フランス発のNetflixドラマ『ヤング・ミリオネアズ』は、宝くじを当てて超リッチになった高校生4人組を描く青春コメディドラマ。この記事ではキャストやあらすじの紹介に加え、ネタバレなしの感想とネタバレありの考察でダイブインしていきます♪
【本記事のポイント】
・ネタバレなしで知りたい方へ
前半ではあらすじ・海外評価・筆者の感想を紹介。視聴前の参考にどうぞ。
・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半では全あらすじと見どころ・考察をたっぷり紹介。視聴済みの方もおさらいに◎
※目次から各セクションにジャンプできます。
『ヤング・ミリオネアズ』の概要
基本情報を押さえておきましょう♪
『ヤング・ミリオネアズ』のあらすじ(ネタバレなし)
フランス発の青春クライムドラマ『ヤング・ミリオネアズ』の中心となるのは、マルセイユに暮らす高校生のサミア、レオ、ダヴィッド、そしてジェス。彼らはごく普通のティーンエイジャーだったが、ある日、なんと宝くじで1700万ユーロもの高額当選を果たす。
しかしトラブルが生じ、彼らはお金を使えなくなってしまう。家族との問題や迫り来る試験、そしてすぐそこにあるのに手が届かない大金──。10代の彼らが抱える葛藤の中で、「突然の富」が友情や人生をどう変えていくのかが描かれる。
『ヤング・ミリオネアズ』海外での評価&予告編紹介と筆者の感想(ネタバレなし)
視聴前に予告編を見た印象
予告編では、1700万ユーロの宝くじを当てたティーンエイジャー4人組が、高級時計や高級車、豪華な一軒家を手に入れ、パーティー三昧の日々を満喫する様子が描かれます。
しかし、「バカなことをしていたらツケを払わされる。そして、すべてが変わり始める」という不吉なナレーションのあと、三ツ星レストランで食事を楽しむ4人のもとに1通のメッセージが届きます。それを見た一人が「何だよ、コレ」とつぶやき、4人は不安げに顔を見合わせたところで映像は終了します。
どうやら、彼らは何らかの理由でお金を自由に使えなくなってしまうようですが、その原因は何なのか。そして、どのようなトラブルに巻き込まれていくのかが本作の見どころとなりそうです。若さゆえの無防備さと、その代償の重さがどのように描かれるのか……。予告編からは明確には伝わってきませんが、物語にはサスペンスの要素も盛り込まれていそうです。
ネタバレなしの感想
『ヤング・ミリオネアズ』は、誰もが一度は考える「宝くじが当たったら何をする?」というテーマを描いたシリーズです。
しかも、1700万ユーロ(約29億円)もの大金を当てた高校生4人組が主人公という設定なので、トラブルが起きないはずがありません。予告編ではサスペンス要素もありそうだなと思いましたが、全編を通してコメディトーンで描かれています。
特に第1・2話での、病院で当選券を取り戻そうとするドタバタ劇はあまりにもバカバカしくて、「この調子で最終話まで続いたら、正直ちょっとしんどいかも……」と思ってしまうほどでした。
ただ、第3話以降はユーモアのトーンも持ち直していて、全体的には楽しめる作りになっています。宝くじを現金化するためにヴィクトールが本当に信用できるのかといったハラハラポイントや、謎の脅迫者の登場など、興味を引くプロットも盛り込まれています。
コメディ要素のブレが気になる部分はありますが、それも好みによるので一意見として参考までに。その他の問題点は、ネタバレありの見どころ・考察で掘り下げているのでチェックしてみてください。
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『ヤング・ミリオネアズ』の登場人物&キャスト
ダヴィッド(カリスト・ブロワザン=ドゥタズ)
高額宝くじに当選したティーンエイジャーの一人でミュージシャン死亡。両親に捨てられ、養父母の元で育った。
サミア(マロウ・ケビジ)
高額宝くじに当選したティーンエイジャーの一人で、プロのサッカー選手を目指している。
レオ(アブラハム・ワプラー)
高額宝くじに当選したティーンエイジャーの一人で、サミアの家に居候していて、彼女に片思いしている。
ジェス(サラ・ガンシャルスキ)
高額宝くじに当選したティーンエイジャーの一人で弁護士志望。
ヴィクトール(ジャンヌ・ブディエ)
18歳以上でないと宝くじは現金化できないため、4人に変わってお金を受け取り、管理する役目を引き受ける。
トム(フロリアン・ルシュー)
レオの異父兄弟で、少しオツムが弱いが憎めない性格。
ポール(ヴィクター・ボネル)
サミアの彼氏で、ダヴィッドたちを脅迫している犯人を突き止めるために、ITの知識を活かして協力する。
