Netflix映画『フィアー・ストリート:プロムクイーン』は、1988年を舞台に、シェイディサイド高校のプロムクイーン候補になった6人が次々に連続殺人鬼に襲われる……というストーリー。『フィアー・ストリート』シリーズ第4弾となる本作で何が起きるのか、キャスト紹介やあらすじを交えながら、ネタバレあり・なしで考察していきます♪
【本記事の注目点】
・ネタバレを踏みたくない方へ
前半ではネタバレなしのあらすじ&海外評価・筆者の感想を紹介しますので、安心して作品を視聴すべきかどうか判断してみてください。
・ネタバレありで深掘りしたい方へ
後半ではネタバレありの全あらすじ&見どころ・考察で掘り下げ、作品の魅力を余すことなくお届け! すでに視聴済みの方も、おさらいとしてお楽しみください♪
※目次のタイトルをクリックしたら、行きたいセクションへ飛ぶ仕組みです
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』の概要
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』のあらすじ(ネタバレなし)
舞台は、何世紀も前から忌まわしい出来事が続く悪名高き町、シェイディサイドの高校。隣の完璧な町サニーヴェイルとは違い、シェイディサイドは呪われていて住民が突然おかしくなると言われている。
主人公ロリ・グレンジャーは学校の人気者ではないが、家族に着せられた汚名を晴らすため、プロムクイーンとして立候補する。他の候補者は、学校の女王的な存在のティファニー・ファルコナーと彼女の取り巻き3人、そして反逆児のクリスティー・ルノーだ。
ロリは母親の汚名を理由に学校でいじめられていたが、プロムに向けてドレスを選んだり、親友メーガンと過ごしてイベントに備える。
しかし、プロムの数日前に候補者の一人が行方不明になり、学校の一大イベントの当日に赤いコート&マスク姿の何者かがプロムクイーン候補を次々に襲う……。
犯人は何者で、何が目的なのか? そして、ロリは生き残れることが出来るのだろうか……!?
・ホラー作品が好きな人におすすめ!
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』海外での評価&筆者の感想(ネタバレなし)
『フィアー・ストリート』シリーズは、2021年に『フィアー・ストリート Part1:1994』と『フィアー・ストリート Part2:1978』、『フィアー・ストリート Part3:1666』が配信された3部作。各作品のストーリーに関連性があり、第3弾ではしっかり伏線が回収され、ホラートリロジーとして見事に機能していました。
Netflixが展開するホラー映画フランチャイズとしてファンの人気も高いので、『フィアー・ストリート:プロムクイーン』に期待していました。ホラー映画&プロムとくれば、ホラーファンなら当然、1976年公開の傑作映画『キャリー』を連想してしまうはず。ですが、『キャリー』のようなクオリティを期待してはいけません。100%、完璧に裏切られます。
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』は超平凡なストーリーで、捻りやサプライズも皆無……。しかも、キャラクターの殺され方にも斬新さはゼロで、こんな脚本と演出なら素人でも出来るんじゃないかと思ってまうレベル。
本作の失敗で、『フィアー・ストリート』シリーズが打ち切りになるのではないかと心配になってしまいました。残念ながら、「グロいホラー描写され見られればいい」という人以外にはおすすめ出来ない作品です。
・『ブラック・ミラー』にはホラー要素が濃いエピソードも!
