Netflix『淑女のつくり方』ネタバレあり・なし考察【西欧版ブリジャートン家】淑女を育てるエレナの運命は!?

淑女のつくり方の主人公3人
出展元:https://www.netflix.com

Netflixドラマ『淑女のつくり方』は、スペイン版『ブリジャートン家』とも呼べるシリーズ。貴族令嬢の介添人として、良縁を見つける仕事をこなすエレナの恋愛模様がコミカルに描かれる本作で何が起こるのか、キャストやあらすじなどネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます!



【本記事の注目点】

・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。

・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪

※目次のタイトルをクリックしたら、行きたいセクションへ飛ぶ仕組みです。

『淑女のつくり方』の概要

製作:Netflix
ジャンル:恋愛コメディ、時代劇
配信日:2025年3月28日
製作国:スペイン
話数:全8話
クリエイター:ヘマ・R・ネイラ、マリア・ホセ・ラスタラゾ

『淑女のつくり方』のあらすじ(ネタバレなし)

『淑女のつくり方』の舞台は、19世紀のスペイン。主人公エレナ・ビアンダは、貴族令嬢に良縁を見つけ、任務を終える度に貴族の家を点々としている介添人。腕利きとして名高い彼女は、クリスティーナ、サラ、カルロタという3人姉妹がいるメンシア家で住み込みで働くことになる。

3人姉妹はそれぞれ違った個性を持ち、かなりのトラブルメーカーと評判だが、そうそうにクリスティーナが大きなトラブルに見舞われてしまい、エレナは対処に追われることに……。

またエレナは、メンシア家にとって家族同然の存在で、文筆家のサンティアゴ・トーレスに心惹かれながらも、自分の恋を優先することは出来ず、さらに彼とある人物と複雑な三角関係に陥り、どんどん事態がややこしくなっていく……。

『淑女のつくり方』の海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

【IMDb】
10点中7.3
【筆者の評価】
総合評価:★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★☆☆☆

『淑女のつくり方』は、まさにスペイン版『ブリジャートン家』と呼べるシリーズで二番煎じな印象は否めないものの、筆者は楽しんで視聴しました♪

プロダクションのスケールも『ブリジャートン家』には及びませんが、本シリーズは介添人いう貴族に仕える側のエレナや、仕事仲間の事情もタップリ描かれているのがポイント。その辺に関しては、貴族と使用人の関係が描かれる英国ドラマ『ダウントン・アビー』(←超オススメ!)とも比較しながら視聴しました。

両シリーズのオイシイところを押さえつつも、『淑女のつくり方』はエレナが第4の壁を破って視聴者に語りかけるスタイルで進行し、ところどころにコミックのような吹き出しや、ポップなアニメーションを挿入することで差別化を図っている印象を受けました。

かなりキッチュ&カラフルなトーンが特徴で、物語もテンポ良く進んでコミカルなシーンも多く、ラブコメが好きな人におすすめのシリーズです♪

・ネタバレを知りたい方は、全あらすじ(ネタバレあり)へ飛ぶ

・ネタバレありの深堀りを読みた方は見どころ・考察(ネタバレあり)へ飛ぶ

『淑女のつくり方』の登場人物&キャスト

エレナ・ビアンダ(ナディア・デ・サンティアゴ)
貴族の介添人。良縁を見つける名手として名高いが、数多くの秘密を抱えている。
サンティアゴ・トーレス(アルヴァロ・メル)
文筆家で、ベドロ・メンシアの名付け子。メンシア家とは家族同然の付き合い。
クリスティーナ・メンシア(イサ・モンタルバン)
メンシア家の長女。良家に嫁ぐことが夢。
サラ・メンシア(ゾーイ・ボナフォンテ)
メンシア家の次女。医者志望で大学に通い出す。
カルロタ・メンシア(イラゼ・エンパラン)
メンシア家の三女。オカルトやダークなことが好き。
ペドロ・メンシア(俳優名不明)
三姉妹の父親。事業で忙しいが心優しい性格。



『淑女のつくり方』の全あらすじ(ネタバレあり)