『ヤング・ミリオネアズ』の全あらすじ(ネタバレあり)
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・1700万ユーロの宝くじを当てた4人組
・脅迫の連鎖
・1700万ユーロか刑務所か
・脅迫者の正体
1700万ユーロの宝くじを当てた4人組
南仏マルセイユに暮らす17歳のダヴィッド、ジェス、レオ、サミアは宝くじで1700万ユーロを当てる。しかし受け取りには18歳以上であることが条件で、現金化の有効期限は60日。未成年の彼らは信頼できる大人に換金を頼むことにし、学校のピヴォ先生に200万ユーロの謝礼で依頼する。だが、取引直前に彼は交通事故に遭い、計画は暗礁に乗り上げてしまう。
ダヴィッドたちは、交通事故に遭ったピヴォ先生の上着に宝くじ券があると知り、病院で回収を試みるが失敗。ジェスは先生の娘を装って病院に潜入するが、本物の娘と遭遇して計画が混乱する。
新聞に1700万ユーロの宝くじ当選者が出たと掲載されたことを知ったグループは、病院で当選券を回収したジェスが、たまたま宝くじの番号選びに加わった18歳のヴィクトワールに現金化を依頼していたことが判明。
彼女は、4人が18歳になるまでに資金を管理すると約束するが、ヴィクトールにお金の引き出しを頼んでも都合よく応じてくれず、4人の不安が募っていく。
脅迫の連鎖
成り行きで人気者クロエとデートしたレオが彼女に秘密をバラしてしまい、学校中に生徒の誰かが宝くじを当てたことが広まってしまう。そこで4人は、お調子者のジョルダンが当選者だと偽情報を流す。
ダヴィッドは「ヤング・ミリオネア」というアカウントを作り、課題の達成者に金を払うゲームを開始。ついにヴィクトールからカードを受け取った4人は、豪邸を借りたりショッピングで散財したりで贅沢三昧の日々を送る。
しかしダヴィッドは、過去に借りを作ったチンピラのサミールに大金を手にしたことを知られ、分け前ををよこせと脅されてしまう。さらに4人は匿名の脅迫者から病院で起こした騒動の証拠動画を突き付けられ、挑戦を順番にこなすか、大金を払うか選択を迫られるハメに。脅迫者からの挑戦を4人が次々にこなすなか、グループの近くにいた犯人の存在に気づくも逃してしまう。
1700万ユーロか刑務所か
4人は脅迫者の正体はヴィクトールではないかと疑い、トムに尾行をさせる。サミアの元彼ポールはネットで脅迫者の足跡を追い、セルビアからのアクセスが多いことに気づき、“トパロヴィチ”という名前を割り出す。
ダヴィッドとサミアはトムが気を引いている間にヴィクトールの家を捜索し、セルビアのパスポートを発見。彼女の本名が“カタリナ・トパロヴィチ”だと明らかになるが、過去に交際していた男子に恥ずかしい動画を流出され、名前を変えて引っ越して来たと説明。4人は彼女の話を信じる。
最後の挑戦として「1700万ユーロか刑務所か」の選択を迫られた4人は、お金を払う道を選択し、ヴィクトワールも納得してくれる。さらにサミールへの支払い問題を抱え、4人はタイへ逃亡計画を立てるが、ポールが脅迫者の銀行情報をハッキングして、犯人にお金を振り込んだ後にお金を取り戻せると4人に説明する。
サミアはポールと復縁するが、レオとの関係を疑う彼が設置した隠しカメラを発見し、仲間に助けを求める。
脅迫者の正体
4人を脅迫していたのはポールだった。彼はサミアに振られた後、恨みを抱いてレオの部屋に隠しカメラを設置し、グループのスマホをハッキングして仲間同士を争わせるゲームを仕掛けていたのだ。
そんななか、ヴィクトールは尾行から交際に発展したトムから、4人が最初はピヴォ先生に現金化を頼むつもりで、ヴィクトールは利用されただけだと打ち明ける。それを知った彼女はポールに4人を陥れて、二人で大金を山分けしようと持ち掛ける。
しかし、それはポールを罠にかけるための演技だった。大金を資金洗浄するために、銀行マネージャーを介して二人で作成した架空会社の書類にもトリックを仕掛け、ポールが手にできるお金は8000ユーロほどだった。その事実を、ダヴィッドが開いた盛大なパーティーで知らされたポールは、敗北を噛みしめる。
4人は回復したピヴォ先生のお見舞いに行き、約束していた200万ユーロを支払い、全ての問題を解決。ジェスはお金の投資を提案し、サミアとレオは互いの想いを確かめ合い、4人はビーチを歩きながら新たなスタートを迎える。
・お気に入りの青春ドラマが絶対見つかる♪
『ヤング・ミリオネアズ』の見どころ・考察(ネタバレあり)
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・大金よりも大切なもの
