Netflix『ザ・レジデンス』ネタバレあり・なし感想 女名探偵がホワイトハウス殺人事件の謎に迫る!犯人の正体は?

『ザ・レジデンス』の主人公が望遠鏡を持っている
出展元:https://www.netflix.com

Netflix ドラマ『ザ・レジデンス』は、ホワイトハウスで開催された晩餐会で男の遺体が発見され、探鳥家で型破りな探偵コーデリア・カップが、大勢の容疑者の中から犯人を見つけ出すというストーリー。本作で何が起きるのか、キャストや見どころなどをネタバレあり・なしでダイブイン(考察)していきます♪



【本記事の注目点】

・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。

・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪

『ザ・レジデンス』の概要

製作:Netflix
ジャンル:犯罪コメディ
配信日:2025年3月20日
製作国:アメリカ
話数:全8話
原作:ケイト・アンダーセン・ブラウワー
クリエイター:ポール・ウィリアム・デイヴィス

『ザ・レジデンス』のあらすじ(ネタバレなし)

ホワイトハウスで開催された晩餐会で、チーフアッシャー(大統領の居住区域を監修する責任者)のA・B・ウィンターが遺体で発見される。晩餐会で死人が出たことが分かったら一大事となるため、首都警署長の推薦により、探鳥家で型破りな探偵コーデリア・カップが呼ばれる。

A・Bの両手首には切り傷があり、上着のポケットには遺書らしきメモが入っていたため自殺と推測できたが、彼の後頭部には鈍器で殴られたような傷があった。カップは、A・Bが殺されたと見て捜査を開始することにし、まずは事情聴取のためにホワイトハウスを封鎖した。

晩餐会に招かれたオーストラリアの首相やゲスト、ホワイトハウスの全従業員にインタビューを行うカップ。容疑者として浮上した人物は、それぞれがA・Bと何らかの問題を抱えていて大きな動機があった。

カップは、名探偵の確かな推理力と探鳥家として培った洞察力を活かし、怪しい人物を絞り込んでいく。果たして、A・Bを殺した犯人は誰なのか……!?



『ザ・レジデンス』の海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)

【Rotten Tomatoes】
批評家スコア:82%
観客スコア:未定
【筆者の評価】
総合評価:★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆
エンタメ性:★★★☆☆
感動:★★☆☆☆

『ザ・レジデンス』は、ケイト・アンダーセン・ブラウワーの小説「使用人たちが見たホワイトハウス」をドラマ化した作品。

人気ドラマ『グレイズ・アナトミー』や『ブリジャートン家』など生み出したヒットメーカー、ションダ・ライムズが製作総指揮を務めているので、筆者は配信を心待ちにしていました。

本シリーズには、風変りな探偵がホワイトハウスで起こった殺人事件を解決していくというユニークな設定と、大勢の個性的なキャラクターという、探偵物を成功させるに足る十分な要素が揃っていたと思います。トーン的には、同じくNetflixが製作した探偵映画『ナイブズ・アウト』シリーズの女性探偵版的な作品を期待していたのです。

ところが、容疑者だけど明らかに犯人ではないキャラクター1~2人の動機や行動に、1話ずつ割いて延々と結論が先延ばしになり、「8話もいらないでしょ!?」と思ってしまった筆者。かなり展開が冗長で、記事にするつもりがなかったら、途中で視聴をギプアップしていたかもしれません……。

小説を忠実に翻案しようとしたのかもしれませんが、削ぎ落とせる箇所は山ほどあったはず。8話ではなく半分の4話ぐらいに短縮するか、もしくは映画としてコンパクトにまとめて、もっとテンポ良く描くべきだったのではないでしょうか。

とはいえ犯人は最後まで予想できなかったし、最終話の何が起きたのかをまとめた部分は興味深く視聴しました。また、カップとFBI捜査官パークのケミストリーも悪くなかったと思います。