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』の登場人物&キャスト
ロリ・グレンジャー(インディア・ファウラー)
シェイディサイド高校の生徒。母親の汚名を返上するためにプロムクイーンに立候補する。
メーガン・ロジャース(スザンナ・サン)
ロリの親友で大のホラーファン。
ティファニー・ファルコナー(フィナ・ストラッツァ)
学校の女王で、いつも取り巻き“ウルフパック”を率いている。いじめっ子で性格が悪い。
ナンシー・ファルコナー(キャサリン・ウォーターストン)
ティファニーの母親。
ダン・ファルコナー(クリス・クライン)
ティファニーの父親でシェイディサイド高校の教師。
タイラー・トーレス(デヴィッド・ヤーコノ)
ティファニーの彼氏で、ロリのことが気になっている。
ドロレス・ブリッケンリッジ教頭(リリー・テイラー)
シェイディサイド高校の教徒で元修道女。
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』の全あらすじ(ネタバレあり)
この投稿をInstagramで見る
・プロムクイーンに立候補したロリ
・プロムを恐怖に陥れた連続殺人
・ロリの母親に着せられた汚名
・ロリに迫る殺人鬼の魔の手
・連続殺人事件の全貌
プロムクイーンに立候補したロリ
舞台は、何世紀も前から忌まわしい出来事が続く悪名高き町、シェイディサイドの高校。隣の完璧な町サニーヴェイルとは違い、シェイディサイドは呪われていて住民が突然おかしくなると言われている。
主人公ロリ・グレンジャーは学校の人気者ではないが、家族に塗られた汚名を晴らすため、プロムのクイーンとして立候補する。他の候補者は、学校の女王的な存在のティファニー・ファルコナー、彼女の取り巻きのメリッサ&ティファニー&デビー、そして反逆児のクリスティー・ルノーだ。
ロリは母親の汚名を理由に学校でいじめられていたが、プロムに向けてドレスを選んだり、親友メーガンと過ごしてイベントに備える。
しかし、プロムの数日前にクリスティーが、黒いマスク&赤いコート姿の何者かに斧で惨殺されてしまう。その人物は、1988年の卒業アルバムに掲載されているプロムクイーン候補のページを開き、クリスティーの写真にバツ印を入れ、候補者を殺すつもりだと示唆される。
プロムを恐怖に陥れた連続殺人
そして、迎えたプロム当日。ロリが小学校の頃から想いを寄せているタイラーは、彼女のティファニーをエスコートしてプロムに参加したが、ロリのことが気になっている。
23時に始まるプロムクイーンの投票を前に、メリッサがチラシの準備をするために彼氏と教室へ行った時、二人は赤いコートの殺人鬼に惨殺される。続いて、地下でイチャイチャしていたデビーと彼氏も、殺人鬼の餌食になってしまう。
ロリの母親に着せられた汚名
プロムの最中、ロリに赤いバラの花束が届くが送り主は不明だった。その場に居合わせたティファニーは、最近ロリに興味を示していたタイラーではないかと心配になり、嫌がらせでロリの母親ローズマリーの話をし始める。
ローズマリーは、サニーヴェイルの人気者に恋をしたが単に遊ばれただけで、彼女は彼を惨殺し、ロリを妊娠したと辛辣な口調で言う。それを聞いたメリッサが「言い過ぎだ」と責めてロリをかばうが、ムカついたティファニーにドリンクをぶっかけられてしまう。
メリッサが更衣室で着替えていると、彼女も殺人鬼に殺されてしまう。そして、マスクの人物は二人だった。
ロリに迫る殺人鬼の魔の手
ティファニーは、ロリに気があるのかタイラーを問い詰め、彼に別れを告げられる。その後、ロリに近づいたタイラーがキスをしようとした瞬間、メーガンが仮面の不審者の存在を報告。プロムクイーンの候補者が次々に姿を消していて、残るはロリとティファニーだけだと警告するが、キスを邪魔されたロリが怒って口論になってしまう。
タイラーはロリを静かな場所に連れ出すが、背後から突然現れたマスクの男に惨殺される。メーガンと合流したロリはマスクの男に追いかけられるも、何とかプロム会場へ戻る。すると、ちょうどプロムクイーンが発表される瞬間で、ティファニーを負かしてロリが選ばれた。
しかし、マスクの男が会場に乱入して大狂乱に。殺人鬼に襲われたロリがティアラで男の目を突き刺し、男がマスクを取ると、なんとティファニーの父親ダンだった。
衝撃を受けたステファニーの母親ナンシーが「どうして?」と訊くと、ダンは「人々の記憶に残るのは勝者だけだ」と答える。
連続殺人事件の全貌が明らかに
ナンシーは警察で事情聴取を受けることになり、ロリはティファニーと一緒に帰宅する。しかし、家に戻ってきたナンシーはナイフを手にしていて、さらにティファニーまでロリを襲ってくる。実はファルコナー家は、ティファニーをプロムクイーンにするため、家族ぐるみで他の候補者を殺害する計画に加担していたのだった。
ロリを追い詰めたナンシーは、恋人だったロリの父親を殺したのは自分で、彼の浮気相手だったローズマリーに汚名を着せたことを告白する。ティファニーにとどめを刺されそうになったロリは彼女を蹴飛ばし、一階に転落したティファニーは尖った彫刻に串刺しに。続いてナンシーをトロフィーで殴って撃退し、外に出たロリが、「私はロリ・クレンジャーよ」と言うシーンで終了する。
・『デリシャス』もNetflixのホラー映画
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』の見どころ・考察(ネタバレあり)
この投稿をInstagramで見る
・筆者が予想した犯人
・魅力のないキャラクター
・犯人の動機がヤバすぎる
・毒親と子どもの心理的連鎖!?