『淑女のつくり方』の主人公がカメラをのぞき込んでいる

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以下、物語の展開を時系列順にまとめました。

・メンシア家で働き出したエレナ
・複雑な三角関係
・恋心を抑えるエレナ
・クリスティーナがエドゥルドと再会
・真実を知ったサンティアゴ

メンシア家で働き出したエレナ

『淑女のつくり方』の舞台は19世紀スペイン。主人公エレナ・ビアンダは、貴族令嬢の良縁を取り持つ腕利きの介添人。彼女はメンシア家の3姉妹の世話を任され、まず長女クリスティーナを社交界に復帰させる舞踏会で、良家の子息エドゥルドと引き合わせる。

二人は瞬く間に恋に落ちるが、求婚式の1ヶ月後、エドゥルドは「パリに行くから結婚できない」という手紙を残して姿を消す。さらに悪いことに、クリスティーナは彼の子を妊娠しており、エレナはエドゥルドがフランス貴族の令嬢と婚約したことを知るが、その事実をクリスティーナには伏せておく。

複雑な三角関係

エレナは、メンシア家の家長ペドロの名付け子で、3姉妹にとって兄のような存在、サンティアゴに心惹かれていた。もともと彼はクリスティーナに想いを寄せていたが、エレナとの出会いで気持ちが揺らぐ。しかし、妊娠を隠したいクリスティーナは、赤ちゃんの“父親”役としてサンティアゴに求婚させようと画策する。

エレナは自分の想いを抑え、クリスティーナに協力せざるを得ず、気を紛らわすために再会した元夫ガブリエルと関係を持つ。実は、エレナは年老いた貴族と結婚後、ガブリエルと駆け落ちした過去があり、その後、身分を隠して介添人として働いていたのだった。

一方、サンティアゴもメンシア家との縁談を無下には出来ず、クリスティーナは妊娠が明らかになる前に婚約を確定させようと、彼へのアプローチを強化。こうしてエレナとサンティアゴ、クリスティーナの三角関係はさらに複雑さを増していく……。



恋心を抑えるエレナ

エレナとサンティアゴは密かに時間を共にするが、彼はどうしてもエレナへの想いを断ち切れず、クリスティーナに「他に気になる女性がいる」と告白。ショックを受けたクリスティーナを見て、エレナは「自分の恋を優先してはいけない」と悟り、サンティアゴを避けるようになる。

サンティアゴは、ペドロにクリスティーナとの結婚を断ろうとするが、言い出せずにいた。そんな彼にエレナは自分の気持ちを抑え、「私たちに未来はないからクリスティーナと結婚するべき」と説得する。

その後、サンティアゴは記者の仕事で2ヶ月間、ポルトガルへ滞在することが決まる。彼の帰りを待つ間、お腹が大きくなることを心配するクリスティーナは動揺し、ペドロは娘が寂しい想いをしなくて済むよう、サンティアゴに婚礼を早めることを提案する。

クリスティーナがエドゥルドと再会

そんななか、クリスティーナは数々の手掛かりを基に、サンティアゴの想い人がエレナではないかと疑うようになり、しかもエドゥルドがフランス人令嬢と結婚することを知ってしまう。

しかし、エドゥルドは故意にクリスティーナを傷つけるつもりはなく、フランス人令嬢との婚約も一家の経済的な事情だった。クリスティーナを忘れられない彼はスペインに帰国し、そのことを知ったエレナは、こっそり彼を屋敷へ忍び込ませてクリスティーナと再会させる。

真実を知ったサンティアゴ

二人が密会した夜、酔ったサンティアゴが屋敷に現れ、クリスティーナがエドゥルドの子どもを妊娠していることを知ってしまう。家族ぐるみで騙されていたことに、ショックを受けるサンティアゴ。

クリスティーナは父ペドロに妊娠の事実を打ち明け、サンティアゴとは結婚しないと宣言。晴れてエドゥルドと結婚し、その後にエレナはサンティアゴが執筆した「淑女のつくり方」という台本を読み、ポルトガルへ旅立つ彼を追いかける。

エレナが自分の想いを彼に告げてハッピーエンド……かと思いきや、それは彼女の妄想で、現実では馬車が走り去るのをただ見送るしかなかった……。最終話は「続く」のテロップで幕を閉じる。

https://drama-dive.com/virginriver-season6/



『淑女のつくり方』の見どころ・考察(ネタバレあり)

『淑女のつくり方』のサンティアゴが上目遣い

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・以下のポイントに注目して考察を深掘りしていきます。

・もどかしい三角関係にヤキモキ…!
・19世紀貴族社会における女性の葛藤
・真の淑女とは…!?