・ネタバレを知りたい方は、全あらすじ(ネタバレあり)へ飛ぶ

・ネタバレありの深堀りを読みた方は見どころ・考察(ネタバレあり)へ飛ぶ

『ザ・レジデンス』の登場人物&キャスト

コーデリア・カップ(ウゾ・アドゥーバ)
探鳥家の名探偵。
エドウィン・パーク(ランドール・パーク)
FBI捜査官で、カップの見張り役として捜査に参加。
A・B・ウィンター(ジャンカルロ・エスポジート)
ホワイトハウスのチーフアッシャー。
ジャスミン・ヘイリー(スーザン・ケレチ・ワトソン)
A・Bの部下。彼の死後にチーフアッシャーに昇格。
リリー・シューマカー(モリー・グリッグス)
ホワイトハウスのソーシャル・セクレタリー。
ハリー・ホリンジャー(ケン・マリーノ)
モーガン大統領の補佐。
ラリー・ドークス(イザイア・ウィットロック)
ワシントンDCの首都警察署長。
コリン・トラスク(ダン・ペロー)
ホワイトハウスの警護官。
ベリー・モーガン(ポール・フィッツジェラルド)
米国大統領。
エリオット・モーガン(バーレット・フォア)
大統領の夫。



『ザ・レジデンス』の全あらすじ(ネタバレあり)

 

この投稿をInstagramで見る

 

Netflix US(@netflix)がシェアした投稿

以下、物語の展開を、容疑者になったキャラクター別&時系列順にまとめました。

❖ホワイトハウスで起きた殺人事件
・ジャスミン・ヘイリー
・ディディエ
・シーラ
・トリップ
・ホリンジャー
・エルジー
・ブルース

❖事件の真相は!?
・犯人は……
・3階から4階へ移動した遺体
・泥酔したトリップ
・凶器となった時計の隠し場所

ホワイトハウスで起きた殺人事件

ホワイトハウスで開催された晩餐会で、チーフアッシャーのA・B・ウィンターの遺体が発見される。晩餐会で死人が出たことが分かったら一大事となるため、首都警署長のラリー・ドークスの推薦により、探鳥家で型破りな探偵コーデリア・カップが呼ばれる。

A・Bの両手首には切り傷があり、上着のポケットには遺書らしきメモが入っていたため自殺と推測できたが、彼の後頭部には鈍器で殴られたような傷があった。カップは、A・Bが殺されたと見て捜査を開始し、まずは事情聴取のためにホワイトハウスを封鎖した。

晩餐会に招かれたオーストラリアの首相やゲスト、ホワイトハウスの全従業員にインタビューを行うコーデリア。容疑者として浮上した人物は、それぞれがA・Bと何らかの問題を抱えていて大きな動機があった。

カップは、名探偵の確かな推理力と探鳥家として培った洞察力を活かし、怪しい人物を絞り込んでいく。

ジャスミン・ヘイリー

ジェスミン・ヘイリーはA・Bの部下で、もうすぐ引退する予定だった彼の跡を継ぐはずだった。ところが、心境の変化があった彼から、あと数年は仕事を続けると言われて激しく動揺。同僚に、彼について悪態を吐いていた。

ディディエ

パティシエのディディエは、毎年クリスマス用に作っているジンジャーブレッド製のホワイトハウスを仕上げたが、A・Bに「今年は展示しない」と言われてしまう。また、晩餐会用のデザートにもダメ出しされてブチ切れていた。

シーラ

飲酒問題を抱えているシーラは、晩餐会で空いた席を埋めるために元ファーストレディに頼まれて着席し、談笑しながら飲酒したことをA・Bに咎められる。二人は口論になり、クビになることを心配していたシーラは、「A・Bがいなくればいい」と口にしていたのを同僚に聞かれる。

トリップ

大統領の弟で、大統領邸に住んでいるトリップは、ホワイトハウスのアイテムや装飾品を盗んで部屋に溜め込んでいるトラブルメーカー。その素行の悪さから常にA・Bとトラブルになり、晩餐会の夜も大ゲンカをしていた。

ホリンジャー

モーガン大統領の補佐であるホリンジャーは、FBI長官とオーストラリアの実業家としていた会話をA・Bに聞かれ、政治的な弱みを握られたと勘違いして動揺。A・Bの死後、ホリンジャーが彼のオフィスで機密文書がないか漁っている現場を、カップたちに目撃される。

エルジー

清掃員のエルジーは、逮捕歴があることを隠してホワイトハウスの仕事に応募したことをA・Bに突き止められ、クビを言い渡される。元夫が嫌がらせでホワイトハウスに連絡したと確信したエルジーは、恋仲で技師のブルースに、元夫を意味して「彼を殺す」と言うが、ブルースはA・Bのことだと勘違いする。

ブルース

技師のブルースは、自分の仕事ぶりと実力をA・Bに認められていないことに不満を感じていた。しかも晩餐会の夜、トリップの部屋のトイレの詰まりを直す雑用を押し付けれて怒り、A・Bと激しい口論になった。



事件の真相は!?

