Apple TV+ドラマ『窓際のスパイ』は、左遷になった諜報員たちの“窓際部署”で、ジャクソン・ラム率いるチームが不本意ながらも国家の陰謀に巻き込まれていくスパイスリラー。そのシーズン5で何が起きるのか、キャストやあらすじの紹介に加え、ネタバレなしの感想とネタバレありの考察でダイブインしていきます!
【本記事のポイント】
◉ネタバレなしで知りたい方へ
前半ではあらすじ・海外評価・筆者の感想を紹介。視聴前の参考にどうぞ。◉ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半では全あらすじと見どころ・考察をたっぷり紹介。視聴済みの方もおさらいに◎※目次から各セクションにジャンプできます。
『窓際のスパイ』シーズン4をおさらい
シーズン5のあらすじや考察に入る前に、まずはシーズン4を軽くおさらいしましょう。
シーズン4のあらすじ
チームは、MI5長官イングリッド・ティアニーの後の失墜を経て、現場経験ゼロのクロード・ウェランが新たな長官に就任したことで混乱の渦中にある。
そんな中、ロンドンで突如発生した自爆テロの余波がチームにも及び、リヴァーの祖父デイヴィッドが、リヴァーを名乗る不審な男を撃ち殺すという衝撃的な事件が発生。さらに、MI5の機密情報流出事件の調査が命じられ、情報が国際的な陰謀と結びついていることが判明し、事態は急速に悪化していく。
リヴァー自身はフランスへ飛び、自分の過去や家族にまつわる隠された陰謀の核心へと迫り、チームはまたもや大きな闇に巻き込まれていく。
『窓際のスパイ』シーズン5の概要
基本情報を押さえておきましょう♪
原題:Slow Horses
製作:Apple TV+
ジャンル:スパイ、アクション、クライム
配信日:2025年9月24日
製作国:イギリス
話数:全6話
クリエイター:ウィル・スミス
『窓際のスパイ』シーズン5のあらすじ(ネタバレなし)
ミック・ヘロンによる人気スパイ小説シリーズのドラマ版シーズン5では、英国諜報部MI5から左遷された落ちこぼれスパイたちのチーム「スラウハウス」が、再びロンドンで混乱に巻き込まれていく。
ロンドン各地で不可解な事件が相次ぎ発生する。テロを思わせる暴力的な出来事や政治的混乱が広がり、チームはその背後に潜む真相を探ることを余儀なくされる。リーダーのジャクソン・ラムはいつもの毒舌を交えながらも、チームを率いて事態の核心に迫っていく。
さらに、政治の世界も物語に絡み合う。新キャラクターとして野心的なロンドンの市長ザファー・ジャフリーが登場し、権力闘争の火種を加えることで物語は一層スリリングに展開していく。
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『窓際のスパイ』シーズン5の予告編を紹介
予告編では、ロンドン各地での連続殺害を発端に、MI5の高官ダイアナがスラウハウスを封鎖し、ラム率いる落ちこぼれチームが真相解明に奔走する展開になる模様。
ITオタクのロディに魅力的な“彼女”が出来たため、チームの誰もが疑念を抱き(笑)、彼女が事件の鍵を握る可能性が示唆され、サイバー干渉や政治の思惑が絡んでいるように見えます。
予告編では、緊迫したシーンのカットが次々と繋がっていて、具体的に何が起きているかはまだよく分かりません。ですがリバーがラムに、「僕がスラウハウスに入るべきじゃないって分かってるよね?」と問いかけ、車内で天井を拳でガンガン殴るシーンもあり、彼が落ちこぼれチームから抜け出せないことに不満を抱いていることが読み取れます。
予告編を見る限り、これまでで最もダークな章を予感させ、シーズン5でも続いてスリリングなスパイ劇が展開されそうです!