もどかしい三角関係にヤキモキ…!

本シリーズの見どころは、何と言ってもエレナ&サンティアゴ、クリスティーナの複雑に絡み合った三角関係です。

エレナはサンティアゴに想いを寄せながらも、介添え人という立場上、自分の気持ちを優先させる訳にはいきません。またサンティアゴも、旧知の仲にあるメンシア家の面目を保つために、クリスティーナへの責任感とエレナへの想いの間で葛藤し、苦渋の選択を迫られてしまいます。そんな二人の関係にヤキモキしっぱなし……!

そんな、複雑な状況にいる二人の恋愛関係がなかなか進展しないことがもどかしくて、ドラマを一層切なく盛り上げていたと思います。

また、二人を取り巻く状況や三角関係、秘密や誤解などが、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』や『十二夜』、『じゃじゃ馬ならし』に通じるテーマがあって、シェイクスピアの古典コメディが好きな人にも刺さるシリーズではないでしょうか。

19世紀貴族社会における女性の葛藤

本シリーズは19世紀の貴族社会が舞台なので、女性が家柄や名誉、結婚に縛られていた時代背景もドラマの重要な要素となります。未婚の貴族令嬢が妊娠することは、当時の社交界では一大スキャンダル。サンティアゴを騙して、“父親役”を押し付けようとしたクリスティーナの行動はかなりエグいですが、メンシア家の名誉を守ろうとする彼女の必死な思いも理解できなくはありません。

また、老いた貴族と結婚した後、元夫ガブリエルと駆け落ちした過去を持つエレナの行動も、当時の社会的規範や家族の期待に反していて、自由な恋愛と自分の選択を追い求めた証です。両者ともに自分の置かれた立場と本心の間で葛藤していて、その時代に生きる女性として、いかに自由を求めてどのように戦うかも、コメディトーンの裏にテーマとして織り込まれているように感じました。

真の淑女とは…!?

現代では、一般的に「淑女」なんていう言葉を使う機会はありませんが、一体どんな女性を「淑女」と呼ぶのでしょうか?

淑女は「しとやかな品のある女性」を指しますが、本シリーズのタイトルは「淑女のつくり方」です。このタイトルはサンティアゴが執筆中の舞台劇ですが、「真の淑女とは!?」という問いも本作の重要なポイントではないでしょうか。

社交界にデビューして良縁を求めるクリスティーナ、医者を目指して大学へ進学したサラ、仕事を優先して自分の気持ちを抑えるエレナなど、それぞれの女性が異なる“淑女像”を象徴している点も見どころです。「つくり方」という表現からして「過程」を意味しているので、その答えは一つではないと示唆しているように思いました。



『淑女のつくり方』で気になったキャスト

アルヴァロ・メル

 

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本シリーズを視聴して、「サンティアゴがカッコイイ~💛」と目がハートになってしまった人は多いのでは!? ということで、ご紹介(笑)。

IMDbによると、1996年9月14日生まれのアルヴァロは、現在29歳。スペインのカスティーリャ・イ・レオン州のサラマンカ出身で、Netflixドラマ『パーフェクト・ストーリー』やイタリア映画『幸運の女神』などに出演しています。

アルヴァロの恋人は、『パーフェクト・ストーリー』で共演したアンナ・カスティーリョ。どうやらドラマのストーリーと同じように、実生活でも引っ付いてしまったようです。Netflixで視聴できるので、こちらの作品もチェックしてみてはどうでしょうか。

『淑女のつくり方』のまとめ

スペイン版『ブリジャートン家』と呼びたい『淑女のつくり方』は、本家のスケールには叶いませんが、ラブコメや恋愛時代劇が好きな人におすすめのシリーズ。『ブリジャートン家』シーズン4の配信を待ち切れないというファンが、その飢えをしのぐ“繋ぎ”の作品としてもピッタリです♪

また、堂々と「続く」というテロップで最終話が終了したので、シーズン2への更新も期待が持てそうです。ぜひ、『淑女のつくり方』をNetflixでチェックしてみてください!