『ザ・レジデンス』のキャラクターがホワイトハウスにいる

出展元:https://www.nytimes.com

犯人は……

A・Bを殺した犯人は、ソーシャルセクレタリーのリリーだった。ホワイトハウスの古い伝統を変えようとしていた彼女は、お金を横領して改革の資金を捻出していた。しかし、彼女の悪事に気づいたA・Bはその記録を日記帳に取っていて、晩餐会の夜、リリーに「全て暴露する」と伝えて口論に。リリーが日記を奪おうとした時に、たまたま遺書のように思える箇所を破り取ったことで、彼を殺そうと決める。

リリーは納屋で除草剤を盗み、そこからA・Bに電話。応接室に呼び出された彼は、毒入りのお酒を飲んでしまう。しかし、すぐに彼が死ななかったため、リリーは花瓶を投げつけた後に、重量のある時計で彼の後頭部を強打して死に至らしめる。

3階から4階へ移動した遺体

3階の応接室でA・Bの遺体を最初に発見したのは、エルジーだった。彼女は、A・Bにクビにされるとブルースに話をしたため、ブルースが自分を救うためにA・Bを殺したのだと勘違いする。遺体の近くに転がっていた燭台が凶器だと思い、その場から持ち去る。

その後、エルジーが心配になってブルースが応接室に戻ると、A・Bの遺体があった。エルジーが言った「彼を殺す」の“彼”がA・Bだと思ったブルースは、遺体を担いで4階の301号室に隠す。この時にブルースは鍵の束を落としてしまう。

泥酔したトリップ

晩餐会に参加できずにムカついていたトリップは、ベロベロに泥酔して301号室で目を覚ます。すると、隣にはA・Bの遺体が横たわっていて腰を抜かしまい、慌ててゲームルームへ遺体を移動。301号室へ戻ると血痕が付着していたためペンキで塗り、床に落ちていたブルースの鍵束を拾って再びゲームルームへ戻る。

A・Bの上着のポケットに鍵を入れようとすると紙切れが入っていて、それを遺書だと思ったトリップは、もっと自殺らしく見せるために、隣にあるディディエの部屋からナイフを借りてA・Bの手首を切った。

その後、A・Bの遺体を発見したディディエが、そばに自分のナイフが落ちていることに気づき、犯人にされるのではないかと心配して持ち去る。

凶器となった時計の隠し場所

リリーは、凶器となった時計を隠し扉の棚に隠していた。しかし、誰かに見つかるのではないかと気がかりで、大統領の夫エリオットの声を真似てジャスミンに電話し、応接室の隠し扉を封鎖するよう指示していた。

しかし、リリーが犯人だと見抜いたカップがナイフで隠し扉をこじ開け、凶器の時計が発見され、リリーが犯人だと明らかになる。



『ザ・レジデンス』の見どころ・考察(ネタバレあり)

以下のポイントに注目して考察を深掘りしていきます!

・筆者が犯人だと疑った人物
・主人公の変人的な魅力がイマイチ
・メモに書かれていたことは?
・推理の道具が活かしきれていない
・黒人女性のエンパワーメント

筆者が犯人だと疑った人物

アガサ・クリスティなどの推理小説をドラマ化した作品は大概、容疑者や怪しいと思われる人物は怪しくないので、容疑者として、その動機や行動がエピソードで描かれたキャラクターは犯人ではないだろうと思っていました。

という訳で、筆者が「コイツが怪しい……!」と睨んだのが、カイリー・ミノーグ(本人が出演!)が大好きな警護官のコリン・トラスク。やたらとカイリーやヒュー・ジャックマン(こちらは本人ではない)など、晩餐会に招待されたセレブばかり特別扱いにしていた彼は、かなりコミックリリーフ的な存在として描かれていましたが、「こういうヤツほど怪しい……!」と踏んだのに全然違いました(笑)。