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『窓際のスパイ』シーズン5海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
【Rotten Tomatoes】
批評家の評価:92%
観客の評価:82%
【現地の声:海外視聴者のリアルな反応】
海外の視聴者がどんな感想を抱いたのか、Xユーザーからいくつかご紹介! ちなみに筆者も第5話の「ペンギンとバットマン」のジョークに大爆笑しました(笑)。
【筆者の評価】
総合評価:★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エンタメ性:★★★★☆
感動:★★★☆☆
『窓際のスパイ』はスパイ物の中でも異彩を放っているシリーズですが、シーズン5ではさらにその魅力が炸裂です。何といってジャクソン・ラム役を演じるゲーリー・オールドマンの存在感が相変わらず強烈で、辛辣な言葉を吐きながらも機知と狂気じみたユーモアでシーンをさらっていきいます。
さらに、今シーズンではチーム内のケミストリーがさらに絶妙で、いわゆる“落ちこぼれ”スパイたちが最大級の脅威に立ち向かいながら、それぞれの個性と才能を活かして活躍する姿に夢中になってしまいました。
一癖も二癖もあるキャラクターと洒落たセリフ回し、そして最後でどう物語の決着がつくのかを知りたいと思わせる脚本力に引き込まれ、シーズン1から視聴しているファンはもちろんのこと、今回初めて観る人にも「イッキ見したい!」と思わせるシーズンだと感じました。
『窓際のスパイ』シーズン5の登場人物&キャスト
◉ジャクソン・ラム(ゲイリー・オールドマン)
スラウハウスのリーダーで、MI5の落ちこぼれスパイたちの束ね役。毒舌で辛辣だが、鋭い洞察力と経験でチームを導く。
◉リヴァー・カートライト(ジャック・ロウデン)
チームの若手エージェントで、分析力に優れるが経験不足。チームの調査や現場対応をサポートする。
◉ダイアナ・タヴァナー(クリスティン・スコット・トーマス)
MI5の高官で、組織全体の指揮権を持つ重要人物。計算高く、必要に応じて強硬手段も取る。
◉キャスリン・スタンディッシュ(サスキア・リーヴス)
チームの経験豊富な諜報員。現場での判断力と行動力が高く、危険な任務にも果敢に挑む。
◉ルイザ・ガイ(ロザリンド・エリーザー)
チーム内では主に現場での作戦や潜入、情報収集を担当することが多い。冷静沈着で判断力がある。
◉シャーリー・ダンダー(エイミー=フィオン・エドワーズ)
チームメンバーで情報の整理や作戦の補助を担当することが多い。
◉マーカス・ロングリッジ(カディフ・カーワン)
子持ちでギャンブル依存症。シャーリーと組むことが多い。
◉ロディ・ホー(クリストファー・チャン)
テクノロジー担当のエージェント。最新ガジェットやデジタル解析を駆使するが、少しお調子者。
◉エマ・フライト(ルース・ブラッドリー)
MI5本部の指揮官、ニック・ダフィの後任に就任したエージェント。
◉ザファー・ジャフリー(ニック・モハメド)
新キャラクターでロンドンの市長。
『窓際のスパイ』シーズン5の全あらすじ(ネタバレあり)
第1話:甘いデート
【あらすじ】
【要約】
◉町の広場で男性がマシンガンを乱射し、多数の市民が犠牲になる
◉遠くの狙撃手が犯人を射殺し、白いバンで立ち去る
◉シャーリーが白いバンの人物を追跡し、ロディを救出するが混乱が続く
◉MI5は犯人を特定し、政治的背景とネット掲示板での思想を明らかにする
第1話は、町の広場で男性がマシンガンを乱射し、市民を殺害する衝撃的な事件から始まる。遠くの狙撃手が犯人の頭を狙って一発で仕留め、白いバンで立ち去る場面が描かれる。
道端で踊るロディを車が撥ねそうになるがシャーリーが救い、ロディは壊れたヘッドホンを気にするだけだった。シャーリーは白いバンの人物を突き止めようとラムを説得するが、彼は真剣に受け止めない。彼女の危機感に共感するのはキャサリンだけだった。
