世界中で大旋風を巻き起こしたNetflixの問題作『アドレセンス』はリミテッドシリーズとして製作されましたが、なんとシーズン2へ更新される可能性が濃厚なようです。ということで、現時点で分かっていることを紹介しつつ、シーズン2について予想していきたいと思います!
『アドレセンス』のあらすじ・キャストなどをチェック
まずは、こちらの記事(↓)で、『アドレセンス』のあらすじ・キャスト・考察を、ネタバレあり・なしで紹介しているのでチェックしてみてください!
『アドレセンス』がシーズン2へ更新か
『アドレセンス』は、2025年3月13日にNetflixで配されて以来、その衝撃的な内容により世界中で社会現象を巻き起こすほど話題となり、1ヶ月足らずで1億1,400万回以上の視聴回数を叩き出す大ヒットを記録しました。
13歳の少年ジェイミーが同級生の少女を殺害した容疑で逮捕され、インターネットでマノスフィア文化に影響されたことが犯行動機になった過程が描かれ、今も根強く現代に蔓延る女性蔑視の問題に鋭いメスを切り込んだ問題作です。本作は、全編ワンカットという大胆な方法で撮影され、全4話となるリミテッドシリーズとして製作されました。
非の打ち所がないストーリー展開と演出、演技の全てを完全な形で昇華させた傑作として高く評価されていますが、「これほど完璧な作品にシーズン2が必要なの……!?」と思う人は筆者だけではないはず。
とはいえ、エンターテインメントはビジネスです。製作スタジオにしてみれば、ヒットしたら続編を作って、利益を生み出したいと考えるのは当然なのかもしれません……。
シーズン2に向けて話し合いが進行中
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Deadlineによると、『アドレセンス』を手がけた人気俳優ブラッド・ピットの製作会社Plan Bで共同社長を務めるデデ・ガードナーとジェレミー・クライナーは、シリーズの“次期バージョン”について話合っているとのこと。
ガードナーは、「視野を広げて番組のDNAに忠実であり続け、繰り返しにならないようにする方法」を模索していると述べていますが、詳細は明かしていません。しかし、ジェイミーの父親エディ役を演じ、クリエイターも兼任したスティーヴン・グレアムと、脚本家のジャック・ソーンが再タッグを組んでくれることを期待していると付け加えています。
また二人は、「一見小さく、地域限定的な感情に訴える物語」が、世界中の人々の心に響くことを証明できたともコメントしていました。
シーズン2はどんな内容に!?
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では、シーズン2はどんな内容になるのでしょうか!? ここからは筆者の推測になりますが、製作会社の共同社長が言っていた「視野を広げて番組のDNAに忠実であり続け、繰り返しにならないようにする方法を模索している」との言葉が鍵となりそうです。
「繰り返しにならない」とは、おそらくシーズン2が製作されても、ジェイミーのその後を描く物語にはならないこと意味していると思われます。
『アドレセンス』の4話はあの形で完璧に完結していたので、ズルズルと物語の続きを語るのは賢い方法とは思えません。この神がかり的な最高傑作を絶対にイジって欲しくないという気持ちがあるので、「繰り返しにならないようにする方法を模索している」との言葉に少しホッとしました。
ということは、製作会社Plan Bはアンソロジー的な構成を検討していると考えられそうです。例えば、HBOドラマ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』や、Netflixドラマ『BEEF/ビーフ ~逆上~』といった作品はリミテッドシリーズとして製作されましたが、大ヒットを受けてアンソロジーとして継続しています。
『アドレセンス』シーズン2の製作が決定したら、シーズン1と同様に、現代のティーンエイジャーが直面している問題に鋭く切り込んだストーリーが描かれそうな気がします。
また、スティーヴン・グレアムの妻でプロデューサーのハンナ・ウォルターズは、「ワンカットには価値があるし、人間の本質に再び焦点を当てて、そこから別の何かに目を向けることにも大きな価値があります」とコメントしているので、シーズン2も全編ワンカットで撮影する可能性がありそうですね。
『アドレセンス』の企画を却下したAmazon
『アドレセンス』の製作について、少し面白い舞台裏秘話があるので紹介してみたいと思います。
ブラッド・ピットが率いるPlan Bは、もともと『アドレセンス』の企画をAmazonプライムビデオに提案していたのだとか。Amazonが本企画を却下した理由は不明ですが、世界的な大センセーションを巻き起こし作品を断って、さぞかし悔しがっているのではないでしょうか(笑)。
ブラッドは、ジャック・ソーンが執筆したパイロット版の脚本に惚れ込み、Amazonに作品を売り込むピッチミーティングにも同席するほどの入れ込みようだったそう。にもかわらず、企画をパスしたAmazon。ブラッドのスターパワーをもってしても、Amazonの幹部が野心的なプロジェクトに首を縦に振らなかった理由が気になります……。
『アドレセンス』の企画はAmazonに見送られてしまいましたが、脚本に圧倒されたブラッドは映像化を実現しようと奔走し、共同社長のクライナーは、「ブラッドは、このプロジェクトを立ち上げるためのエネルギーや原動力の一部でした」と語っているので、『アドレセンス』の成功はブラッドの尽力に負うところも大きいようです。
ちなみに、エド役を演じたスティーヴン・グレアムとブラッドは、2000年公開の映画『スナッチ』で共演しています。
『アドレセンス』が、アンソロジーとしてシーズン2でカムバックするなら大歓迎です。こういった作品がきっかけとなり、社会問題に関心を持つ人々が増えて解決に向かうという循環が生まれれば、フィクションの力は単なる娯楽を超えて現実を動かす原動力になり得ますからね。
シーズン2が製作されるのか、続報に注視しておきたいと思います。