トラスクが、実は超アブない性格でダークな一面があって、誰も想像できないような動機を持っていたら面白かったのにな~。リリーも犯人としてアリかなと思ったのですが、容疑者としてエピソードが割かれていないキャラクターの中では、一番犯人として可能性が高そうだったの排除しました。

ですが、結局は意外性よりも納得感を重視した展開だったので、そこは少し物足りなかったかもしれません。

主人公の変人的な魅力がイマイチ

シャーロック・ホームズや、『ナイブズ・アウト』シリーズの主人公ブノワ・ブランなど、風変りで一癖ありの探偵は珍しくありませんが、コーデリア・カップについては彼女の“変人的な魅力”がイマイチでした。

しょっちゅう望遠鏡を覗く探鳥家で、何かにつけて、誰も聞いたことがないような鳥の名前を引き合いに出す彼女は、きちんと描けばメチャクチャ面白い素敵な変人になれたはず(笑)。

なのに、彼女が長ったらしい鳥の名前を出す度に、自分の知識をひけらかしているようにしか見えず、最後はウザく感じてしまったほど。そんな風に感じたのは筆者だけでしょうか……。

また、カップ役のウゾ・アドゥーバとFBI捜査官パーク役を演じたランドール・パークのケミストリーは悪くなかったものの、洞察力がイマイチなパークをカップが小バカにしたような態度が鼻についてしまって、どうしても彼女を好きになれませんでした。

カップがパークをイジるシーンも、演出次第ではもっと笑えるトーンに出来たはずなので、単に演出不足だったのかもしれません。

メモに書かれていたことは?

最終話を観終えた後に、「遺書らしきメモには何が書かれていたの!?」と気になったのは筆者だけではないでしょう。

メモに書かれていたことを明かしていたら、チーフアッシャーというストレスだらけの仕事を毎日こなし、几帳面で生真面目だったA・Bが何を思い、どんなことに悩んでいたのか、もっと彼に共感できたはず。

いつも真顔なA・Bはかなり冷たい印象で、しかも、あれだけの数の登場人物に殺意を抱かせるほどの存在だったので、彼の内面にもう少し踏み込んでいれば、単なる“冷徹なチーフアッシャー”ではなく、プレッシャーに押し潰されそうな一人の人間として、もっと感情移入できたのではないかと思いました。

推理の道具が活かしきれていない

カップは捜査の過程や自分の推理をまとめるために、ノートにイラストを描いたりメモを取っていました。劇中でそのシーンがやたらと登場するのに、カップはただノートを見つめるだけ……。

ノートに書かれていることを、映像マジックでスクリーン上に再現するなどすれば、彼女の頭の中がビジュアルで楽しめるのに、カップの推理の道具が活かしきれていなかったようにも思いました。

『ナイブス・アウト』とクロスオーバーを期待!

『ザ・レジテンス』は残念な点がチラホラあったものの、軌道修正すれば大きなポテンシャルを秘めているシリーズだと思います。シーズン2へ更新となるかどうかは未知ですが、同じくNetflixの製作による『ナイブス・アウト』シリーズとクロスオーバーしたら面白そう♪

両作のトーンには共通点があるので、『ザ・レジデンス』で十分に輝けなかったコーデリア・カップの魅力を、ブノワ・ブランが引き出してくれるかもしれません。

黒人女性のエンパワーメント

ションダ・ライムズといえば、ホワイトハウスを舞台にしたドラマとして『スキャンダル 託された秘密』も製作していますが、こちらは政治サスペンス&ドロドロ恋愛事情がスリリングに描かれて、こちらもおすすめです♪

『スキャンダル 託された秘密』は政治家や著名人の問題を揉み消すフィクサー、オリヴィア・ホープが主人公で、両シリーズともに、知的で有能な黒人女性を中心に物語が展開するところがポイント。

自身も黒人女性であるライムズは、こういったキャラクターを主人公にすることでステレオタイプの打破を図り、黒人女性のエンパワーメント促進に注力しているのだと思います。



『ザ・レジデンス』のまとめ

少し辛口でレビューしてしまいましたが、劇中では声を出して笑ってしまうシーンもあったので、コメディやミステリー作品、探偵物が好きな人におすすめです。ぜひ、Netflixでチェックしてみてください♪