現場に到着したエマ・フライトは、この乱射殺人事件の裏に政治的があると推測し、犯人は自殺ではなく、狙撃手に射殺されたことを突き止める。フライトは狙撃手のアジトを発見し、弾薬も差し押さえる。犠牲者は11人に上り、ダイアナは政治的圧力と捜査の両立に苦慮する一方、クロードは市長選討論会で候補者に狙撃事件について警告する。
犯人はロブ・トリューと判明し、表向きは普通の人物だが、男性向け掲示板で不満を吐露していたことが分かる。彼は社会からの疎外感や女性からの拒絶感を抱き、英国のアイデンティティの喪失を恐れていたのだ。
シャーリーは白いバンの調査で軍関係の手がかりを掴み、ロディに危険が迫っていないか確認するために尾行を開始。そして、ロディに接近中の女性に特定の意図があることが描かれ、彼女は彼をアパートに送り届けた後、誰かに彼の帰宅情報を送るところで終了する。
【感想】
シーズン5はシーズン4の衝撃的な出来事を経て、よりシリアスな展開で戻ってきました。冒頭から乱射銃撃事件とそれを取り巻く大きな陰謀が描かれ、スラウ・ハウスのメンバーはマーカスの死を引きずりながら混乱の中に置かれます。
特にシャーリーの描写が印象的で、彼女はマーカスという唯一の支えを失った喪失感と焦燥の中で必死にもがきながらも、ロディに危険が迫っていることを鋭く悟ります。対するロディは普段モテない分、まんまとハニートラップに引っかかってしまったようで(笑)、次のエピソードで思わぬ危険にさらされそうですね。
そして、意外にも新シーズンの第1話なのにジャクソン・ラムの出番は控えめで、今回は周囲のサポートキャラクターたちに焦点が当たっているのがポイント。ルイーザが長期休暇で不在となるため、スラウ・ハウスの人員不足が今後の摩擦やドラマにつながりそうな予感です。
また、銃撃事件は市長候補ジャフリーの政治的策略の一部で、相手候補を追い詰めるための陰謀の可能性もあり、今後の展開に期待が高まります。シーズン5の開幕として、かなり引き込まれる一話でした。
第2話:監禁
第2話のあらすじと感想
【あらすじ】
【要約】
◉ ロディの部屋に暗殺者が侵入するが、ラムと共に撃退する
◉ 暗殺者は仲間に処分され、代わりに環境活動家が石油精製所を標的にする
◉ ロディはMI5に引き渡され、スロー・ハウス全体も監視下に置かれる
◉ 石油が細工されたせいで街中の車が爆発し始め、事態は大混乱に陥る
第2話は、ロディの自宅に暗殺者が潜む場面から始まる。帰宅したロディは物音を察知して壁に飾っている巨大な剣を手に取るが、上階にいたのはラムだった。ラムはロディを狙う真の脅威が、彼に近づいてきた若い女性タラであると見抜いていて、その夜は護衛のため滞在することになる。
外ではシャーリーが見張りにつくが、やがてタラから鍵を渡されていた暗殺者が侵入。しかしラムとロディが迎撃し、逃走劇に発展する。さらに白いバンから別の仲間が現れ、制圧射撃で救出に成功する。シャーリーは単独で追跡するも返り討ちに遭い、暗殺者は仲間によって始末されてしまう。
一方、暗殺組織は新たな計画を進めていた。彼らは気候変動を訴える若者活動家たちと接触し、精製所の石油タンクに毒物を混入するよう指示する。それは市内を混乱に陥れる狙いで、仲間の死体は証拠隠滅のため焼却される。
ロディとラムは身を隠すため高級ホテルに移動し、ラムはロディにタラに関する情報をまとめさせる。一方リヴァーとJKはタラの居所を追うが、与えられた住所は偽物で、実際のタラは向かいの部屋から監視していた。
その頃、ダイアナは武器の流通に関する情報を受け取り、アボッツフィールドの大量殺人で使われた銃が一ヶ月前に武器見本市から流出したものだと知る。しかし、彼女は情報提供者を信用しきれない。
やがてラムはロディが危険にさらされたと判断し、彼をMI5へ引き渡す決断を下す。さらにロディ宅で使われた銃弾がアボッツフィールドの犯行に用いられた銃と一致したことが判明し、スロー・ハウスは厳戒態勢に置かれる。
