかった俳優の魅力
一方で、人間キャラクターとロボットの関係性が際立っていたからか、中心人物のミシェルとキーツのケミストリーが、やや物足りない印象を受けました。
特に、クリス・プラット演じるキーツは、マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで彼が演じたピーター・クイルにキャラがソックリ! キーツは、まるでクイルに口髭を生やさせただけのように見えてしまい、人気マーベル・キャラの二番煎じ的な印象を拭えませんでした。
また、ミシェル役のミリー・ボビー・ブラウンも、代表作『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のエル/イレブン役を超える魅力を発揮できていないと感じて残念でした。
製作費は3億2000万ドル!
本作で監督を務めたのは、、マーベル映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ/エンドゲーム』でメガホンを取ったジョー&アンソニー・ルッソ兄弟。
二人は、映画1本に莫大な製作費をかけることで知られている監督です。『エレクトリック・ステイト』のレトロヒューチャーでデストピアな世界観を実現するために作られた壮大な舞台セットや、大量に投入されたCGIがお高くつくことは明らか。
そこで、「一体製作費はおいくら万円!?」と気になったので調べてみたら、な、なんと本作の製作費は3億2000万ドルなり! 現在の為替(約148円)で約474億円ですからね(汗)。Netflixの金に糸目をつけない、地球の裏側に届きそうなぐらいディープな懐の深さを感じました(笑)。
『エレクトリック・ステイト』のまとめ
本作は、人間キャラクターの掘り下げ方が少々物足りなかったものの、独特の世界観で繰り広げられる冒険とアクションが満載で、家族で一緒に楽しめる映画としておすすめです。ぜひ、Netflixでチェックしてみてください♪