・お金は自由か束縛か
・行き止まりだらけのサブプロット問題
・お金が生むゲーム感覚
大金よりも大切なもの
『ヤング・ミネアズ』の主人公は、1700万ユーロもの大金を宝くじで当てた17歳の4人組。「超リッチになれる!」と大はしゃぎしたのも束の間、未成年の彼らは「18歳なるまでお金を受け取れない」という驚愕の事実を知らされます。
仕方なく彼らは、現金化のために信頼できる大人を探さなければならないというジレンマに直面し、全8話を通して“お金をどう使うか”ではなく、“全額を受け取るまで”が描かれる設定が面白いと思いました。
4人は、信用できる成人として選んだヴィクトールに対しても疑心暗鬼になり、さらに謎の脅迫者まで現れるなどトラブルが続出! その過程で4人は少しずつお金を手にし、豪邸を借りたりショッピングで散財したりと贅沢を味わいますが、最終的に「1700万ユーロか刑務所か」という究極の選択を迫られた時には、目先の大金よりも自由を優先する決断を下しました。このシーンは、お金よりも自由や安心感の方が価値あるものだと痛感させられます。
物語を通して印象的なのは、大金を手にするまでに大きな苦難を経験した4人組の成長です。最後に投資や起業の話をしながら歩く4人の姿は、もし最初からお金を手にしていたら、得られなかった学びを示しているように感じました。
お金は自由か束縛か
『ヤング・ミリオネアズ』では、大金は必ずしも自由をもたらさないことが描かれているのもポイントです。4人は1700万ユーロという夢のような額を手にし、一時的に豪邸やショッピングなど贅沢を満喫しますが、その結果、脅迫や犯罪に巻き込まれ、日常はむしろ不自由になってしまいました。
大金を持つことで生まれるのは“何でもできる自由”だけでなく、“失う恐怖”や“狙われる危険”です。そういった要素は、行動を制限して心を縛ってしまいます。自由を得たはずが、お金の存在そのものが足枷となる──この逆説こそ物語の核心ではないでしょうか。
追い詰められた4人はお金よりも安全と平穏を選びますが、それは資産の有無よりも、「自分の人生をコントロールできる状態こそが本当の自由」だというメッセージにも感じられます。
行き止まりだらけのサブプロット問題
本作で気になったは、物語の進展に全く役に立たないサブプロットが、いくつも盛り込まれていたところです。
たとえば、ジェスの実の父親の話や、ダヴィッドが自分を捨てた実の両親を探したいと言い出すくだり、サミアが心臓の問題でプロサッカー選手の夢を絶たれるエピソードなどです。どれも中途半端で、ジェスはせっかく父親と再会できたのに関係が深まる様子は描かれず、今後の展開を示唆する場面すらありませんでした。
ダヴィッドの生い立ちや実の両親の事情についても、掘り下げればかなり面白くなりそうなのに完全スルー……。正直、こういった行き先不明のサブプロットを詰め込むよりも、不要なストーリーを削って全4話くらいか、映画にまとめた方がスッキリしたのではないかと思います。
それに、コメディ要素もムラが目立っていたので、いっそ全編サスペンス寄りに振り切った方が、うまくハマったのではないかとも感じました。
お金が生むゲーム感覚
また本作で印象的だったのは、ダヴィッドが「ヤング・ミリオネア」というアカウントを作り、課題をクリアした人に報酬を出す遊びを始めるくだりです。本来なら宝くじの当選という出来事は現実的で重い問題を突きつけるはずですが、そこに大金が介在することで一転して「ゲーム」のように処理されてしまいます。
これはSNSの「いいね」やフォロワー数を追い求める承認欲求や、常に強い刺激を求める現代的な依存の感覚を先取り的に描いていると言えるでしょう。お金が人を熱狂させるだけでなく、現実を軽く見せてしまう怖さが際立つ場面でした。
・ティーンエイジャー版ワイスピ!サスペンス要素も見応えある青春ドラマ♪
『ヤング・ミリオネアズ』のまとめ
『ヤング・ミリオネアズ』は、大金を手にした未成年たちが自由と束縛の狭間でもがく姿を描いた青春ドラマ。展開にやや強引さやご都合主義もありますが、友情や成長、そしてお金の本当の価値を考えさせられる点は魅力的。
軽く楽しみつつも、意外と余韻の残る作品です。ぜひ、Netflixでチェックしてみたください♪
『ヤング・ミリオネアズ』の視聴方法
『ヤング・ミリオネアズ』を視聴できるのはNetflixだけ! VODの中でもダントツにコンテンツ量が多いNetflix。使ったことがない方も、この機会にぜひ♪
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