翌朝、環境活動家たちによる工作が現実となり、精製所の石油が汚染されて市中の車が次々に爆発を起こす事態に発展。組織の陰謀がついに現実の混乱となって現れ、スロー・ハウスとMI5はかつてない脅威に直面することになる。
【感想】
第2話は、冒頭から思わず笑ってしまう展開でした。ラムが漂白剤を片手に、そしてロディがマンガのような巨大な刀を振り回して敵に立ち向かうシーンは、意外すぎるコンビの共闘アクションが最高で、まさか、この二人が並んで戦う姿を見られるとは思っていなかったので楽しめました。
さらに、彼らが逃げ込む高級ホテルのレストランのオシャレで落ち着いた雰囲気と、チグハグなスローハウスの面々の存在感が全く噛み合っていなくて、そのギャップも笑いを誘います。
物語としては、ロディが完全に利用されているのは明らかですが、タラが自発的に関与しているのか、それとも脅されているのかは不透明なままです。また、石油を汚染して街を混乱に陥れるテロリストと活動家の行動は、今後の展開に大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。
チームは不協和音を抱えつつも、こうした異色の人間模様こそが本作の持ち味で、次回への期待を大きく膨らませるエピソードでした。
第3話:荒唐無稽
第3話のあらすじと感想
【あらすじ】
【要約】
◉ ロンドンで車両爆発が相次ぎ、首都は大渋滞に陥る
◉ MI5は影響を受けたガススタンドとタンカーを封鎖し、混乱の収束に勤める
◉ 中東系過激派が動物園を爆破し、メディア操作と政治的不安定化を狙う
◉ スラウ・ハウスのチームが内部陰謀に対処し、ジャフリーの息子がテロの容疑者として逮捕される
第3話では、ロンドンが突如として混乱に陥る。複数の車両が爆発したものの、幸い死者は出ていない。しかし首都全域は大渋滞となり、燃料会社は責任を否定する中、実際の犯行は気候活動家のテロリストによるものだった。MI5は影響を受けた燃料ステーションとタンカーを特定し、さらなる被害を防ぐために両方を閉鎖した。
一方で中東系の過激派は「全員を殺す、大虐殺だ」と計画を進め、ホームレスの男に依頼して“ある物”を運ばせる。それは後に動物園での爆発に使われ、最終的に22羽のペンギンが命を落とすことになる。この事件は一見無意味に見えるが、メディアを操作し、アボッツフィールドの話題を襲撃事件から目を逸らすための工作だったことが明らかになる。
MI5ではロディが拘束され、独り劇を続けて暴れまわるが、ダイアナの介入で落ち着く。ロディは恋愛妄想に取り憑かれ、タラのためにMI5のシステムをハッキングしていたことが判明し、これは大きなセキュリティリスクとなる。
スラウ・ハウスでは残りのチームがロックダウンで身動きできず、コーはこの混乱をメディア操作や政治的不安定化の理論の一部と考える。
その後、政敵の暗殺未遂や市長選の討論会中止など、事件は政治にも波及する。ラムが機転を利かせ、チームは最高のチームワークを店て警護員を縛り上げる。さらに、気候テロリストのリーダーが市長ジャフリーの息子だと判明して逮捕される。
【感想】
第3話は、緊張感とドラマが詰まった見応えのあるエピソードでした。テロリストたちはロンドンを混乱させようとしていますが、最終的な狙いが何なのかはまだ不明で、先の展開が気になるところです。
そして、ラムが十八番のように最高に臭いオナラを放ち、お腹の調子が悪いフリをしてトイレのタンクに隠していた銃を取ろうとするも、先に警護員に見つけられていた場面は笑いどころでした。
また、ロディがMI5で捕まった際に見せる奇妙な一人劇も大爆笑! ロディは体も鍛えていてルックスも悪くないのに、あの歪んだナルシスト的な性格や女性への執着が問題で、恋愛に縁がないのではないでしょうか(笑)。
さらにラムが第二次世界大戦のスパイ時代の逸話を警護員に語る場面では、リヴァーたちがその意図を察し、手元のアイテムを使って協力しながら、警護員たちを縛り上げるチームワークも最高でした。
スラウ・ハウスのメンバーが互いに助け合いながら困難を切り抜ける様子は、このシーズンの見どころのひとつ。次回も大いに期待できそうです!