筆者が予想した犯人
ホラー映画の醍醐味といえば、「犯人は誰か?」という推理ですよね。本作で筆者が最初に怪しいと思ったのが、顔色の悪い教頭の息子。プロムクイーン候補に何か恨みでもあるんじゃないかと思ったのですが、斧を振り下ろす殺人鬼の迫力に「彼じゃないな」と判断しました。
次に怪しく思えたのが、ティファニーの父親ダン。まさか、娘をプロムクイーンにするためだけに殺人!?と驚きましたが、『ファンタスティック・ビースト』シリーズで知られる知名度の高いキャサリン・ウォーターストンがティファニーの母親役を演じていたので、彼女も何らかの形で事件に関係しているのではないかと推測しました。
個人的には、元修道女のブリッケンリッジ教頭が黒幕だったら、予想外で面白かったのになあ~と少し残念。演じたリリー・テイラーは実力派だけに、もっと見せ場が欲しかったところです。
魅力のないキャラクター
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』が今ひとつ盛り上がりに欠けたのは、登場人物たちに魅力がなかったことが最大の要因だと思います。
スラッシャー映画は、マスクをつけた殺人鬼が若者グループを次々に襲っていく、という定番の型があるため、どうしても他作品との差別化が難しいジャンル。だからこそ、物語の鍵になるのはキャラクターの個性や面白さです。
しかし、ティファニーはステレオタイプないじめっ子で、ロリとタイラーとの三角関係も盛り上がりにん欠け、特にロリとタイラーの間にはケミストリーを感じられずに不完全燃焼でした。
また、物語を掻き回してくれそうなバッドガールのクリスティーが真っ先に殺され、一番個性が強いメーガンの存在も活かされずじまい。特殊メイクを使ったホラー演出で、周囲をビビらせていたメーガンの趣味を殺人鬼の撃退に役立てるような展開があれば、もっと面白くなったのではないでしょうか。
主人公ロリも、母親の汚名を晴らすためにプロムクイーンに立候補するという強さを見せながら、以降の展開では受け身で、“ファイナルガール”としての成長の描写が足りませんでした。
そのため、ラストでロリが言う「私はロリ・グレンジャーよ」という決めゼリフにも、カタルシスや説得力が今ひとつ感じられなかったのが残念です。
犯人の動機がヤバすぎる
スラッシャー映画に、犯人の心理を掘り下げたトラウマや、精神疾患などの問題を描いた重厚なプロットを求めてはいけない……と分かっていても、どうしてもツッコまずにいられなかったのがファルコナー家の動機の薄さです。
娘にプロムクイーンの栄冠を与えるために、ライバルを全員殺すってあり得ない……! 普通の家庭なら、「うちの子に投票してください」と手作りクッキーでも配るところが、「斧を用意しようか」と家族ぐるみで計画するのはヤバすぎます(汗)。
そして、ダンが口にした「人々の記憶に残るのは勝者だけだ」という迷言。いやいや勝者どころか、自分がシェイディサイドの“伝説の連続殺人犯”として、永遠に名前を刻まれますけど!?と思ってしまいました(笑)。
毒親と子どもの心理的連鎖!?
とはいえ、製作チームが意図していたかどうかは分かりませんが、本作には「毒親が子どもに課す完璧さ」という“呪い”が隠されているのかもしれません。スポーツや進学など、子どもの意思や夢よりも、親の理想が優先されてしまう家庭って意外と少なくないのでは!?
劇中でティファニーがロリを騙すために、「両親の期待に応えようと必死だったけど、心の中では自分は凡人だと思っていた」というシーンがありましたが、案外本音だったかもしれません。
家族の歪みはスラッシャー作品で珍しくないテーマですが、本作はファルコナー家が家族ぐるみで連続殺人に加担していたというプロットにより、毒親と子どもの心理的連鎖というリアルな闇をチラ見せしていたとも考えられそうです。
・『YOU ─君がすべて─』は連続殺人鬼を主人公にした人気ドラマ
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』のまとめ
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』は、サプライズも捻りもないプロットに魅力のないキャラクーといい、1時間28分という時間を投資するに値しない作品との感想を抱きました。
とはいえ筆者の一意見にすぎないので、『フィアー・ストリート』トリロジーを視聴済みの人は、前3作と比較しながら評価してみてはどうでしょうか?
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』の視聴方法
『フィアー・ストリート:プロムクイーン』はNetflixで独占配信中! VOD(ビデオ・オン・デマンド)の中でもダントツにコンテンツ量が多いNetflix。使ったことがない方も、この機会にぜひ♪
この他にもNetflixでは、同シリーズ系統のドラマが多数配信中です。「次に観たい作品が見つからない…」という方は、以下も合わせてどうぞ。
海外ドラマDIVEで紹介したNetflix映画のおすすめ3選
Netflixにはドラマシリーズだけでなく、見応えある映画もラインナップに数多く揃っているので見逃せません♪