第4話:弾丸
第4話のあらすじと感想
【あらすじ】
【要約】
◉ タラがロディに電話をかけ、エマの作戦で通話を追跡。ラムの活躍でタラが逮捕される
◉ ギンボールの過去がクロードに暴かれ、選挙戦に暗雲が立ち込める
◉ 暗殺者が現場に潜むもシャーリーが阻止し、ギンボールは不運の事故で死亡する
第4話は、タラがロディに、自分の行動が命の危険に繋がるとは思っていなかったこと、そして後悔していると留守電に残すところから始まる。エマ・フライトはロディに、過去に自分もハニートラップで欺いた相手と恋に落ちたからタラの気持ちが分かると嘘をつき、ロディにタラと接触させるよう仕向ける。ロディは、騙された振りをしてタラに電話をして想いを告げるが、通話が長すぎて彼女の居場所が追跡されてしまう。
一方、ラムは配達員に扮してタラの滞在先に潜入する。フライトが到着すると、ラムは王道の捜査手順の有効性を示し、タラがロディのアパートに移動したことを把握して作戦を実行。その結果、ラムがタラを捕え、フライトが逮捕する連携プレーが実を結ぶ。
その頃、ジャフリーとギンボールは市長選の演説準備を進めていたが、燃料ストライキによる死者の報道で緊張が高まる。クロードはギンボールの両親の過去を暴き、選挙戦に大きな影響を与える状況となる。
夜、リヴァーとコーは選挙の演説会場で暗殺者を捜す。シャーリーはジャフリーの会場で、以前に目撃したテロリストの靴を手掛かりに犯人を追跡。暗殺者は上階の設備室に潜んでいてジャフリーを狙うが、シャーリーが現場に駆けつけて格闘に発展。しかし、最終的に男は白いバンで逃走してしまう。
一方、ギンボールはスピーチの準備中に警備員と揉み合いになり、リヴァーとコーの介入で不運のチェーンリアクションが発生。落下してきたペンキ缶がギンボールの頭に直撃し、即死するという衝撃の結末となる。一連の出来事はギンボールの録音デバイスに記録されていて、コーがデバイスをポケットに入れて幕を閉じる。
【感想】
第4話は、スローハウスの両極端な側面を見せつける回でした。一方では暗殺を阻止する緊張感が描かれ、もう一方では意図せずメンバーが殺人に関わってしまう場面もあり、チームの混沌とした魅力が存分に発揮されていました。
タラのストーリーもクライマックスを迎えましたが、ロディが無事に釈放となるのかが気になるところ。また、普段はMI5の官僚的な捜査手順に従うフライトがラム流の捜査に共感し、連携して行動する姿も印象的でした。
政治的な陰謀や選挙活動の裏側も描かれ、複数のストーリーラインが絡み合うことで緊迫感とユーモアが絶妙に混ざり合っていて、やっぱり『窓際のスパイ』は面白い!と痛感♪
ラストでギンボールが不運な事故で死んでしまう展開は予想外で、軽妙な伏線回収と痛恨のミスが入り混じるシーンは、本作ならではの魅力が凝縮されています。全体として、混乱の中でのチームの連携や偶発的な事件の面白さを描きつつ、緊張感のあるドラマをしっかりと提供していて、シリーズの醍醐味を再確認できるエピソードでした。
第5話:サーカス
第5話のあらすじと感想
【あらすじ】
【要約】
◉ テロリストがジャフリー暗殺に失敗し、計画を修正して再結集する
◉ タラがMI5の情報を操作していたことが発覚し、リヴァーたちは追及を受ける。
◉ ラムは「航空管制を狙うかく乱計画」の可能性を指摘
◉ タラはおとり作戦中に正体を現し、MI5のシステムを破壊して逃亡する
第5話では、テロリストたちがジャフリー殺害に失敗し混乱する場面から始まる。ギンボールが死んだことを知りつつも、彼らは計画を修正し「全員でやり遂げればまだ勝算はある」と結束を固める。一方、メディアや警察はギンボールの死を“事故”として処理するが、MI5は真相を掴んでいた。リヴァーは自らの立場を危うく感じ、焦りを隠せない。
ダイアナは、クロードにテロ関与が疑われるタラの過去を報告する。彼女の両親は2011年のリビア政変で亡命し、タラは英国に残って優秀な学生として暮らしていた。現在、エマ・フライトの尋問を受けたタラは「テロリストに脅され、ロディを誘惑してMI5のデータベースにコードを入力させた」と告白する。そのコードが何を意味するか、MI5は調査を進める。
ジャクソン・ラムは仲間からジャフリーが真の標的だったと報告を受け、事態の背景に「英国のポピュリスト政治家を排除するためのかく乱工作」が動いていると見抜く。彼は上層部に対し、自分たちは暗殺を“阻止しようとした”と事実を歪めつつも、次の標的が「航空管制」である可能性を示唆する。ダイアナはこの推測を受け、タラの供述をもとに行動を開始する。
タラはテロ組織を誘い出す”おとり”として、深夜の作戦に参加することに。MI5が追跡する中、彼女はピカデリー・サーカスで暗号を受け取り、指定された地下鉄経路を辿る。しかし、スラウ・ハウスの面々は彼女こそが最初からこの“かく乱計画”の一部だったことに気づく。
同時に、ダイアナとロディが調べていたタラの入力コードが作動し、MI5のシステム全体がダウン。ネットワークは完全に乗っ取られて機能を失ってしまう。混乱の中、タラはMI5の監視を逃れ、真のテロリストとして姿を消す緊迫の展開で幕を閉じる。
【感想】
第5話は、これまで「テロリストに利用された」と涙ながらに訴えていたタラが、実は最初から計画の一員だったことが明らかになるという衝撃の展開で幕を閉じました。
か弱く見せていた彼女の姿にクロードやエマ・フライトまでもが完全に騙され、またもやMI5はハニートラップに落ちるという大失態……! 過去に女性問題で痛い目を見たクロードが、また同じ過ちを繰り返すあたりも皮肉で、『窓際のスパイ』が得意とする人間の弱さの描写が際立っていたのが印象的です。
テロ組織は、ロディやクロードといった“隙”のある人物を狙い撃ちし、MI5を混乱に陥れる計画を進行させているため、かなり手強いと思われます。一方、テロ組織の次の動きを読んで、航空管制が狙われていると予測したラムの頭のキレの良さも相変わらずで、どうして彼が今もスラウ・ハウスにいるのか理解できません。
予想外の裏切りと駆け引きが連続する第5話は、前作に続いてスリル満点! 最終話への期待が一気に高まるエピソードでした♪
第6話:傷痕
第6話のあらすじと感想
【あらすじ】
【要約】
◉ MI6がテロリストにより機能停止sい、クロードが対応に奔走
◉ タラがリビア大使を人質に資金と安全を要求し、礼拝所攻撃を明かす
◉ ラムの直感でアボッツフィールド教会が標的と判明しm最終的にタラを逮捕する
◉ リヴァーらが教会でテロを阻止し、テロリストを排除して危機を回避
◉ クロードはスラウハウスの閉鎖を狙うが、ラムの機転で逆転して部署は守られる
第6話は、MI6がテロリストにより機能停止に追い込まれ、クロードが解決策を模索するところから始まる。コンピューター画面にはカウントダウンが表示され、分析官たちは状況の把握に苦慮する。ダイアナはクロードに、ロディがデータベースを開いた時にタラがクロードのファイルを盗み、彼の「守る父親」願望を突く形で心理的に操ったことを説明する。
ダンカンがシステム復旧の方法を見つけるが、カウントダウンは既に終了間際。混乱の中、リビア大使がタラに人質にされ、タラは自国の石油収入損失補償として1億ポンドと仲間の安全な退避を要求する。また、最終目的として礼拝所への攻撃を明かす。その対象は2000以上にも及ぶ。
ダイアナはラムに報告し、彼は資金を渡すべきだと冷静に助言する一方、クロードは強硬に反対する。ラムは直感で攻撃対象が再びアボッツフィールドの教会になると判断し、ダイアナは資金を送金するが、タラの仲間は計画を強行しようとし、タラの動きを事前だ読んだラムが彼女を捕らえる。
一方、リヴァーとシャーリー、コーはアボッツフィールドの教会を退避させるが、テロリストが襲撃して市長が人質に。激しい銃撃戦の末、危機は回避される。その後、システムも復旧するが、最後に残ったテロリストがクロードを狙い、現場に駆けつけたリヴァーが敵を射殺してクロードを救出する。
事件後、リヴァーはラムに今回の対応で自分の能力を証明できたと伝え、スラウハウスを去る意向を示す。クロードはスラウハウスの閉鎖を企てるが、ラムはクロードがギンボールを恐喝した音声を使い、スラウハウスの安全確保やロディとモリーの復帰を要求。最終的にクロードは辞職し、リヴァーもラムの下に残る形で幕を閉じる。
【感想】
フィナーレとなる第5話は、リビア人テロリストの脅威を片付けつつも、次シーズンへの布石をしっかり残す内容でした。
毎回、敵の2歩も3歩も先を進みながら事件を解決するジャクソン・ラムは、まるでテロリストグループの一員なんじゃないかと疑ってしまうぐらい先を読み切る手腕を見せます。
また、スラウハウスのメンバーは混沌の中でこそ本領を発揮し、最後にはチーム一丸となってテロリストを排除する姿が痛快でした。そして、スラウハウスを陥れようとしたクロードが、ラムが手にしていたギンボールへの恐喝テープによって追い詰められる展開は、筆者が望んだ通りの結末で大満足!
無能なクロードはMI5の目の上のたんこぶのような存在で、 なぜ彼が局長なのか信じられないほど。実は超優秀なスラウハウスのメンバーが、 あのような立場に追い込まれている理由に納得いきません。
かなり苦境に立たされていたロディもラムのおかげで職場復帰が決定し、スラウハウスなりのハッピーエンドに。そこから抜け出したいリヴァーは少し可哀想でしたが、彼も本部に戻ったらスラウハウスが恋しくなるのではないでしょうか(笑)。
第5話は『窓際のスパイ』らしい皮肉と機転が光るフィナーレで、すでに更新が決定しているシーズン6も彼らの活躍から目が離せそうにありません。
・Apple TV+のスパイドラマをチェック!
『窓際のスパイ』シーズン5の見どころ・考察(ネタバレあり)

出展元:https://www.apple.com
【物語の展開を時系列順にまとめた目次】
◉混沌で真価を発揮するスラウハウスの能力
◉現実社会を映すスパイドラマの視点
◉シーズン6に向けた伏線と期待
混沌で真価を発揮するスラウハウスの能力
まず本作のテーマは、「混沌の中でこそ真価を発揮する者たちの機転と絆」に集約されます。
シーズン5ではロディの失態でスラウハウスが一時閉鎖の危機に追い込まれ、そんな非常事態の中でもスラウハウスのメンバーがそれぞれ欠点や失敗を抱えつつも、互いを補い合いながら困難を切り抜ける姿が本シリーズの大きな見どころで、今シーズンも期待を裏切りません。
前半では出番が増えたロディの変人っぷりが暴露されまくりで、爆笑の連続! また、ほぼ全話でシャーリーが大きな活躍を見せたのも印象的でした。
前シーズンで仲間のマーカスを失ったシャーリーの喪失感やロディのナルシスト的な行動、フライトの官僚的な視点となど、キャラクターの強烈な個性や関係性も丁寧に描かれています。また、ジャクソン・ラムの戦略眼は毎回敵の2歩も3歩も先を行くほど鋭く、時にはテロリストさえも一枚上手に読んでいるかのような圧倒的な存在感を見せます。
ストーリー展開もギンボールの死やクロードの恐喝テープなどが巧みに活かされ、物語に緊張感と皮肉を加え、ブラックな笑いと緊迫感のバランスもア変わらず絶妙でした。
現実社会を映すスパイドラマの視点
本作は、国際的なテロリズムや政治的陰謀を題材にしつつ、現実の社会問題を巧みに反映しているところもポイントです。
大都市ロンドンを舞台に、選挙戦の裏側で進行するテロやハッキング、過激思想に染まる若者たちの姿が描かれ、まさに“グローバルな不安”が身近に迫っていることを感じさせます。
例えば、極右政治家を背景にした銃乱射事件の描写や、移民・多文化主義を巡る言説の対立は、イギリスをはじめとする欧米社会で起きている社会分断とポピュリズムの台頭をストーリーに盛り込んでいます。
また、サイバー攻撃の筋立てからは、テクノロジー時代の“見えない”、また“制御しにくい”リスクが滲み出ていて、スパイドラマがフィクションに留まらない現実との接点を持っていることに気づかされずにはいられません。
スパイ物の枠を借りて、「物語を通じて私たちが暮らす現代を振り返る」きっかけを作ってくれる、優れたシーズンだと思いました。
シーズン6に向けた伏線と期待
『窓際のスパイ』は、すでにシーズン7まで更新されていて、シーズン5最終話後にはシーズン6の予告編も挿入されています。シーズン6では、リヴァーの父親であるフランク・ハークネスがカムバックし、スラウハウスのメンバー名が記されたファイルが盗まれ、チームが追われる立場になることが分かっています。
また、辞職したクロードの代わりにダイアナ・タヴァナーが後任となり、どのような方向へMI5の舵を切るかにより、スラウハウスへの影響も変わってくることが予想され、本部との関係性がどうなるかも気になるポイントです。
すでにシーズン6は撮影が終了していると報じられているため、2026年内に配信される可能性が高そうですね。次シーズンがどんな展開となるのか、今から視聴するのが楽しみです♪
・お気に入りのスパイドラマが絶対見つかる!
『窓際のスパイ』シーズン5のまとめ
『窓際のスパイ』シーズン5は、ロディの失態でスラウハウスが一時閉鎖の危機に追い込まれ、ロンドンで巻き起こるテロ事件がスリリングに描かれました。
混沌の中でも機転を利かせ、チームの連携でテロリストを撃退する展開が圧巻! ブラックユーモアに爆笑してしまうシーンも盛りだくさんで、本当に愛すべきスパイドラマです。ぜひ、Apple TVでチェックしてみてください♪
『窓際のスパイ』が好きな人におすすめの作品3選
『窓際のスパイ』のように諜報員が活躍して、政治が絡んでくる見応えタップリのドラマをチェックしてみてください♪
◉「シーズン5最高すぎ!今日のエピソード「サーカス」で爆笑。バットマンとペンギンのジョークが天才的。ゲイリー・オールドマンの演技はやっぱり神だし、ロディ・ホー大好き」
◉「シーズン5の第5話はまさに傑作。毎回クライマックス直前の回が神がかってるけど、今回も予想を裏切りながら物語を一気に進めてくる展開にゾクゾクした」